
おまけに、論功行賞まで与えられた事である・・。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

『これは一体何事ですか?』と怒鳴った。

真崎さんも顔色を変えて
『いけなかったかな』と言った。

『いけなかったどころではない!

これで皇軍は半ば滅んだことが判らないのですか?』

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

満州事変は軍律違反を犯した上で成り立った事変である。
中央の許可も陛下の御裁可も仰がずに軍を動かした事は
たとえそれによる結果が、後日正当化されようとも
軍律違反には違いないので、厳しく裁かねばならぬ。
あろう事か、論功行賞まで与えてしまうとは、悪しき前例を作った事になる。
これが先例となって出先の若い連中が、今後も同じ事をする事になる。
従って、この場合、論功行賞を授けるのでは無く
軍の規律を正すが為に板垣、石原らを予備役にしておくべきであった。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

論功行賞を受けたので、がっかりしたそうである。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

『私が受けると言う返事をしてくれぬが為に、話の進め様が無くて困っているという、中村人事局長から来た手紙が残っている。・・・何処かにあったはずだ。』

と言って探しておられたが、私は
『そんな手紙が何通あっても、貴方が論功行賞を受けた事実の否定にはならない。
貴方があの行賞さえ受けずにいて下さったら、
日本にもかく立派な軍人がいると、占領軍にも誇れるのだが、それが出来なかったのが残念だ。』

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
註:この論功行賞の誤りは、数年後の大事となって現れるのである。

※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます