枯木の古木に新芽

　くもり。浅井信雄さんの「民族世界地図」(新潮文庫)を読む。地球上いろんな「民族」紛争が報じられている。その深層を知りたくて。が、「民族を定義するのは難しい」。浅井さんはいう。その一言が印象に残る。1960年代、ぼくはアメリカ属国の日本の独立を願い「民族独立行動隊」（だったかな?)のうたを唄った。が、いまはそんな歌を耳にしない。もうアメリカの属国ではなくなったと国民の意識が変わったのだろうか。もしそうだとしたら重大な時代錯誤ではないか。これは60年安保に若き血を燃やした古老の胸の内にいまもふつふつとくすぶる思い。「日本独立」へのつぶやき。

　お昼は、パスタ・カルボナーラ。午後、箕面の安売りスーパーへ買い出しに。麺類と果物など買って帰る。途中、ヌマスギの新芽に気付く。どこからみても枯木の大木だが、蘗(ひこばえ)に新芽が吹き出ていた(写真上)。そのわきに水仙が清楚に咲いていた。千里の春。写真上=千里みどりのさんぽみちのヌマスギの蘖(ひこばえ)。下水仙花。
　　　　　　　　　　枯れ尽きぬ古木に新芽吹きいづる　昇龍子