ノーやん日記パート2

三十日2019

 雨のち曇り。午前中雨なのでソファーに寝ころんで、故麻生磯次・学習院院長先生の「笑いの文学―日本人の笑いの精神史」を再読。さすが学習院の大先生。「立派に正しく笑う」ことを導いて下さる。「人間は笑う動物である」(アリストテレス)らしいけど笑いには「上・中・下」があるそうな。フランスの作家ジュール・ルナールは「笑うためにこの世に生きている。地獄ではもう笑えないだろう。天国で笑ったりしては、ぐあいが悪いことだろう」と「日記」に書いたとか。

 麻生先生は、大きく日本人の笑いの国民性から説き起こされる。「上代」記・紀にみる「楽天的現世的な笑い」から平安朝時代の「源氏物語」などにみる「繊細こまやかな笑い」、鎌倉時代から江戸時代にかけての「複雑な笑い」の歴史の解明。その博識ぶりに驚く。江戸時代、「柳多留」の「役人の子はにぎにぎをよく覚え」のような諷刺の笑いは禁じられたという。人はなぜ笑うのかを探究している愚老は、笑いは狂言、俳諧、川柳、落語、漫才、漫画など時代とともに大衆化し豊かになってきたように思う。上方落語には「地獄八景亡者戯」(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)という地獄を旅するお笑いもおまっせ。お昼は、パスタ・ナポリタンプラスインゲン豆。

 午後、雨が上がったので、正月用の食料の追加買い。豚肉のブロックひとつ600円余を買う。肉包丁を使ってこれを家族3人分に切り分ける。お正月は雑煮とお節の他は愚老の手によるすき焼きと豚肉料理となる。

 カジノ汚職事件の収賄容疑者でカジノ制度化の中心人物、秋元司衆院議員・元IR担当内閣府副大臣に関する野党共同のヒヤリングをYouTubeでみる。内閣府は野党・国会側の資料要求に応じず、カジノ解禁法・実施法を実行する姿勢を繰り返した。“悪法もまた法なり”“にぎにぎの木偶の坊なりお代官”、か。というわけで政治の世界は煤払いもせず年越しに。

 爺婆のレジ睨まるる師走かな 昇龍子 

 

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