(た)のShorinjiKempo備忘録

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

片手寄抜

2024年11月25日 | 柔法
備忘録、という事で今まで少林寺拳法(以下SKと略す)について考えてきた事を、自分がボケる前に記しておこうと思うのですが、ブログの説明に書いてある通り、

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

SKの技について考察はするのですが、もし本部の公式見解と矛盾していたら、私の方が間違っていると考えて頂いて差し支えありません。個人の備忘録ですから。。

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片手寄抜は旧・科目表では、6級での小手抜に続き5級科目で習う、2つ目の龍王拳(抜き技)です。小手抜と寄抜の2つで、まず左右それぞれの手で掴まれた場合を学びます。それぞれで鉤手守法を学ぶ事で、鉤手守法の本質への理解も進むと思います。小手抜はSK柔法の2大潮流である逆小手の入り口ですし、寄抜とその変化技である巻抜はもう一つの潮流である送小手の入り口です。

小手抜に続いて学ぶ事で、pointとなる事が幾つかあります。
まず牽制の当身ですが、小手抜では攻者の掴み手(肩)が邪魔で攻者の頸部を打つ事は出来ませんでしたが(なので牽制の当身は目打ち)、片手寄抜では攻者の表側に位置取ることにより、頸部がガラ空きになります。なので基本の当身は手刀切になります。

攻者の表に出るという事は、当然反対側の拳で攻撃されるリスクがあります。その点でも我の脇が空きがちな目打ちより、我の正中線を守りながら頸部に切り込める手刀切が良い事になります。

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片手寄抜の抜き方は、(1).まず寄せ身、(2).続けて握られた手の肘を相手の肘にぶつけるように打ち出して寄抜、(3).その儘熊手突で当身、なのですが、ここでかなり広く行われている間違いがあります。

それは「寄せ身と寄せ足を間違えて覚えている」というものです。言葉が似ているので、小手抜の時に習った後ろ足の寄せ足を、寄抜の時にもしているひとがかなり居るのです。後ろ足の寄せ足をしてしまうと、多くのひとでは我の身体が攻者に向き直す様に作用してしまい、鉤手守法の安定が弱くなってしまいます。
小手抜の寄せ足が抜きの予備動作であるのと同様に、寄抜の寄せ身も寄り抜く為の予備動作になっていなくてはなりません。身体を敵に寄せる事で、防禦を維持しながら肘を打ち出す間合いを作るのです。
ここはかなりのひとが間違えるところなので、指導者は注意して修正する必要があるでしょう。(※熊手突は逆突になりますので、突き込む際には後ろ足を寄せる事はあり得ます)

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先生・先輩にハッキリ言われた事はないのですが、私は寄抜は「少林寺拳法最速の抜き技」だと思っています。そう確信してから、後輩にはそう教えています。勿論、級拳士では(1).肘をぶつけるように打ち出して抜く、(2).内掌を返して熊手突、という動きを身につける為に、2拍で技を行なって構わないのですが、有段者になったら抜きから当身迄は基本的に1拍で打込むように修練しなくてはいけません。また級拳士では、寄せ身の時に肘を後ろに振上げる動きも許容されますが(野球に於いて打者が行なうバックスウィング(テイクバック)の動き)、有段者では鉤手守法の位置から抜けるよう修練すべきです。
「最速の抜き技」であるからこの握りに於ける基本技なのです。攻者が寄抜を封じてきた時には、変化技になるのです。
両手寄抜での2つ目の抜きの当身は、長く行なわれてきたのは直突ですから、寄抜から拳を握って直突でも突ける心積りが必要です。

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もう一つ前から気になっている点は、片手寄抜の基本修練では、何故か熊手突をしてから連反攻をしないで間合いを切る事が多いのは何故なんでしょうか。小手抜片手巻抜では、抜いて裏拳打の後に逆中段突の連反攻を入れる事がデフォルトではありませんか? なのに寄抜の後に順中段突を入れない理由が、何かあるのでしょうか? 分かる方が居たら是非教えて頂きたく願います。(私は中段突を入れるように指導しています)

【宗門の行としての少林寺拳法】龍王拳 片手寄抜 金剛禅総本山少林寺 公式YouTubeチャンネルより


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