発表会の本番1週間前に
「近くで感染者が出たので、発表会を中止にします」と
ピアノの先生から連絡がありました。
突然すぎてビックリです。
サングラスとか、フェイスシールドとか、
お客様と演奏者の導線とかも配られ、
楽屋も密にならないよう、いつもより多く借りて…。
ホントにもう、出来る事はすべてやっている、
と言えるほど、万全の準備をしてこられたのに、
地域でコロナにかかった方がおられた。
気を付けていてもかかる時にはかかるのだ。
一人ひとりに曲を選び、子どもは一所懸命練習をして、
先生はホールを借り、プログラムを印刷し、
撮影やMCの手配をし…、それらが何もかも無駄になる。
それでも
「やっぱり、生徒さんの安全には変えられないので」
と、1週間前に中止の決断。
すごい決断力です。
「せっかく練習してこられたので、
レッスン室で動画を撮ってWEB発表会にします」
という説明をいただきました。
そして2日後。また連絡があり、
「家族単位で発表会やります」とのこと。
えーと???
何百人も入る会場に、家族ごと、
つまり1曲ごとに数人ずつ入り、入れ替え制で、
子どもさんは予定どおりステージで弾きます、と。
小さなお子さんは、せっかく頑張って練習したし、
それこそ、親御さんもかわいいドレスを買っていただろうし、
気持ちの納まりがつかなかったのかな、
と推測します。
ウチの中2は、わりと平気そうな顔をしていたので、
「あんまり残念そうな顔してないね?」と言うと、
「先輩たちが目標にしてた県大会がなくなったから、
それに比べたら」と、
気持ちのコントロールが上手になっていました。
リスクがゼロにできないことを恐れて、
何もかもを白紙撤回してしまうんじゃなくて、
どんな形にしろ、安全と子どもの気持ちのバランスを取って、
最後までギリギリの着地点を模索される姿勢を
とてもまぶしく感じます。
この誠実さと勇気と注意深さをもって、
緊急事態宣言以上の感染者がいるのに旅行を推奨されたり、
外出を自粛するよう求められたり、様々に混乱している社会の中で、
それぞれが自分で着地点を探していくのでしょう。
ゼロを目指すのは無理だから、
じゃあどうするか、という現実的な着地点が
これからいろいろ示されるし、
自分も探していくことになりそうです。
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