まず、花壇へ。パンジーの花がら摘みと雑草引き。「いつもきれいにしていただいて」「ありがとうございます」。「いいお天気ですね」「毎日続くといいですね」。「きょうは暑いくらいですね」。会う人会う人、あいさつを交わす。
きょうは、千里中央公園へ足の向きを変える。毛糸の帽子を脱いで。風があたってもきょうは大丈夫だった。箕面連山は春霞。しかし、まっすぐ見ようとすると自然に右目をつむってしまう。
公園は人がまばら。安場池の野鳥観察小屋へ。先日まで10数羽いた鴨が全部姿を消している。遠くへ旅立ったのだろうか。ちょっと寂しい気持ちに。池をぐるっと一周、また池を眺める。野鳥が一二羽、鴨のいない池をはすかいに渡っている。池の噴水に虹がかかっている。
広島カープの真っ赤な野球帽を被ったおばちゃんが、突然ぼくの横へ来て「オシドリがいる。あの木の影や」という。ぼくの目には見えない。指差して「あっこや」。「こないだまでおった鴨はいないねぇ」というと、おばちゃん「あれ、ハシビロガモいうねん」。「どこへ行ったんやろう」とつぶやくと「知らん」。そう言っておばちゃん双眼鏡を手に観察小屋の方へ自転車に乗って行きはった。噴水の虹と自由に飛び交う野鳥の姿。ぼくの目を癒してくれた。
引鴨の消えしまなかにきらきらと 爽雨
鴨去って野鳥一二羽はすかいに 愚句
微風に眼晒しぬ春の虹 同
病めばなお眼鏡を探す老いの春 同