ハイエース用サイドバーを作る話の続きになります。
前回はルーフライニングに取り付け跡が残らないようにと段付きワッシャーを作ったので、今回は車体に取り付けてみて
不具合の確認からなんですが、その前に天井裏に仕込むクリップナットのプチ加工から。
天井裏にはルールライニングを吊るために凸形状の板が付いています。
板厚にしたら1mmくらいです。
対してクリップナットは下の写真のように厚みのある板まで挟めるように幅を持たせてあります。(メーカー寸法表示:4.5mm)
このままでは緩すぎてはめても外れるので、皆さんペンチでギュッと挟んで幅を狭められています。
ペンチで挟む際には表側の面(ルールライニング側)が変形しないようにとナットが付いてない側に当て板して挟むようにされています。
Youtubeを見てると皆さん普通にされていますが、大半は真似っこだと思うんですが、当然最初の人が居るわけで、
その人ってこういったことをちゃんと考えて、そんでもって丁寧な仕事をする人なんだろうなと勝手に想像してしまいます。
このペンチで挟む作業とクリップナットを車体の差し込む作業でどうしても気になることがあったので、ひと手間掛けることにしました。
ペンチで挟むとどうしても相手に傷が付いてしまうのと、塗装面に金属の部品を刺し込むと擦り傷が入ることがあるので、
相手が"仕上げ面"だと気を遣う作業になります。
例えばボルトの座面は締め付けると塗装が剥がれてしまいがちですが、バイクや自転車をカスタムするビルダーの
中にはそこにアルミのブッシュを入れたり、ステンレスのワッシャーをロー付けされたりして傷や錆がでないように工夫する人も居ます。
ペンチも傷かつかないように挟むところがテフロンになってたりしてるのもあります。
そういう小さなところへのこだわりは目立たないですが、日本人の繊細さが現れるところなんじゃないかと思います。
死んだ親父も昔からそういうとこは厳しい人でした。
クリップナットの幅を狭めるだけなんで傷も付かないかもしれませんし、傷が付いたってどうってことないかもしれませんが
素材には素直になりたいです。
で、クリップナットを差し込む際に塗装面に傷がないらないようにと内側にテフロンテープを貼ることにしました。
粘着面を表に折り返して、そこに挿入。
薄い鉄板が無かったのでカッターナイフの刃を下向きにしてます。
会社でこんなことしたら怒られます。
最近生産現場でもカッター禁止が多いみたいです。
曲げ部分にもちゃんとまんべんなく貼りました。
ペンチで挟む代わりにアルミ板を当てて、曲げ部分がつぶれないように細いドライバーを入れてます。
バイスで挟んでやりました。
ペンチで挟む作業の10倍くらい手間が掛かりますが、作業者としては心地いいです。
不要なテフロンテープはカッターでカットして準備完了。
車体に仮付けして問題無いかのチェック。
まずはハイエースの内張り剥がしから。
バイクって基本むき出しなので作業性良いですが車は内張りがあって、おまけに隠しネジとかあって
バイク上がりの自分としては嫌いです。
ハイエースも納車時にドラレコ付けた以来の作業なので覚えてません。
忘備録代わりに書き留めておくことにしました。
外さないといけないのは
・後部座席のアシストグリップ(3番のプラスネジ)
・CとDピラーのカバー(シートベルトの固定ボルトの頭は二面幅14mm)
・クォータトリムパネルは最上段のクリップ分だけ外す(浮かす)。
・ルーフライニングを留めているクリップ。
Cピラーは上側から引っ張って外しますが下側は下のクォータトリムパネルに爪がハマっているので
クォータトリムパネルも引っ張って最上段のクリップを外しておく必要があります。
爪が刺さってます。
よく見ると縦に三個白いクリップが並んでいて、真ん中のはCピラーの下端のクリップで、上側と下側はクォータトリムパネルのクリップです。
(上側のクリップは小さく写ってて分かりにくいです)
この浮かせた状態で爪を外してやるとCピラーが取れます。
(知らんかったら爪折るか、勢い余って内装傷付けそうです)
四角い穴にクォータトリムパネルの爪が刺さってます。
ルーフライニングを留めているクリップを外して隙間をつくり、そこから指を入れてクリップナットをセットしますが、
ルーフライニングの両サイドは押せば多少たわんでくれてクリップとの間に隙間ができ、内張り剥がしの工具が差し込めますが
上部はクリップがピチピチにハマってるので隙間が全くなく、内張り剥がし工具が入りませんでした。
内張り剥がし工具の爪の部分をベルトグラインダーで薄く削ってやり、マスキングテープを貼って滑りをよくして
何とか差し込めました。
差し込めたはいいですが、なかなかクリップが抜けません。
てこの原理でコジルとルーフライニングが痛むので、幅の広い内張り剥がしを下敷き代わりに入れて、やんわりこじったり、
真下方向に引っ張ったりして格闘して何とか無傷で抜けました。
(気つかうわ~)
人によっては長いバーにするためにアシストグリップも取っ払って金具を取り付けますが、
自分は後ろ側の三箇所のクリップ穴を使った1mほどのバーにします。
それでもルーフライニングを浮かすにはアシストグリップも外す必要があります。
アシストグリップの化粧蓋は下側がヒンジになってるので上側をこじって開けますが、隙間が狭いので
比較的隙間のある横に内張り剥がし工具を入れました。
必要な部品を外すのに片側だけで何だかんだで1時間掛かりました。
ルーフライニングは前側と後ろ側の二分割。
Cピラー付近を境に前側と後ろ側になります。
後ろ側は写真の通り隙間が大きく空くのでクリップも嵌めやすいです。
ルーフライニングを留めている天井側の鉄板はこんなに薄くてスポットで溶接しているだけなので
重いものを吊ることはできません。
聞いた話ですが、気にせずいろいろ吊ったら重みで鉄板がもげた人が居たそうです。
愛情のこもったクリップナットを・・・
・・・愛情込めてセットします。
最近アイフルのCMの「あんたそこに愛はあるんか」がハートに刺さってます。
アイフル「試食」篇テレビCM【公式】
スライドドア付近のクリップ部はルーフライニングが浮かせにくく、隙間がほとんどないので作業性が悪いです。
指先しか入らないので無理に広げず指先を駆使してクリップナットをセットする必要があります。
段付きナットを取り付けてルーフライニングとのクリアランスを確認しましたが、ルーフライニングが湾曲部に掛かって
上端が接触してしまってます。
段付きワッシャーの外周部を面取りして回避できるか試してみることにしました。
面取り角度は30度。
比較。
アダムスキー型円盤ってこんな感じじゃなかったでしたっけ。
取り付けてみましたがまだ若干当たってます。
Φ20mm厚み1ミリのワッシャーを入れたらいい感じになります。
GFパイプ用コネクタを付けてチェック。長さ的には問題なさそう。
手持ちにあったGFパイプを付けてみて全体的な雰囲気確認。
段付きワッシャーはワッシャーを追加したらいけそうですが、どうせなんで作り直そうかと思案中。
とりあえずここまで。
買って来たら半日で自分のモノ、それ作ったらその10倍か100倍。
たかだかサイドバー。
人生を無駄にしているのか。小さく刻んで楽しんでるのか。
たかだかサイドバー、されどサイドバーです。
では
バックドアを開けたらもう一部屋スライドして出てくるんですよね(^^;
最近仕事場の前を自家用なのか女の人がグランエースで毎日通り過ぎていきます。
マイカーであのサイズはきついですね。
お疲れ様です。
グランエース、私も過去に二回ほど見かけました。
まだまだ稀少車ですね。
ハイエースのワイドでも私にはデカいと思う方なのでどんな人が乗ってるのかと気になります。
広さと取り扱いのトレードオフですが、狭いところに効率よく居るのが心地いいと感じる方なので
標準サイズがやっぱいいです。
天井が開いたり、スライドして空間が広がるのは一見して良いように思えるんですが
片付けとか考えたら、やっぱり何もしなくていい空間が合ってます。
ハイエースイジリもそんな車中泊で面倒や手間だと感じた所の手直しに思考が行ってしまうので
これからもそんなネタばかり出てくるかとおもいます。
若い頃は広くて間取りの多い家が欲しかったのが歳食うと平屋で車が置けるスペースの家が欲しいと
思うようになるのと同じ心境な気がします。