すべての魚料理道を歩む人にとってバイブルとなる一冊をついに手に入れてしまった。
西潟正人さんによる渾身の一冊、『改訂新版日本産魚料理大全』(緑書房刊)だ。
この本の裏表紙には、「魚に貴賎なし!」という西潟さんの言葉が刻まれている。
メジャーな魚から初めて聞いた~となること請け合いのマニアックなものまで、
掲載されている魚介藻類は521種、写真総数5,293点と圧巻だ。
思えば自分自身が魚道に入ったきっかけとなる1冊は、『釣魚料理図鑑』であった。
出版社を退職するにあたり、かつての上司から贈られた本の中に入っていた本だ。
こちらは裏表紙を見るとアジ、サバ、イワシはもちろんウツボにゴンズイ、貝、海藻まで101種を紹介とある。
『日本産 魚料理大全』がすごいのは点数の多さ、つまり幅の広さだけではない。
むしろその深さ、深海にまで届きそうなディープな世界こそが真骨頂であると言える。
たとえばたまたまこのタイミングで釣れたヒラスズキのページを開いてみた。
曰く、「内臓は宝物 食べ尽くしてこそ醍醐味だ」。
基本的な捌き方に加えて、浮き袋、胃袋、皮、白子の下処理について丁寧に解説がなされている。
食べ方では刺身だけで3パターン。
皮付きのサクを湯引きしてぶつ切りにしたものを粗塩でたべたり、玉ねぎにポン酢しょうゆと食べたりと
これまで幾度となく、いろんな食べ方をしてきた魚だけどさらに新しい発見がある。
アラ煮のやり方が乗っているかと思えば卵で作るそぼろまで。
1つの魚種でもこれだけ楽しめるのだ。
かつて西潟さんが腕を振るわれていた品川の「あじろ定置」に行ったとき、
気さくに魚の話をしてくれた人柄を思い出す。
あのとき食べたアカグツは旨かったなー。
この本のおかげで、人生の終わりまでずっと楽しめそうだ。
皆さんも一冊、いかがですか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます