高木市之助氏の「万葉集の本質」は、堅ぐるしい文体なので読み飛ばし、分かりやすい文章の中西進氏の「万葉集の生成」と梅原猛氏の「愛と死の終焉ー万葉集について」を読む。万葉集の成り立ちは未解明の部分が多い。まだ万葉仮名といわれる漢字を用いて言語を表現していた時代の歴史上初のアンソロジー。いろんな角度から探究心が沸く。梅原氏の、「万葉集」は「古事記」「日本書紀」の世界観に対し対極をなすという所説にどっきりした。氏は、「万葉集」を「はたして素朴な詩集か」と根源的な問いを発し、大伴家持は「律令的合理主義」にたいし保守的な「非合理主義」ー「人間を愛と死によってみる世界観」を示したのではないか、と解く。
ま、いろんな研究、説があってよいだろう。日本でことばが文字に記されるようになりはじめた時代の文芸として、初々しく万葉集を読み返すべし。読み方のいろはを覚る。昼は、パスタ。肉団子と大葉、水菜、茗荷を散らして。芋と南瓜を副菜に。写真は、ハイビスカス(上)と百日紅(下)
太古より虫鳥人のうたやまず 昇龍子