UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十三話part6

2025-02-02 18:26:46 | 日記
「それじゃあ行きます!」
 
 疲れてるだろうけど、ただ海坊主を縛り付けるだけでは意味がない。今のままだとどうやら幾代の力で拘束をしてる……と言う状態らしい。あれだけの巨体を拘束するだけの力があるなんて小頭は凄いと思った。そしてさらに幾代は詠唱を続ける。
 
「これを」
「これは……魔除けだ」
「魔除け?」
 
 詠唱をして目的の事をやろうとしてる幾代へと鬼男があるものを差し出す。それは彼の角である。小頭は思った。
 
(彼らにとっての角っていったい……)
 
 ――とね。だってなんかとても気軽なのだ。体の一部だし、作品によっては角というのは力の象徴とか、鬼にとっては角こそが力の権化であって発露みたいな場所のような描写だってある。
 
(けどそれらはきっとフィクションで、こっちがノンフィクションなんだよね)
 
 複雑な思いが小頭の胸に宿る。だって格好いいのはフィクションのほうだと思えてしまうのだ。鬼女も鬼男も自身の角をポキポキ折るから! 鬼にとってその角は大切じゃないのか? と思わずにはいれらない。それにさらにいうと
 
(魔除けって)
 
 ――である。魔はあんたたちの方でしょ!? ――という事を突っ込みたくなった。けど鬼男も真剣なのだ。それは小頭にもわかる。それに幾代も今は大変なのだ。それなのに一番楽してる小頭が――
 
「ぷぷぷ、魔除けってあんたが魔でしょ?」
 
 ――とか言える訳もない。鬼男は見た目と違って優しいが、だからっていっていい事と悪いことがあるだろう。それに本来なら体の一部を与えるなんて事は信頼とかがないとできないはず。だから……真剣なんだ。と思って何も言わない。
 
「ありがとう」
 
 そういって幾代はありがたく受け取ってた。それを一体どうするのか……と小頭は見てたけど、とりあえず詠唱を続けて、拘束してある海坊主の周囲に結界みたいなのが見えるようになった。まるで海坊主が一つの柱になったみたいな? そんな感じだ。そしてとりあえず「ふうー」と幾代は息をはく。そしてふと思い出したように鬼男から受け取った角を見る。するとそれを波がギリギリ届かない場所に刺した。そしてさらに――「ふん!」――と足で踏みつけて浜におしこんでた。
 
「これでよし」
 
 ほんとに? ほんとにそれでいいの? と小頭は思った。ゴミを処理した……わけじゃないよね? という疑問がぬぐえない。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 169

2025-02-02 18:22:43 | 日記
 私を蚊帳の外にしてユグドラシルが開示されていく。そしてこの男が言ったように、きっと相互反応とかいうのをしてるんだろう。私が見たことないような文字列が並んでる。
 
『生命には適応能力がある。俺たちはそれに注目した。世界は千差万別だ。そして力の根源は一つじゃない。だからこそ、適応できる対象は広ければ広い方がよかった』
 
 なにやら彼はまだ喋ってる。あれだけ色々とペラペラといってたのにまだまだあるのか……とちょっとあきれつつ、言ってることはわかる。今は専門用語もないし、私でもわかりやすい話だ。
 それに納得もできる。これまでの世界で根源が違う世界を体験してる。私はG-01の中にいて、G-01の中から世界を見てるからそれを実体験してるか? といえば違うかもしれないが、はっきり言ってこれまでなんの問題もなく世界を渡ってこれたのはひとえにG-01の適応能力のおかげだろう。
 
 どんな世界にいっても、G-01……いや、このユグドラシルはその世界の力をエネルギーに変換できる。これは凄いことだ。それはわかる。前の世界では勇者も魔王もその世界の力を単純には使えなくて苦労したからね。
 今は勇者にはノアがいるから変換してもらってたが……実際次の世界ではノアもその世界の力を勇者の為に変換できるか? といえば出来ないと思う。だって前の世界の力を勇者の為に変換できたのは、それはノアがあの世界の者――だったから。
 自身が使える力だったから勇者に合わせられた……というのが正しい。でも次の世界はきっとノアだって初めての力と出会うことになるだろう。そうなると……再び勇者たちは力の枯渇に悩まされるだろう。
 
 でもG-01にはそんなのはない。だってユグドラシルシステムが全てを解決してるからだ。それもこれも……この彼と、そして彼女、更にはまだ知らない天才たちがユグドラシルシステムを全てに適応できるように作り上げたから……なんだよね。
 
『だが、それは言うほど簡単じゃない。エネルギーは違うものどうしは反発し、拒絶反応を起こす。だからこそ、世界は隔離されてるからな。それらの全てに対応する……全ての力の結合と、色を見極め、深遠を覗き、理解する必要がある。
 エネルギーは目に見えるものじゃないが、世界を支える根源として確かに存在し、世界を構成していく中で独自性をもっていく。だから一重に根源が同じだとしても同種のエネルギーは世界によって違う。
 けどそれは同時にこうも考えられる。エネルギーも変化を受け入れてると』
 
 どうやら彼らはそんな「変化」の許容をついたと言いたいらしい。そして生命が持つ適応能力……それらを駆使してユグドラシルシステムには全ての世界に対応できるだけの柔軟性を持たせたと……はっきり言って言葉だけきいたら「へー」である。
 でもそれはきっと彼らの苦悩……苦悩、苦悩……そして努力があったんだろう。そんな事を思ってると、何やら私の中にも流れ込んでくるものがある。私はG-01の一部だからかな? 相互反応で二つのユグドラシルが干渉しあってるとなると、当然その影響は私も……ある?