蝉がジリジリシャアシャア鳴くと

　曇り。蝉の鳴き声で目を覚ます。午前中、千里出張所へマイナンバーのカードをもらいに行く。申請をしてから数カ月。忘れたころに届いた。添付資料は健康保険証だけではだめ。預金通帳も要る。職員は丁寧にカードの活用の仕方などをガイダンスしてくれた。カードは10年間有効という。それまで、どれくらい役立つことやら。死ねば何の役に立つのかな。死んでも届けねば生きた扱いをされるのだろうか。

　あんまり先のことは考えんとこ。蝉声は、ジリジリシャアシャア、姦しい。相模原の知的障害者殺傷事件の死者の弔いの合唱のように見聞こえるし、物憂い人びとへの鎮魂歌のようでもある。
　　　　　　　　　　　　　　　乾麺を括る手捌き敗戦忌　昇龍子