コロナ禍のお盆、この新聞コラムを見ながら、やはり、父のことを思い出した・・・。
【読売新聞 編集手帳 2020年(令和2年)8月12日より】
◆にぎやかな応援もなければ、声援が響くこともない。負けても勝っても1試合のみの今年の甲子園だが、例年と変わらない景色をあげれば、グラウンド整備だろう。
◆土ならしのプロ「阪神園芸」の職員が炎天下に一斉に駆けだし、トンボを滑らせる光景である。ふと、守備の選手の前を横切ったりする空飛ぶトンボは、今夏はどうしたのだろうと思った。テレビで試合を見ているうちには1匹も映らなかった。
◆以前、調べたことがある。8月の中旬に目立つのはウスバキ(薄羽黄)トンボだという。お盆に群れをなすことから「精霊トンボ」と呼ぶ地方もある。
◆かつて「気流」欄に載った京都市の女性の投稿を思い出す。<私の住む団地の狭いベランダに5匹のトンボが来ました。戦禍を逃れ、学童疎開中の宿舎で父の死を知ったのが8歳の時。17歳で母が逝き、私が生まれる前に夭折(ようせつ)したという兄姉3人。5匹のトンボさん、よく来てくれました。もう、お盆の時期なんですね>
◆ウスバキトンボは夏前半に気温が低いと、羽化がおくれるらしい。早く飛び交ってほしいものである。ベランダで待っている人がいる。
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