でも、実際にやってみると面白い事がありました。
今使っている教科書は英国で作られたOxford(大学出版)とLongman(英語教材の有名出版社)のものですが、特にLongmanの教科書の中のテープスクリプト(CDの中に入っているヒアリング教材)の中には何と、アメリカ人、オーストラリア人(このあたりまでは収録されている意味が分からないでもない)、フランス人、スペイン人、フランス人、東ヨーロッパ(国名忘れた)、中国人、タイ人、ペルー人などの人たちの言葉が普通に入っています。マレーシア人のと日本人のはありませんでしたが。と言うことは、それを聞いて英語のヒアリングをすることになるのです。
もし日本の出版社がそんな教材を作ったら......絶対売れないんじゃないかと思います。でも、英国ではそれを作って平気で売っていると言うことです。
実際に聞いてみると、英国人が話しているよりかなり聞きやすいものです。単語の1つ1つをきちんと区切って発音する傾向にあるからです。
どうしてそんな教材が作られるかと言うと、これは想像ですが、英語が既に英国や米国の特有の言葉でなくて、共通言語の役割をしている事を彼らが認識しているからじゃないでしょうか。
ここで教えてくれている先生の1人はネイティブの英国人ですが、これも面白いことに中東から来た人の英語の発音も中国人の発音も日本人の発音も韓国人の発音もちゃんと聞き取れる許容力があるのです。少し前に何かで読んだ文章にも英国人が世界中から集まった人たちの英語を許容していると言うような事が書いてありましたので、確かにそう言うこともあるのだと思われます。
そう言うのを見ていると、英語は今まで考えていたような物ではなくて、もっともっと広いものなのだと感じます。いくらネイティブの発音を聞いて勉強してもネイティブのように話せる人はほとんどいないそうです。でも日本人は日本人の世界に通じる英語を話せばそれで良いのだと英国人の先生も言います。現在ではそれが正しいのではないでしょうか。
そう言えば、英語の教材の中には最近の言い回しであったり、スラングであったり、話すときに省略して短く言う言い方のようなのがズバスバ出てきます。これもそう言うことで、変な"正しさ"よりも実用性(誰にも誤解が生じずに通じると言うこと)の方が大事と言う考え方から生まれるものなのではないでしょうか。
つまり、"ネイティブ発音=正しい発音" と簡単に考えてしまうのではなくて、"正しい発音" はネイティブとは別のところにあると思うべきなのかも知れません。
愛妻さんはナイジェリア人と会話が通じるようになった。ジェスチャーから始まった会話が今度はGoogleトランスレイターを使ってパワーアップしている。このホテルでは誰もアラビア語が話せなくて宿泊費の説明をするだけでも困っていると言うのに。見ているみんなは目を丸くして見ている。
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