「タンクローリーの会社はどこかわかりますか?」
緑川が言った。
「房総方面への納品が遅れても、事情を聞くのは電話の後にしてもらえるようにお願いできませんでしょうか」
「そうだな。そんなことに時間を取られてはいられない。私からLOEを通して話しておこう」
黒木は携帯から電話を掛けた。LOEではだいたいタンクローリーを所有する会社の当たりがついているようだった。
「すぐに電話で捜査に協力してくれるよう頼んでくれ」
村崎が運転するバイクは、若葉区に入った。畑や住宅に混じって、小さい山林が見える。山林のところどころに不法投棄された電化製品やタイヤが転がっている。1つ目の廃車置場を村崎は通り過ぎた。
「村崎さん、廃車があったみたいだけど、下りなくていいんですか?」
村崎の背後で赤沢が怒鳴った。
「ここはさっきのパーキングと同じだ。藍原の気配が感じられない」
村崎が怒鳴り返した。
「気配ですか?」
「ここじゃない。でも遠くない。藍原は叫び出したいのをこらえている。赤沢にも伝わってくるだろ?」
スピードの上がったバイクに強く掴まりながら、赤沢もかすかに藍原の気配を感じた。
「そうですね。ここじゃない」
緑川が言った。
「房総方面への納品が遅れても、事情を聞くのは電話の後にしてもらえるようにお願いできませんでしょうか」
「そうだな。そんなことに時間を取られてはいられない。私からLOEを通して話しておこう」
黒木は携帯から電話を掛けた。LOEではだいたいタンクローリーを所有する会社の当たりがついているようだった。
「すぐに電話で捜査に協力してくれるよう頼んでくれ」
村崎が運転するバイクは、若葉区に入った。畑や住宅に混じって、小さい山林が見える。山林のところどころに不法投棄された電化製品やタイヤが転がっている。1つ目の廃車置場を村崎は通り過ぎた。
「村崎さん、廃車があったみたいだけど、下りなくていいんですか?」
村崎の背後で赤沢が怒鳴った。
「ここはさっきのパーキングと同じだ。藍原の気配が感じられない」
村崎が怒鳴り返した。
「気配ですか?」
「ここじゃない。でも遠くない。藍原は叫び出したいのをこらえている。赤沢にも伝わってくるだろ?」
スピードの上がったバイクに強く掴まりながら、赤沢もかすかに藍原の気配を感じた。
「そうですね。ここじゃない」