リヨンから電車とバスを乗り継いで1時間半ほどのところにある村ぺリューサン(Pélussin)に
フランスで最初の酒蔵といわれる昇涙酒造Les Larmes du Levantがある。
ここで酒を造っている人が、海士に住む友達「宮ちゃん」の友達でしかも海士に来たことがあるという。
さらにさらに、2度目はカヤックで本土から来たらしい・・・
しかもしかも、その彼女はちょうど海士に滞在していて、「宮ちゃん」のところから帰ってくるらしい・・・
これは運命フラグ確定で会いに行ってきました!
ぺリューサンの近くにあるピラという山一帯が自然に親しむ公園のようになっていて、
基本的にはこの地のツーリズムはハイキングなどがメインの様子。
夏の週末にはリヨンから直通バスも出るのですが、平日ということもありいつも通り
電車とバスを乗り継ぎ乗り継ぎ。
ヴィエンヌという町でバスに乗り換えだったのだが、調べていたバス停に行っても表示は出ていないので
不安になり右往左往。そこら辺に居る人にきいても、だれもわかりません。
どうしようもなく近くのホテルのフロントに聞きに行ったところ、いつもはそこで合ってるけど表示がないならこっちかもと
WEBで調べてくれたのでバス停を目指す。
そこにもなんの表示もない。
どういうこっちゃ。
バスの時刻は刻一刻とせまる。
あとは周辺の道路状況からバスが寄るとしたらここだろう、みたいな適当なカンでバス停にむかうと
ただ一人そこにいた初老の男性が「なにか困ってますか?」と。
「バス停がわからなくて・・・」みたいなことを話してみると、なんとその人もぺリューサンに向かう人で、ここだよ!と。
しかも「余計なお世話だけどなんでぺリューサンに行くの?」と聞かれ、意外に盛り上がりました。
彼はリヨンに住んでいて、夏だけ涼しいぺリューサンをセカンドハウスにしてるとのこと。素敵。
我々が行くバス停を運転手に告げてくれたり、すごい心遣い。ほんと素敵な人。
そんなこんなでようやくたどり着いたぺリューサン。
いくつもの素敵な景色があった中で、特別素晴らしいわけではない景色を映したくなったのは、
誰が見てもわかる素晴らしさじゃない素晴らしさがあったから。
山あり、谷あり、羊が居たり、製紙工場後があったり。
ここには自分たちがいいなーと思える暮らしがあった。
バス停まで出迎えてくれて、いろいろご案内いただいたあと、酒造りについてとても丁寧に教えていただきました。
からの、試飲。
本当に、米と水と麹だけでこんな味がするのかと。感動。
ご本人にも伝えたのですが、日本酒を3か月近く飲んでいなかったからという影響があるかもしれないと思いました。
でも、差し引いても、旨かった。
身体が喜んだ。
ああ、本当にうまい酒が飲めて幸せだ。
滞在中本当にたくさんの話を聞けて、たくさんのことを話せて、幸せでした。
夜は夜で酒について、人生について話ができたのが嬉しかった。
ここでの滞在を経て、日本に帰ってからの暮らしの中で飲むべき酒とは何かという問いに
一つの答えが出ました。
これほど素晴らしい文化が自分の国に在って、まだまだその素晴らしさを味わい足りてない!
また、彼らが日常を送っている街の様子や連れて行ってくれたパン屋や直売所が
素敵すぎて目が痛かったです。
自分の暮らす島「海士町」はとっても素敵ですが、まだまだ良くなる余地が有るなーと思うこと多数。
酒にしても、ワインにしても、パンにしても、全部一緒だけど
自分の場合は「人」を介したときにその喜びが増幅される傾向にあると気がつきました。
あの人が作った酒だから、あの人が薦めてくれたワインだから、あのおばちゃんが売ってるパンだから。
あの人がくれた野菜だから、あの人が獲った魚だから、あの人が作った納豆だから。
そして、あの人たちと一緒に食べる料理だから。
こういう幸せをこれからも増やしていきたいし、それで「まわる」世界を作れればそこが自分のいたい場所になるのかなーと思いました。
フランス滞在中最後の旅で、答えを見つけた気がします。
追記:LYONで昇涙酒造のSAKEが買えるお店リスト 01/07/2019現在
・Epicerie Madame(Rue Palais Grillet Lyon)
・Fromagerie B.O.F de la Martinière(Rue Hippolyte Flandrin,Lyon)
・Banastou et Fourquet (Cours de la Liberté Lyon)
・Cave Gilles Granger(Rue Antoine Lumière, Lyon)
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