今は故人となられた超一流の芸術家の作品を拝見する機会がある。
花を極めた作者による花器や、食を極めた作者の生み出す器は美しい。
器そのものが輝きを放ち、匂い立つ。
ひたすらに美しい。
息をのむ程美しいが・・・・
その完成度の高さ故に、背後に人を拒む厳しさを見る事が有る。
時にそれらは最高の素材を要求し、
使い手の技量を無言で容赦なく推し量り、拒絶する。
私は・・・・
日々の暮らしの中で花を知り、食を知り、
例えば夕方駆け込んだ、閉店間際のデリで求めたお惣菜や、夕べの残り物。
風雨に打たれて折れてしまった庭の片隅の草花。
そんな忘れ去られそうな命に、
もう一度小さな輝きを与えられるような、
静かな器を作りたいと願っている。