(た)のShorinjiKempo備忘録

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

両手巻抜

2024年12月14日 | 柔法
備忘録、という事で今まで少林寺拳法(以下SKと略す)について考えてきた事を、自分がボケる前に記しておこうと思うのですが、ブログの説明に書いてある通り、

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

SKの技について考察はするのですが、もし本部の公式見解と矛盾していたら、私の方が間違っていると考えて頂いて差し支えありません。個人の備忘録ですから。。

     ◆     ◆     ◆

両手巻抜は、旧•科目表では両手寄抜に続いて3級科目で修得する龍王拳の抜き技です。両手技とは攻者が両手で守者の両手(攻者左手は守者右手を、右手は左手)を掴んでくる場合です。
寄抜では<両手寄抜>なのに、巻抜では<巻抜(両手)>と記載されています。その辺りの名称については片手巻抜の項で述べてますので、お暇な方は読んで下さい。。

片手巻抜に関しては、攻者が「寄抜をさせまいとして外に振ってきた時」と指導された筈ですが、教範には「寄抜の時と同様に握ってきた場合」というようにしか書かれておらず、科目表でも「外手首・順」との記載のみです(cf.片手寄抜では攻撃は「外手首・順引く」)。
両手巻抜に於いても同様に攻撃は「外手首・順」の記載ですが(cf.両手寄抜では「外手首・順引く」)、片手技と同じく攻者が寄抜を封じてきたのに対する変化として修練するのが一般的で、それが私は基本法形だと考えます。

     ◆     ◆     ◆

両手技の修練では「一つ目は巻抜で、二つ目は寄抜♪」と気軽に考えがちですが、両手技や諸手技は、ただ片手技と同じ事をやれば良い訳ではなく、特有の制限・制約に対しての工夫が必要になります。
両手寄抜の場合にもあり、反撃の段突(目打-中段)について考察する場合でもそこ(両手特有の制約)を抜きには出来ないのですが、両手巻抜の場合でも「両手を掴まれている中で<巻抜>を行なうという意味」を考えなければなりません。
そこを考える事で、龍王拳の基本原則である「回転の中心は動かさない」という事への理解が深まるのだと私は思っています。
もう少し砕いて表現すると、奥手の巻抜をする際には、(回転の中心を固定する為に)前手にも工夫が要る、という事です。そうでないと巻抜が詰まってしまうのです。

ところが実際にはその工夫をしないで抜いている拳士が沢山います。理由は「回転の中心を固定」していないからです。肘を固定して前腕を回して抜いている拳士が沢山います。いるという事は出来ているのからそうしているのであって「抜けているのだからいいでしょう?」という事にもなります。
しかし私は片手巻抜の項でも申しました通り、巻抜の基本は小手抜の応用だと思ってますので、攻者が外へ押し込んできた作り(握り)の部分を、出来るだけ振り回さないで抜く方法をまず会得したいと思います。教範にある通り、開祖が肘を出して抜く方法を基本としていたのは間違いありません。なので作りを振り回して抜くのは応用です。
新井元会長の再現性のある巻抜(片手/両手)は見事だと思います。

     ◆     ◆     ◆

さて基本の両手巻抜では上述の通り奥手を巻抜いて前手を寄抜く事が多いと思いますが、攻者が守者の体勢を崩そうとして外に振るのであれば、両手を掴んだ際に前手を外に振る事だってあり得る筈です。
私は最初先輩から習った時に、奥手からの巻抜を一通りやったら「じゃ次は前でやってみな」と言われました。その時は前足を外に蟹足して左右逆の鉤手守法になります。柔法では攻者の攻撃に対して柔軟に対応する運歩が望まれますので「左右どちらを振られるか分からない両手巻抜」の修練も、是非試してみて下さい。

【宗門の行としての少林寺拳法】龍王拳 巻抜(両手) 金剛禅総本山少林寺 公式YouTubeチャンネルより

コメント    この記事についてブログを書く
« 前の記事へ | トップ | 内受蹴 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

柔法」カテゴリの最新記事