今道友信(1922-2012)『アリストテレス』講談社学術文庫(2004)
アリストテレスを専門とする碩学によるアリストテレス入門書である。専門的な内容も多く、アリストテレスを研究する人の読みにも耐えうる著書である。「「万学の祖」と呼ばれるごとく、彼は人間界、自然界から神に至るまで、森羅万象の悉くを知の対象とし、精緻な思想を展開した。彼の生涯やその学問がわが国へ受容される過程等を、碩学が情熱と蘊蓄を傾けて綴るアリストテレス入門。(本書カバーより)」
上滑ることの全く無い、著者の堅実で誠実な語りが、地道に続いていく500ページであった。アリストテレスというと『ニコマコス倫理学』がやはり個人的にはお気に入りである。