前事不忘後事之師 那覇市職労 平良昌史
沖縄は、琉球王国としての歴史、琉球処分と皇民化教育、悲惨な沖縄戦、米軍政による人権侵害、島ぐるみ闘争で平和憲法のもとに帰ることを目指した復帰運動、そして、復帰を実現したものの、平和憲法の上に日米安保条約があり、米軍基地を沖縄にだけ押し付ける日米両政府と沖縄の負担軽減に関心を示さない日本国民、私自身の、日本人・沖縄人としてのアイデンティティが揺れているなかでの、「第2次侵略を心に刻み語り継ぐ平和の旅」への参加でした。この旅は、平和友好祭運動の一環で、自治労有志の取り組みとしては22回目、自治労・日教組としては、2回目の取り組みで、私は、2つあるコースのうち、東北コースを仲間13人と周り、731部隊、南京大虐殺事件、平頂山事件などの日本軍の鬼畜の所業や、遺棄毒ガスで新たに被毒者になった人や、平頂山事件幸存者の胸を打つ証言を聞きました。
人間は、だれでも組織の一員として、命じられるまま、非人間的な行為を行います。日本軍に限らず、ナチスドイツがユダヤ人に行ったこと、米軍が原爆を広島・長崎に使用したこと、教祖の指示を忠実に守り、サリンを作成し、多数の日本人を殺傷した人もいます。「国のため天皇のため」が、「教団のため教祖のため」にかわるのです。こうした、一つ一つの歴史的な事実とその背景を調査研究し、歴史の真実を直視し学ぶことが、今でも起こっている、国のため、組織のため、教祖のため、会社のための組織犯罪の防止のために必要なことだと思います。しかし、日本だけが国として、真実の解明を行わず、国が認めた残虐行為にさえ、被害者が望む対応をせず、歴史修正の妄言を吐く国の指導者たち。こうした日本の対応に、危機意識を持ち、残酷な事実を思い出したくない、人に知られたくない個人の感情を吐露せざるを得ない状況に追い込み、そして、その残虐な罪を犯した加害国日本の、私自身も国民のひとりであるということが私を戦慄させました。
日本が、事実を隠蔽する体質、再発防止に及び腰で、責任を取らない組織であることは、昔も今も変わりません。中国は、日本軍が行った鬼畜行為を、国としての過ちであり、加害者である軍人たちを温かく包み込み、残虐行為を悔い改めさせ、人間に帰る手助けをしました。そして、中国は、日本と平和的共存と中日友好を国の方針としてあげています。
日本が泥沼の戦争に突き進んだのは、世界的な経済恐慌の中でした。一昔前に起こった経済問題は、いまも、現実に起こっています。資本主義社会である以上、業病として起こっています。日本は、貧富格差の増大するなか、少子高齢化が進み、さまざまな制度が見直しを迫られ、中国、韓国との領土問題、歴史修正主義者と排他的なナショナリズムの台頭、憲法9条を改悪し、戦争が出来る国つくりを進める安部政権に対し、仲間を大切にし、護憲勢力を再結集させ、日本から逃げることをせず、この国で生き、この国を良くしていく決意を固めました。
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