備忘録、という事で今まで少林寺拳法(以下SKと略す)について考えてきた事を、自分がボケる前に記しておこうと思うのですが、ブログの説明に書いてある通り、
※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。
SKの技について考察はするのですが、もし本部の公式見解と矛盾していたら、私の方が間違っていると考えて頂いて差し支えありません。個人の備忘録ですから。。
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二段抜は旧・科目表では3級科目で習得するSKの両手技で、龍王拳(抜き技)の一つです。3級では両手寄抜・両手巻抜に続く3つ目の両手技で、二段抜の後に両手突抜・肘抜-前天秤と続きます。
多分拳歴20年以上の指導者になると科目表の配置など余り気にして無いでしょうが(…)、成程、旧・科目表の段階で3級柔法のテーマは「両手技」だったんですね。3級の片手技は十字抜だけです(両手十字抜・合掌抜は2級科目)。
変化技とは言え、巻抜・突抜にはまだ<基本技>の感覚があります。二段抜や肘抜-前天秤というと、何かいよいよ「応用技に入ってきた感」があるのです。茶帯技なのも当然な気がします。
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二段抜・肘抜-前天秤の2技には「両手」とありませんが、基本法形としては両手のみの運用です。これは攻撃が片手であれば、この2技を用いなくとも別の片手技でより簡単に処理できるからです。やはり基本技→応用技がある、という認識は必要でしょう。「最速の寄抜」から、ちょっとした変化技の巻抜・突抜で「変化する為の運歩・体捌き」というものを実感します。しかし両手を掴まれて二段抜・肘抜の攻撃に変化されると、この「変化する為の運歩・体捌き」が巻抜・突抜の時以上に制限されます。その上での変化技なので、ちょっと応用感が強い(ハイレベル)訳ですね。
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さて二段抜での攻者の攻撃は「手掌を上にするように捻り込みながら身体に押し付けてくる」という変化です。勿論、その第一の意図は鉤手守法の阻止です。
片手寄抜の項で既に述べた通り、寄抜とは我の肘を攻者の掴み手の肘に内側からぶつける様に打ち出して抜く技なので、肘よりも内側に手首を押し付けられると、寄抜では抜けなくなります。
攻者は両手を握っており、片手を絞るように捻れば反対も同じ様な捻りになってくると思うのですが、前手を押し付けるのは難しいので、身体に押し付けてくるのは守者の奥手に対して、という事になります。
二段抜の攻撃法に関しては、先生によって細かい所に異同が見られます。
一番の違いは「押し付けてくる」の程度に差があります。思い切り押し付けて来るように指導する先生もいれば、捻り上げる方が主で押し付けはしてこない先生もいます。これによって技自体が多少変わるので教わる側は注意が必要です。但し、捻りながら奥手を引っ張る事はしません(しづらいですしネ)。
なので私自身は、二段抜の攻撃での一番の要件は「手掌を上に向ける(=守者の奥手を回外させる)ように(肘の)内側に捻り込んで来る」という事だと思っています。身体への押し付けに関しては「あればそれを利用するが、それ程ではなくても出来る二段抜」を心掛けています。
攻者の心構えとしては守者の腕を捻り上げる以上、下(足)から突き上げる様な腰使いが必要だと思っています(前後方向へは押さえつけようがつけまいが)。よく「ただ掴んで捻っているナンチャッテ攻者」を見かけますが、我の身体から離れた捻りなんぞに何の力もありません。当然、一歩踏み込みながらの捻り上げになる筈です。
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次に重要な「先生による攻撃方法(変化)の異同」は、押込む(捻上げる)「高さ」です。「下から捻り上げる」という事で、胸に押し付ける様にさせる先生もいれば、腹に押し付けるようにする先生もいます。これも攻撃によって技自体がかなり変わるので教わる側は注意が必要です。
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…という事で、正直二段抜には細かい事を言うとかなりのパターン(やり方の違い)があると思っています。上記の通り、攻者によって(先生によって…)攻撃に違いがある事と、もう一つは、抜きのイメージに大きく2種類(或いは3種類)ある事によります。
抜きイメージの2種とは、①一気に抜くか、②二段階で抜くか、です。
更に言えば①の一気に抜く場合は、①-(1)上に抜くか、(2)水平(下)に抜くか、でも分かれます。因みに②の「二段階で抜く」とは「下で押さえて上に抜く」という事なので、②法では抜き自体は必ず「上に抜く」事になります。
更に細かい事を言えば、②の二段階法でも「下に押さえる」の程度に大きく分けて2種あります(見た目にもかなりの違いになります)。
詰まり私(た)が観察するに、二段抜には先生によって、
一気に抜く:①-(1)上に抜く or ①-(2)水平(下)に抜く
二段階で抜く:②-(1)一旦下に強く押さえてから反動で上に抜く or
②-(2)一旦腹前にグッと押さえてから反動で上に抜く
の4種(…)がある事になります。攻撃法の指導にも違いがあるので、話は更に複雑なのです(…)。
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ハナシが長くなったので具体論は次回に持ち越しますが、私自身は「攻撃は捻り上げ主体で押込みは強調しない」「抜き方は②-(2)法」が一番しっくりしています。
なんか高級料理店でステーキを注文してるみたいですが…(苦笑)。
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