仕事のふりかえりに戻ります。
前の記事はコチラ↓
仕事の振り返り① そもそもなんで漁協で働いてたの?
ちょいちょい新生活のこともお伝えしていきたいと思いつつ、
岡山での暮らしは新しいブログにした方がいいのかなーという気もして悩み中です。
さてさて、漁協で勤めることになったものの魚のことはずぶの素人の私。
どんな仕事をするのか不安もありました。
最初に任されたのはECサイトの立ち上げ。
それまで通販の窓口だった直売所「大漁」のWEB版なので、「大漁WEB」としました。
メインの商品は「サザエ」。
島に行って驚いたのは、直売所でのサザエの販売価格が1㎏650円(!)という驚異的な安さだったこと。
つまり、1個100円しない価格でサザエが食べれます。
都会の居酒屋で食べる刺身や江の島のつぼ焼きは1個500円~800円くらいしてたので、
いくら素材そのものだとしてもこりゃあ安すぎるなと思いました。
販売価格が安いということは、漁師さんから仕入れる価格も安いということ。
漁協として直売をするからには、できるだけ高く買って組合員である漁師さんの収入増に貢献しつつ、
消費者にはお手頃な価格でしかも鮮度がいい状態で届ける必要があると考えていました。
WEBショップを始めて見ると、自分の知り合いだったり町の広報入れた折り込みチラシを見た出郷者の方から
少しずつ注文をいただけるようになりました。
それと同時に、ネットで検索した飲食店や加工業者の方々からも問い合わせをいただくようになりました。
業務用でサザエを使う方々はサイズを揃えて欲しいというニーズがあることがわかり、規格を定めて
ネットショップでもサイズ指定ができるようにして価格改定もしました。
ところが、販売開始から順調に取扱量が増えていき、漁師さんからも少しずつ信頼してもらえるようになった3年目、
突然サザエが全然獲れなくなってしまいました。
WEBでも販売ができなくなり、定期的に納入していた業者さんにも断らなきゃいけない事態。
漁師さんが言うには今までこんなことはなかったという。
このことがきっかけで、サザエをはじめとした漁獲量のデータ整備と資源管理が必要なんじゃないかと
考えるようになりました。
「MSC認証」という海のエコラベルの導入を検討したり、そのつながりで京都にある総合地球環境学研究所のシンポジウムに
参加させてもらったことがきっかけとなり「持続可能な漁業」という考え方を大切に思うようになってきました。
その翌年からは何事もなかったかのようにサザエは獲れるようになり、販売も再開しましたが漁業種類ごとの漁獲量をチェックするようになりました。
その後も順調に販売が拡大し、売上はスタート時の3.5倍に。
2020年にはコロナ禍で売り上げが急増したこともあり、ECサイトの「カラーミーショップ大賞」に
ノミネートされたりと少しずつですが成長してきました。
漁協の通販サイト「大漁WEB」がカラーミーショップ大賞2020にノミネートされたっ!
ECサイトでの販売をして良かったことは、直接消費者に販売するようになったことで
品質管理の向上と価格決定権を持つ販路ができたことだと思います。
自分たちの島で獲れたものに自ら価値を決め、高める努力をする。
市場から距離がある離島だからこそ「送って終わり」になりがちなこの部分に対して
気が付けたことは良かったことだと思っています。
次は全国の市場へ販路拡大した話について書こうかと思っています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます