少し前の事だけれど、新年にあたり王様がベッドを新調しなさった。
(王様は家中にベッドを持っているので、コレは夜用だそうな )
王様はオッサン大人だし、もっと高級感漂う物をご所望かな?とも思ったのだけれど、
正面から見た感じがあまりに似ているので、つい買ってしまった。
王様は、どんなに新しい物でも気に入らなければ見向きもしないので、
私はちょっとドキドキ。
あー、気に入ったみたいだ。よかったね~
幸せな星の元に生まれて来た犬達は、
夜の不安を知らない。もちろん知る必要など断じてない。
でも不幸にして毎晩ひとりぼっちで、空腹や恐怖、暑さや寒さと戦った経験のある犬達は、
保護されてなお、寝ている時さえ緊張し続けていることがある。
思い出すだけでも胸の潰れる思いがするけれど、
緊張と恐怖から、立ったままでしか眠れない犬達も私は見た。
王様も家に来てから長い間、手足を伸ばして眠る事など無かったね。
それでも少しずつ、リラックス出来る場所が増えて行った。
王様の眠る姿を見ると、安心出来る場所を提供出来ているのだと思える。
ささやかな自己満足なのだけれど。
毎晩、大きなため息をついたり、小さないびきをかいたり、伸びをしたり・・・
暗闇の中で王様の命が静かに呼吸している気配を感じる事が、
愛おしくてありがたい。
王様、おやすみ