土佐のくじら(幸福うさぎ丸)です。
パレートの法則と呼ばれるものがあります。
通称、8割2割の法則とも言われます。
法則というよりは、経験則だとも評されることも多いのですが、
世の中の実態を見る上で、とても有意義な知識だと思います。
パレートの法則の説明で、よく用いられる実例としては、
・ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している。
よって売上を伸ばすには顧客全員を対象としたサービスを行うよりも、2割の顧客に的を絞ったサービスを行う方が効率的であ る。
・商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している。→ロングテール
・売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している。
・仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している。
・故障の8割は、全部品のうち2割に原因がある。
・所得税の8割は、課税対象者の2割が担っている。
・プログラムの処理にかかる時間の80%はコード全体の20%の部分が占める。
・全体の20%が優れた設計ならば実用上80%の状況で優れた能力を発揮する。
のようなことです。
他にも、蟻の巣を調査すれば、実際に働いているはたらき蟻は、全体の20%とか、
空気中の酸素の比率は、全体の20%とか、地球の陸地の面積比率は約20%とか、
人体の構成の約80%は水とか、このパレートの法則の活用は有意義で面白いです。
要するに、全体を処理するのに、10の時間とエネルギーを要するものは、
重要な8だけを処理するならば、2だけをやれば良い・・・ということですね。
これを国家や自治体の財政に当てはめるならば、税収の8割は、2割の納税者が納めているということになります。
となれば、所得格差をなくし、金持ちがこの国から年々減っていくような累進課税制度の強化や、
3代で財産を国家が吸収してしまうような相続税制度が続けば、この国の財政を実質的に支える2割の人がいなくなるということです。
つまり、良かれと思って金持ちから高額納税を取り続けるということは、
結果的に8割の税収を失う・・・という結論に達してしまうのですね。
将来は残りの2割の税収で、やりくりしていかなければならなくなる・・・という、
考えただけで恐ろしくなるような、超~貧乏国家の未来が待ち受けていることになるのです。
歴史上、社会主義国家の多くは、経済的に行き詰まり消滅して行きましたが、
きっとこのような法則による、経済構造を克服できなかったのではないかと推測いたします。
ですからこのパレートの法則のもとで、国家経済を繁栄させるには、
実質的に国家財政を支えている2割の高額納税者からもっと搾り取る、社会主義的な経済発想ではなく、
むしろ、2割の人を強くし、2割の人そのものを増やしていくことだと思うのですね。
ここに実は、日本経済の最大の弱点が潜んでいるのです。
日本は累進課税国家であること、そしてある一定以上の資産のある人には、相続税がある国なのです。
この税制がもたらすものは何かと申しますと、
日本では、金持ちが金持ちらしく振舞えない国家であるということ、否それのみならず、
金持ちが、「自分はお金がありますよ。」と表明できない国だということです。
累進課税や相続税、そして贈与税などの税制の根本には、日本には金持ちを嫉妬する文化があるということです。
その結果、どうなるかと申しますと、「お金持ちが、持っているお金を使ってくれない。」という現象が起きてしまうのですね。
お金を使うと、お金を持っていることがばれてしまうからです。
たとえば、日本国内の総預貯金額は、1500兆円と言われています。
これは世界最大の預貯金金額です。
そのうちの、少なくとも600兆円は60歳以上の方がお持ちなのですね。
相続税があると、この高齢者が持っている600兆円は、相続税対策のために市場には出ないのです。
そしてこれが重要なのですが、上記は金融機関が把握している額だということです。
相続税逃れのために、金融機関を使わない、いわゆるタンス貯金というのは、一体どれだけあるかは誰にもわかりません。
相続税逃れ・・・つまり現代の日本が、個人がお金を持っていることを表明できない国家であるがゆえに、
想像を絶する膨大な隠し資産が、市場を潤すことなく、何十年も眠り続けているという事実を知らなければなりません。
日本は、金持ちへの嫉妬心を克服することです。
そして、相続税(そして贈与税)を廃止し、累進課税制度をなくすべきです。
さすれば、パレートの法則で重要な2割が激増するでしょう。
経済面での手かせ足かせをはずした経済大国は、一体どのような姿に変貌するかは・・・神のみぞ知るでございます。
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