高橋巌さんの講義で
「エーテル体験」という言葉を聞きました。
確か、数日前にアップしました。
聞きなれない言葉だけど、要は、
「自分が」対象(たとえば絵)を見るんじゃなくて、
対象が、自分の中で生きるイメージで向き合う
ということです。たぶん。
自分が見たり聞いたりすると、
相手に共感したり、拒否感を抱いたりします。
それは、自分を世に押しつけているだけで、
世を理解することにはつながりません。たぶん。
(自分の感じ方を理解することにはつながります)。
というわけで、対象は石でもボールペンでも葉っぱでも、
何でも良かったんだけど、
今日は1時間ほど時間があいたので、
せっかくだから、近くの美術館に絵を見に行きました。
常設展をザッと見て、
好きそうな絵をいくつかピックアップ。
絵の前に立ち、もうちょっと良く見てみます。
その時に、コレが一番好き!と思った絵の前に立ちます。
平日、閉館間際の常設展は、誰もいなくて独り占め。
私が見てるんじゃなくて、
絵が私の中で生き始めるのに耳を澄ませられます。
じ~~~っとじ~~~っと耳を済ませます。
その時見ていた絵は、東山魁夷の絵。
画面の8割くらいが針葉樹林で
右端2割に紅葉した広葉樹。
緑とオレンジの鮮やかなコントラスト。
一生枯れない針葉樹。
枯れないことはいいことだ。
毎年枯れては生まれ変わる広葉樹。
惜しげもなく葉っぱを落とします。
落ち葉は、庭なら掃除も大変だけどね。
山だから平気。むしろ、豊かになります。
みんな揃って同じスーツを来て上を目指す針葉樹。
外から内に向かって自分を形成する力を感じます。
のびのび自分なりの枝を広げる広葉樹。
内から外に向かって自分を形成する力を感じます。
見ていて気持ちのいい、まっすぐな針葉樹。
人の手を入れれば、さらにまっすぐ育ちます。
日の光を独り占めしようと枝を伸ばす広葉樹。
風に枝を折りあいながらも自分で立っています。
材としてものすごく人の役に立つ針葉樹。
これがないと、柱もタンスもお弁当箱も作れません。
生きていること自体が森の役に立つ広葉樹。
これがないと、動物が生きていけません。
異質なものが混ざると気持ち悪い針葉樹林。
いろんなものが混ざって完成する広葉樹林。
さて、豊かなのはどちらなのか。
さて、私はどちらであるのか。
どちらでありたいのか。
とても饒舌に絵が語り続ける、
夕方の常設展なのでした。
また別の絵とも向き合ってみたくて、
常設展フリーパスの会員に申し込んでしまいました。
うふふ。楽しみ(^^)。
いや、その辺の葉っぱとかで
エーテル体験してみたらいいんだけどね。
あの静かな空間は貴重でした。
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