荻伏共同育成場日誌

北海道浦河町にある競走馬育成牧場・荻伏共同育成場の場長が日々の風景をお届けする徒然日誌。

先週の海外競馬(6/14~21)

2015-06-23 06:57:32 | 競馬
 先週はロイヤルアスコット開催がありました。ご存知の方も多いかもしれませんが、イギリス王室が主催するアスコット開催のことで8つのG1を含む17の重賞が組まれ、王室の観覧はもちろんのこと厳しいセキュリティーチェックやドレスコードがある近代競馬発祥の地らしい貴族競馬の雰囲気を漂わす開催となっています。

 そのロイヤルアスコットに日本から天皇賞馬スピルバーグが参戦し話題を集めましたが、それはまず置いておいて時系列でG1だけご紹介します。
 開催のオープニングを飾るのは古馬マイルの『クイーンアンS』。2002年まではG2でしたが2003年にG1昇格。過去の勝ち馬にはフランケル Frankelなどがいます。6連勝中で断然の1番人気に推されたソロウ Solow(セ5歳)がここも制して7連勝。父は日本でもおなじみのシングスピール Singspiel。続いて行われたのが直線5ハロンの電撃戦『キングズスタンドS』。ショワジール Choisir、テイクオーヴァーターゲット Takeover Target、ミスアンドレッティ Miss Andrettiというオーストラリアの名スプリンターが立て続けに勝ち2008年にG1に昇格したレースです。こちらは人気薄のゴールドリーム Goldreamが3連覇を狙ったソールパワー Sole Powerらを抑えて勝ちました。父はチャンピオンスプリンターオアシスドリーム Oasis Dream。英愛2000ギニー馬VS仏2000ギニー馬の対決で注目された3歳マイル王決定戦『セントジェームズパレスS』は英愛2000ギニー馬グレンイーグルス Gleneaglesが勝ちました。派手さはありませんが安定感のある走りで、来月行われる『サセックスS』でソロウと初対決なるか注目です。
 2日目はスピルバーグも出走した『プリンスオブウェールズS』。G1に昇格された2000年にはドバイミレニアム Dubai Millennium 対 センダワール Sendwarの頂上決戦が行われ認知されるようになったレースです。素質馬として期待されていたハイチャパラル High Chaparral産駒フリーイーグル Free Eagle がザグレイギャッツビー The Grey Gatsbyに競り勝ちました。スピルバーグは直線伸びきれずに6着。
 3日目は1807年創設の20ハロンの長距離戦『アスコットゴールドカップ』。大レースには縁がない4歳セン馬ハンディキャップホースのトリップトゥパリ Trip to Parisが伝統あるこのレースを制しました。父は今をときめく種牡馬ダンジリ Dansiliの全弟でアメリカ芝戦線で活躍したシャンゼリゼ Champs Elysees
 4日目は3歳限定の6ハロン新設G1『コモンウェルスS』。勝ったのはまたオアシスドリーム Oasis Dream産駒のムーハラー Muhaarar。後続を3馬身半ちぎる圧勝でした。3歳牝馬マイル王決定戦『コロネーションS』はプール・デッセ・デ・プーリッシュ(仏1000ギニー)の勝ち馬エルヴェディヤ Ervedyaが愛1000ギニー2着のファウンド Found を差し切りました。父はシユーニ Siyouniという『ジャン・リュック・ラガルデール賞(旧グランクリテリウム)』の勝ち馬。
 5日目は旧ゴールデンジュビリーSこと6ハロンG1『ダイヤモンドジュビリーS』。勝ったのはアメリカからの遠征馬アンドラフテッド Undrafted。父は『シャドウェル・ターフマイルS』の勝ち馬プリム Purim。豪からの遠征馬でG1・2勝のブレイズンボウ Brazen Beauは2着。

 さらっと結果だけ書き連ねましたが3時間半かかりました。それにしてもスプリントG1が3つも必要ですかね?最大のニュースは馬たちではなく、日本でもお馴染みのライアン・ムーア騎手がロイヤルアスコット開催で9勝というレコードを樹立したことでしょう。過去8勝が最高でしかもその騎手はレスター・ピゴットとパット・エデリーという歴史的な名騎手。その記録を抜いたのですからもう歴史に名を刻むことは間違いないでしょう。

 さてロイヤルアスコット以外ではテイクオーヴァーターゲット Takeover Targetの訃報を取り上げなければなりません。『スプリンターズS』の覇者で地元オーストラリアはもちろんのこと、イギリス、シンガポールでも活躍したテイクオーヴァーターゲットがパドックでの事故で亡くなったとのことです。ご冥福をお祈りします。


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