北の国の動物園に、その河馬はいた。
夏も冬も、昼も夜も、のうのうのうと眠っている。
遠い南の国の夢でも見ているのだろうか。
しかし、河馬には記憶があった。
今では河馬自身も定かでない記憶だ。
遠い昔、河馬は東西南北を旅した。
河馬の形をした車の中の小さなプールに乗って旅した。
春には、風が吹くと花が舞い散った。
初夏の夜には蛍が舞った。
秋には祭囃子が聞こえた。
冬には、ことしの冬のように沢山の雪が降った。
それでも粉雪が舞う中を、小さな子供たちが
河馬の車の後ろを、いつまでも歩き続けた。
また、冬が来て北国の動物園にも雪が降り始めた。
そうだ、と河馬はうなづく。
あの旅の記憶は、本当の記憶だ。
ほら、動物園に、また子供たちがやってきた。
夏も冬も、昼も夜も、のうのうのうと眠っている。
遠い南の国の夢でも見ているのだろうか。
しかし、河馬には記憶があった。
今では河馬自身も定かでない記憶だ。
遠い昔、河馬は東西南北を旅した。
河馬の形をした車の中の小さなプールに乗って旅した。
春には、風が吹くと花が舞い散った。
初夏の夜には蛍が舞った。
秋には祭囃子が聞こえた。
冬には、ことしの冬のように沢山の雪が降った。
それでも粉雪が舞う中を、小さな子供たちが
河馬の車の後ろを、いつまでも歩き続けた。
また、冬が来て北国の動物園にも雪が降り始めた。
そうだ、と河馬はうなづく。
あの旅の記憶は、本当の記憶だ。
ほら、動物園に、また子供たちがやってきた。
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