夏の思い出をつなぎとめておくために、ブログを綴る。
「京都といえば、水である。」と思ったのは、魯山人の受け売りである。
『魯山人の料理王国』(文化出版局 1980年刊)のなかに、
「うまい豆腐の話」という節がある。
冒頭を引用すると、
美味い湯豆腐を食べようとするには、なんといっても豆腐のいいのを
選ぶことが一番大切である。いかに薬味、醤油を吟味してかかっても、
豆腐が不味(まず)ければ問題にならない。
そんなら、美味い豆腐はどこで求めたらいいか? ズバリ、京都である。
京都は古来水明で名高いところだけに、良水が豊富なため、いい豆腐ができる。
また、京都人は精進料理など、金のかからぬ美食を求めることにおいて
第一流である。そういうせいで、京都の豆腐は美味い。
というわけだ。
そして、旅情と旨い豆腐を求めてやってきたのがこちらのお店。
昔ながらの豆腐屋さんという感じのたたずまい。
といっても、自分が子供の頃には近所にこのようなクラシックな
趣のある豆腐屋さんは無かった。
看板越しに見える店内の様子を見ただけで、美味しいお豆腐に出会えた
ことが確信できる。
お店では、年配のお母さんと、おそらくはその息子さん、そして奥さんが
切り盛りされているようでした。
旅の者にもかかわらず、親切に京都の水のお話や、お豆腐の作り方、
昔の万博に出品した時の話などを伺い、そして
豆腐を作るのに使っている地下水を飲ませていただきました。
今日のお昼ご飯は豆腐のみのつもりでしたが、大変美味しそうで
揚げ豆腐(いわゆる厚揚げ的なものです)と飛龍頭(こちらはがんもどき的なもの)
もいただきました。
特別に普段お店の方が食卓で使われている美味しいポン酢を分けて
いただき、御味噌もつけてくれました。
そして、美味しくお豆腐を食べるのに最適なスポットを尋ねると、
3人ですごく悩んでくれて、結果として最高の場所を教えてくださいました。
北野天満宮を眺めながらの、ゆったりとしたお昼。
風情あり、豆腐旨し。
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