カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

負け犬の遠吠え

2011年01月18日 | Ceramics

今は故人となられた超一流の芸術家の作品を拝見する機会がある。

花を極めた作者による花器や、食を極めた作者の生み出す器は美しい。

器そのものが輝きを放ち、匂い立つ。

ひたすらに美しい。

息をのむ程美しいが・・・・

その完成度の高さ故に、背後に人を拒む厳しさを見る事が有る。

時にそれらは最高の素材を要求し、

使い手の技量を無言で容赦なく推し量り、拒絶する。


私は・・・・


日々の暮らしの中で花を知り、食を知り、

例えば夕方駆け込んだ、閉店間際のデリで求めたお惣菜や、夕べの残り物。

風雨に打たれて折れてしまった庭の片隅の草花。

そんな忘れ去られそうな命に、

もう一度小さな輝きを与えられるような、

静かな器を作りたいと願っている。