コロナ禍の中で、検察庁改正法案が、秋の臨時国会でやり直す方針という。自粛の不安、検査、隔離、ワクチン・治療薬・・・まだ先が見えない。
本日の新聞コラムを拝見し、先人の「歴史」をあらためて振り返りました。安堵できる生活はどのようにすれば、迎えることができるのか。
4月から始めた、新型コロナウィルスに関する「コラム」を動画にする作業。今後、取り組む作業の方向性が少しずつ、見えてきたのかな、と。
しばらくは、この作業を続けながら、じっくりと、考えていきたいと思っています。
(本文)
◆ロッキード事件など政界疑獄の捜査を指揮した故・吉永祐介さんが、検事総長の就任記者会見で語ったのは汚職摘発への意欲ではなかった。
◆組織の説明から始めたのである。「検事は準司法官です」と。目の前で聞いていたので、よく覚えている。準司法官とは法律にある言葉ではない。三権のうち行政の一部でありながら、司法に準じる権限を持つ微妙な位置を国民に理解してもらいたかったのだろう。
◆当時はゼネコン汚職事件のさなかで、検事が取り調べ中に暴行事件を起こし、検察権力への国民の信頼が揺らいでいた。
◆政府からの独立性――吉永さんが微妙な足元を気にしたことは確かだろう。独立性の揺れる日が来るなら検察が暴走した時かと思っていた身には、必然が見当たらないことに疑問を禁じ得ない。政府と準司法官の関係を変えかねない検察庁法改正案である。幹部の定年を内閣が延長できるとした特例規定に、政治家の顔色をうかがうようになっては困ると世論の反発は強い。
◆政府は今国会の成立を見送り、秋の臨時国会でやり直す方針という。
ただ 涼しい季節が来ても、世論は 冷えては いまい。
【読売新聞 編集手帳 2020年5月19日より】
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