はじめてのおつかい

先日放送された「はじめてのおつかい」。
娘が嬉々として観てるのを傍で見ていて・・・
なんか違う、釈然としなくて楽しくない、楽しめない。

一二日経ってようやく違和感に気が付いた。
番組の目的が、子供のお使いを見守るという趣旨から離れてるのだ。


もうね、既に「子供を泣かすため」の構成ありきで、
そのあと親と会った時の安堵した顔を眺めて悦に入るドＳの番組なのだ。

お使いに行く子供の年齢も昔からずいぶん下がって、
いまは２～３歳が主流のようだ。
カメラは苦労して隠す必要が無いし、親が見えなくなりゃ泣くに決まっている。
非常に安易な番組作り。

これが５～７歳ぐらいで、本当に初めてのお使いを頼もうかなって年頃だとそうはいかない。
変な人(カメラマン)がいれば訝しがるし、たいした山場もなくお使いが終わっちゃうかもしれない。
苦労の割には報われない、だからもっと小さな子を使う。

２～３歳の子を親から離して泣き顔を眺めて悦に入る、
なんて非人道的な番組作りだろう？


ああ、そういえばこの局は夏になると虐待賞賛番組を毎年やってましたね。

障害者に無理難題やらせて健常者が高みの見物をし、
たいしてマラソン経験もない芸能人を長時間走らせて涼しい茶の間から眺めて喜ぶ、
それを『応援』と勘違いしている人達の番組。

世間ではそれを『いじめ』と呼んでいるけどね。



いじめのスタートってね、だいたいは『善意』から始まっているっていうよね。
あの子は走るのが遅いから叱咤してやれば奮起してくれるかもしれない、
後ろから追いかければ速く走れるかもしれない、
あの子は教室で暗そうにしているから、からかってみんなを笑わしてやろう、
君にもみんなを笑わせられるって知ってもらいたい、
あの子は勉強ができないから嫌味を言ってやれば家で勉強してくるかしら、とかね。

なにを根拠にしているんだかわからないけど、ずいぶんとお高い場所から
「あら可哀そう」「もうちょっとだ頑張れ」とエールを送っているつもりで
自分がさらに偉くなったような、良い人になったような悦に入ってる。



話はそれましたけど、あの番組のレベルのことを本当にやっているんだとしたら、
子供らが天才子役で「ありゃウソ泣きだよ」とでも自ら弁解しないようなら

あれはれっきとした虐待です。
TV番組であるかどうかなんて関係ない。
いや、むしろTV番組で晒すことで、子供の人権人格を著しく蹂躙していると判断できる。
泣き顔やイヤイヤしている醜態を全国放送されたのだから。

大人であれば、誘拐された芸人のように、その後のギャラ交渉で円満解決となるだろうが、
「はじめてのおつかい」の場合は、完全に大人側の一方的な搾取である。
局と親は、子供が成人した頃に１千万円ぐらい支払ってもいいぐらいではなかろうか。



話はあっちこっち飛んでまとまらないが(なにせ酔ってる)、
まあ「はじめてのおつかい」になんとなく嫌悪感を感じた理由がわかってほっとした、
そういうお話でした。