学校教育と空想

今読んでいる「子どもの体と心の成長（ハイデブラント）」より。

「自分に必要な生存条件があれば、
自分の課題に適した育ち方をするのです」（Ｐ134）

すごく力強い一言です。
これが信じられるかどうかによって、
子どもがその子なりに育っていくことを保証し、
子どもも自分も幸せに、その子をその子として見守れる。

子どもの自然に反して、
大人の怖れで子どもを急かしたり、
勉強や運動を強制しなくて済む。
育つべき時に子ども自信が育つことを、じっと待てる。

「どのような存在にも、
その存在が生き、繁殖できるための条件があります」（Ｐ134）

そう。だから、
その子らしくない環境（たとえば、必要以上に清潔な保育園とか、
虫嫌いの親とか）に入れなきゃならない時には、
すごく慎重になる必要がある。
加えて、大人の都合で子どもを決めつけることなく、
一人ひとりを芸術的に理解していくことが必要。

「成長に逆らうのではなく、
成長の流れに沿った教育をすると、
子どもは自然にふさわしく成長します」（Ｐ135）

これも、「ふさわしく」は、
「親に安心なように」じゃなくて、
「その子にふさわしく、その子なりに」成長するってこと。
子どもが何をしたがっているのか、
よく見て、耳を澄ませ、環境を整えていくこと。

そういうことを通じて
「芸術的な行為が、人間を悟性の強制から、
そして自然の強制から解放し、自由にするのです」（Ｐ137）
と成長していく。

「芸術的な行為」とは、
自分を解放する勇気と覚悟を持って、
何らかの形で表現すること。

絵を描いたりダンスをしたり、
ということに限定されることではなくて、
自分を解放する勇気と覚悟を持って心を開いて会話する、
ということも、芸術的行為だ。
うまい下手は関係ない。

「悟性の強制」とは、
科学への盲信というか、アタマで理解したこと。