カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

シーフードと旅の空

2011年05月16日 | Travels

 

今回の短い旅の目的地は港町でした。

一年中が日本の梅雨のような気候で、滞在中の天気予報も雨マーク続き。

諦めておりましたところにつかの間の青空が見えまして、

慌てて湾内を一周する遊覧船に乗り込みました。

空から、海から。。。今回は色々な角度から街を眺める機会に恵まれる旅となりました。

私は旧友との再会に便乗した旅ですので、仕事もありません。

ですので、思い切り観光客らしく振る舞いました。

水族館に行ってさえ、「おいしそう~」と口走ってしまう私。

市場というところは、何故こんなにも心躍るのでしょう。

市場の脇にはスタンドからレストランに至るまで、

予算やお好みに合わせて様々なスタイルでシーフードを頂くことが出来ます。

ええ、頂きましたよ。目一杯。


それでは、滞在中に頂いたお料理のお写真なぞ。

サーモンのフィッシュ&チップス・クラムチャウダー・サーモンチャウダー

ホタテ貝のフライ

 

海辺のレストランにて焼きたてのパンとともに・・・・

4種類のオイスター盛り合わせ

ダンジネスクラブとアスパラのラビオリ、ライトクリームソース

スモークサーモンとホウレン草とアーモンドのサラダ

シーフードサラダ

グリルドサーモンのシーザーサラダ

 

一皿ずつ説明しておりますとキリが有りませんね。

特筆すべきはサーモンで、この辺りでは5種類のサーモンが捕れます。

それぞれに個性のある味わいです。

ローカルのものですので、グリルしたサーモンなどはお刺身クオリティーでして、

中は半生状態で、濃厚にして臭みのない素晴らしい味わいでした。

スモークサーモンのサラダに付きましては、

通常の薄くペラッとしたスモークサーモンは好んで頂かないのですが、

こちらのスモークサーモンは絶品でございまして、

お店の方にお願いして、持ち帰り用にパックして頂きました。

あっ、そうそう!生牡蠣の中央に添えられておりますピンク色のものですが、

ビネガーとハーブのシャーベットでございまして、

牡蠣に載せて頂くのですが、私はカクテルソースよりも、こちらが好きでした。


おいしいお食事と素敵な友達。

思い出に残る旅に必要な2大要素が整いまして、今回も楽しい旅となりました。

心から感謝です。

 

 


夏を待つガーデニング

2011年05月15日 | Lives

 

今日は窯焚きの日でしたので少し早起き。

見上げれば曇り空。

コレはやはり神様からのお告げでしょうか? ” 汝、外に出よ!働くがよい!” と。

暑過ぎず、寒過ぎず、こんな日はガーデニング日和です。

そう、我が家の5月はガーデニング強化月間と決まっております。

春の花は球根ものが多く、早々に始末してしまうと来年の球根が育ちません。

ですので、すこしみすぼらしいですが、枯れた茎や葉をそのままにしてあったりします。

5月に入り、日差しも夏を思わせる日もちらほら出始めますと、

それらを片付けて、夏を迎えるための支度に取りかかります。


この辺りのほとんどのお宅はガーデナーが週一度入っていますし、

我が家も危険を伴う剪定は業者にお願いしますが、

何でも自分でやりたいDIY大王と、元フローリストの二人組ですので、

やはり出来る限りは自分達でと思っています。

ガーデニングなどと申しますと、コットンのワンピースなど着て、

優雅にお花を植えているかのようなイメージも有りますが、

アレでございますね、実のところガーデニングは大変な肉体労働でございます。

ただひたすら伸びきった枝を切っては投げ切っては投げ。。。

もう仕舞いには握力が無くなって参ります。

お次はジャングルのようなストレッチアの茂みをかき分けて、花殻を切ります。

 

パームツリーからは柔らかい春の新芽が出ています~

植物達の成長のためにも、切るべきところは切らなくてはなりませんが、

私はこんな風に出来るだけ野生の趣を残しておくのが好きです。

まだ終わりませんゾ。 次はローズガーデン。

この辺りでは一年を通してバラが咲きますので、剪定の仕方が日本とは異なります。

我が家にあるバラは老木ですので、剪定時期には気をつけています。

今の時期はまだ強い日差しも乾燥も少なく、バラにとっては快適な季節です。

私はこの季節を選んで、かなりの強剪定をしてしまいます。

沢山蕾もついていて少し可哀想なのですが、こうする事で株が元気になって、

夏の暑さや乾燥も元気で乗り越えることが出来るのです。


さあ、今日はこれぐらいにして御飯にしましょうか。明日は消毒や肥料をいたします。

夏を待つガーデニング、今年もまたこの季節がやって来ました。


では


 


花束の似合う人

2011年05月14日 | Travels

 

旅の途中に母の日が有りました。

朝の市場には季節のチューリップや水仙、アイリス等を中心とした花束が沢山。

この写真の女性、花束の組み上げが手早く、仕上がりも見事でした。

このように大きさを揃えた店頭販売用の花束というのは、

お客様がお花を一本一本選んでから組み上げて行くものとは違いまして、

順番や長さ、本数に至るまで一定の法則が有るのです。

私の場合、それを練習する時には割り箸や菜箸で繰り返し訓練したのでございますよ。

生の花を使っていては無駄になりますし、初心者は堅いお箸の方が扱い易いのです。

あっ、そんな事どうでも良いですね。

 

道行く人達の中には、この花束を幾つも抱えた人もいます。

花束を抱えて歩く人を見るのは、とても気持ちのいいものです。

大切な人へのプレゼントかな?ですとか、

コレから家に帰ってお部屋に飾るのかな?とか、

その花束が薔薇のみで仕上げられていたりしますと、プロポーズか~などと、

要らぬ詮索をしてみたり。楽しいです。


この日は母の日でしたから、誰もが堂々と花束を抱えて歩けたのでしょうけれど、

花束を抱えて歩くのがちょっと照れくさいとおっしゃる方(特に男性)もいらっしゃいます。

確かにね、持ち方によってはロマンチックな想像ではなくて、

「送別会でしたか?」とお尋ねしてしまいそうな方もいる。。。。。かな?

 

仮の話しなどしても仕方が無いのですが、

もしも私に息子が居りましたなら、花束の似合う男に育てたいと思ったことでしょう。

その花束は、願わくば送別会の頂き物ではなく、愛する人に贈る為の花束とか、

自分の部屋を飾る花束で有って欲しいと思うのは贅沢ですか?

世界中に無数に咲く花々の中で、花束となり、受け取る誰かを笑顔にするという

栄光のステージを与えられる花は極くわずかです。

私はその晴れ舞台には、大きなスポットライトを当ててあげて欲しいと願います。

花束の似合う男性などと言葉にしますと、何だか外見の事を言っている様ですが、

それは二の次三の次です。

花束を持った時にサマになる為に必要なのは二つのこと。これは性別には関係ありません。

美しいものを素直に心を込めて賞賛出来る気持ちと、

壊れ易いものを丁寧に扱うことの出来る優しく強い心だと私は思います。


美しいものを目の前にした時に目を伏せたり、照れ笑いを浮かべたり、

それを誤摩化すために乱暴でぞんざいに振る舞ったりするのではなく、

真っ直ぐに胸を張り、「美しい」と思う気持ちを素直に口に出来、

その美しさを損なわぬ様に扱える人となるには、並々ならぬ努力が必要です。

そのような振る舞いが出来る人に会えるチャンスは残念ながら余り多くは有りませんが、

いるのです。ちゃんと。

私もそのようなヒトでありたいと思います。


素敵な週末を



 


ヘリコプターと男の友情

2011年05月13日 | Travels

ようやく飛行機を降りた私を待っていたもの。。。。。

それはヘリコプター。 うぇ~ん。


大学時代アパートの隣同士に住みながら、卒業以来音信不通になったまま、

てっきりお互いそれぞれの国に帰っているとばかり思っていた二人の男。

facebook が時を超えて再び二人を巡り会わせてくれました。

昔からの趣味が仕事に結びつき、今では会社経営者となった今回のホストは、

卒業後は母国シンガポールには帰らず、一時期ヘリコプターのパイロットをしていたそうな。

今回の旧友との再会に際して、何としてでも自ら操縦するヘリコプターで、

街を案内したいと、全ての段取りをして待っていてくれやがりました。

久しぶりに積もる話も有ろうかと別行動を申し出ましたが、即座に却下。


私は勿論初対面。

長い長い歳月を経た、悪友の再会シーンを密かに楽しみにしておりました。

ホテルにチェックインするや否やロビーに迎えの車がやって来ました。

ドキドキワクワク

が、私の期待は見事に裏切られ、

短いハグの後は、まるで昨日も会ったかのような馴染み様です。

清々しくあっけない。

これが男の友情か~。いと、うらやまし。

妙に嬉しそうなパイロットを後部座席から眺めつつ、

しばし友情について思いを巡らせてみました。


私は学生時代に英作文の授業で、男と女の友情の違いに付いて作文を書かされました。

その時の教授と私は、授業後に激しく言い争いになりまして、

結局私はその作文を書かず白紙の用紙を叩き付けたという、楽しい思い出が有ります。

なぜ私が大人気なくそれほどムキになったのか?

教授という人を導く立場に有りながら、女性最高!女性は男性より優れている!

という非常に偏った思想を隠そうともしない彼女が、

男の友情等というものは、女性のそれと比べて全く深みの無いものである!

と、社会学ならまだしも英作文の授業中に演説をぶったからです。

のたまわく・・・・・

女性同士が友人関係をスタートするに当っては、

お互いの家族構成から、仕事、趣味、あらゆるものについての好き嫌い、

現在に至るまでの自分史等々、必要な情報は直ちに交換し合い、

今後は全てを分かち合う決意の元に、濃厚な友情を育むのに対して、

男は何年も顔を合わせていながら、

場合によっては互いの住所も、結婚しているのかどうかさえも知らない上に、

プライバシーをシェアしようともしない、実に浅い関係に満足する傾向にある。

だってサ。


これは私を憤慨させるには充分過ぎました。実に浅はかな分析ですな。

友情の価値などというものは、他人が決めてはならないのですよ。

そもそも私には、彼女の言う男の友情の形が何故悪いのか解らない。

細かい事は申しませんが私が好むのは、どちらかと申しますと彼女が言うところの、

『ザ・男の友情』の方だと言う個人的な嗜好も、私のチャレンジの後押しをしました。

この一件で私が得たものは、Fという落第点と、

必要ならば英語で堂々と議論する気力と実践的且つ攻撃的な語学力でした。

あはは・・・・は。

 

馬鹿な思い出にふけっている間にも、ヘリコプターは霧雨の街を旋回します。

港町というのは、世界中どこにも共通した雰囲気が感じられる気がいたします。

貨物船に積み込まれて入港して来るのは物資だけでなく、

そこに関わる人々の活力とか、文化とか、

もしかすると旅人の孤独だったりするのかもしれません。

どんなに賑やかな毎日をおくっていても、人生は一人旅なのですよ。

一人で生まれて来て、やるべき事を終えた後にまた一人で旅立って行くのです。

でもそれを寂しいと思うのはどんなもんでしょうか?

旅の途中で出会い、深く関わりを持つようになる人もあれば、

たった一瞬の時を、すれ違うように共有する人もいる。

そして出会った人々の記憶を、残しておこうと思えば永遠に心に残しておく能力を、

私達は与えられていて、それを「思い出」と呼ぶのです。

その関わりが記憶にも残らない浅いものなのか、

それとも生涯心に抱きながら一人旅を続けて行く為の糧となるのか。

それを決めるのはその時々、自身の心のありようなのだと私は思います。

価値なんぞというものは自分にしか判らぬもの。

それもずっと後になってみなければ判らない真価というのも有るものです。

ここね、世界に名だたる大富豪のお屋敷なんだそうですよ。

写真の中央の水辺、グレーの屋根と赤茶色の壁の建物です。

 

私にとっては、ヘリコプター初体験でした。

普通に飛行していれば何の問題も無いものを、

冒険好きなパイロットが何度もターンを切るので、

ちょっと何だかね・・・・気持ち悪かったYO

 

では

 


キーライム・パイ

2011年05月12日 | Food

旅先で出会う味の中には、生涯忘れる事の出来ないものが有ります。

絶品!信じられない美味しさ!これを食べる為だけに旅する価値のある味!

そういう思い出だけが素晴らしい訳ではないと私は常々思います。

このような食べものが有るなんて!これを好きな人が居るなんて!

私としては絶対、もう二度と食べたくないゾ!。。。。。

これは食文化の違いですね。己の味覚を恨んで食を憎まずです。

むしろこういう意味での衝撃の味の方が、後になれば思い出深かったりするものです。

それら全てを含めて、旅で出会う味は素晴らしいと思うのです。


その『忘れられぬ味』に出会うことが出来ました。幸い今回は前者。

キーライムパイです。

私はスウィーツ好きというわけでも無く、ましてやキーライムパイ通では有りませんが、

”もう私に食べ物を見せないで!”と叫びたくなる程のディナーのおもてなしを受けた後、

例えばこういうヤツとか。。。。。


このキーライムパイを食べさせずして帰すわけにはいかぬと、

問答無用で連れて行かれたバーでの出会いです。

日本でキーライムパイというのが一般的なのかどうかは知らないのですが、

見た目はどこにでもあるキーライムパイです。

グラハムクラッカーを砕いたものをバターで固めた台に、

キーライムのクリームとメレンゲが2層になっていて、

ミントの香りがスパイシーなバランスを取っています。


食べ物を見たくもなかったはずの私が、この大きなパイを平らげてしまいました。

本当に本当に、言葉にできない程バランスの良い仕上がりでした。

ヨーロッパ各国ののお家芸である芸術的なスウィーツとは異なりますが、

私にとっては、人生最高のスウィーツのひとつだと断言させて下さい。

このキーライムパイを思う時、私はすぐにでも飛行機に飛び乗りたくなる事でしょう。

旅先では強い好奇心と強靭な胃袋が最も頼りになるパートナーだと再認識いたしました。


ごちそうさま