SSF 光夫天 ~ 詩と朗読と音楽と ~ 

◆ 言葉と音楽の『優しさ』の 散歩スケッチ ◆

誕生

2016-03-31 19:05:03 | 起き上がる


穏やかな青空。 さくら の開花も進みそう。


環境が変わる人も、多いのではないでしょうか。

入学、進学、就職、転勤、引越し・・・


新たな そして 素敵な はじまりとならんことを祈ります。







1978年3月31日。新しい いのち が誕生。初めての子。


38年前の・・・

蘇る思い と 想い出・・・


桜がもたらしてくれた「春の息吹」を感じていた時。

彼の時を振り返り、その歓びや楽しみを

もう一度、あの時と同じ場所で

『磨き直して笑顔になろう!』






私の得意、私の蹉跌・・・

千差万別の生き方あれど

願う想いに祈りをこめて



秀青空の おだやかさ と 開花する さくら とともに

そっと 暮れゆく 冬の終わりを見送ります。ほのか




日光はまばゆくも暖かい。ただ輪廻の春風が 成敗をこえて吹きすぎる。

2016-03-30 10:33:00 | 「尾崎喜八を尋ねる旅」
尾崎喜八は、戦後7年間過ごした 富士見「分水荘」を離れ(昭和27年)、
その7年後(昭和34年)に再び 富士見に訪れた時のことを詠んでいます。

『これは 昭和三十四年三月末に書いた詩である』


***************************

悔恨は長く、受苦は尽きない。

ただ輪廻の春風が成敗をこえて吹き過ぎる。

 

***************************



「受難の金曜日」
カールフライターク (富士川英郎君に) 
自註 富士見高原詩集(尾崎喜八)より



まだ褐色に枯れている高原に

たんぽぽの黄の群落がところどころ、

そよふく風には遠い雪山の感触があるが

現前の日光はまばゆくも暖かい


かつて私が悔恨を埋めた丘のほとりの

重い樹液にしだれた白樺に

さっきから一羽の小鳥の歌っているのが、

二日の後の古い復活祭を思い出させる。


すべてのきのうが昔になり、

昔の堆積が物言わぬ石となり、岩となる。

そしてそこに生きている追憶の縞や模様が

たまたまの春の光に形成の歌をうたう。


『うるわしの白百合、ささやきぬ昔を・・・・・・』

そのささやきに心ひそめて聴き入るのは誰か。

悔恨は長く、受苦は尽きない。

ただ輪廻の春風が成敗をこえて吹き過ぎる。

(一九五九年三月二十七日 金曜日)




【自註】
これは昭和三十四年の三月末に書いた詩である。

用事があって東京から松本へ行き、帰途 久しぶりに富士見に寄って一泊した。

土地の親しい幾人かが旅館に集まって馳走をしてくれ、昔話に花を咲かせ、私も快く酔って寝たその翌朝が二十七日金曜日、すなわちその二日後が復活祭というキリスト受難の金曜日だった。受難週間に酒を飲んだり馳走を食ったりするのは言わば破戒の行為だったが、それと知りながらも旧知の招宴を辞退するわけにもいかなかった。なぜならば彼らはキリストには無縁の人だったから。そして私にとっても、有縁も有縁、この土地での生活にはいろいろ厄介をかけた人達だったから。

帰京の汽車の時間もあるので、私は早く起きて曾て七年間を住み馴れた分水荘の在る丘のほうへ歩いて行った。そよ吹く風こそまださすがに冷たいが、早春の日光は暖かく、路傍にはところどころタンポポの花さえ吹き出していた。小鳥が一羽、いつまでも続く歌を歌っていた。なじみも深いホオジロだった。私は向うの分水荘の森を見ながら道の岩に腰をかけた。昭和二十七年にあの森の家を引き払ったのだから今年で早くも七年になる。年老いた私にとって七年と言えばもうりっぱな昔である。

それでその昔より更に七年前の昔の或る日、私は自分の芸術を他国と戦っている祖国への愛に捧げ尽くした自責の念にさいなまれ、悔恨の思いを埋めるためにこの高原へ来たのである。その十四年間の思い出の数々が、その堆積が、追憶の模様を描いてこの堅固な岩に象徴されている。明後日の復活祭を私は東京で祝うだろう。妻と共にあの讃美歌を歌い、花を飾り、卵の殻を染めるだろう。

しかし今日はそのキリスト受難の金曜日。

私にとっても過ぎた歳月をあだおろそかには思えない日だ。そう思って静かに腰を上げ、もう一度高原の遠く近くを眺め渡し、さて黙々と駅前の町の宿へ戻ったのである。

富士川英郎
ふじかわ ひでお(1909年2月16日 - 2003年2月12日)
日本のドイツ文学者、比較文学者。

 

尾崎喜八

 


ひかりの祝福~Blessing of the Light~

2016-03-29 11:03:00 | 起き上がる
ひかりの祝福
~ Blessing of the Light ~

感謝 とともに、雲のベールに包まれる前に、日差しの有効活用を!


少し肌寒いですが、穏やかな朝…


大阪府豊中市 撮影:3月29日



Irish Blessing <Traditional> 
~ アイルランドの古くからある祝福の言葉 ~

あなたの行く手に道が開かれますように!
いつも追い風が吹きますように!
日はあなたの顔を暖かく照らし
あなたの行く所、雨はいつも優しく降りますように!
また会う日まで 神の御手に抱かれていますように!

May the road rise up to meet you,
May the wind be ever at your back
May the sun shine warm upon your face
And the rain fall softly on your fields
And until we meet again, May God hold
you in the hollow of his hand


§ 眼下の桜 §
”見頃”まで、もう少し・・・(^^)



雲 「変わりやすい空。怪しい雲にご注意!」

2016-03-28 19:30:45 | 起き上がる
『変わりやすい空。怪しい雲にご注意!』

今朝、ウェザーニュースに、こんなコメントが流れていました・・・怪しい雲??


雲を撮ってみました。

  
東の空         西の空
 
北の空         南の空
 

<大阪府豊中市 夕方撮影(3月28日)>




昼過ぎに、急に雨が降り出し、しばらくして止みました。

「西の空」の怪しいヘンな雲・・・でもきっと、明日は、晴れるのでしょう(^^)





~ ひかりの祝福 ~

「復活祭」 朗読:尾崎喜八

2016-03-27 17:20:21 | 朗読 (尾崎喜八による)
「復活祭」(自註 富士見高原詩集<尾崎喜八>)を読みながら、そして「尾崎喜八の朗読」と

「ヴァレンティン・シルヴェストロフ:ピアノ作品集」(ウクライナ)を聴きながら、

「詩と朗読と音楽と」として、作ってみました。

よければご覧ください。




復活祭 朗読:尾崎喜八 (6分21秒)