UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十一話part1

2024-10-31 20:04:56 | 日記
 おばあちゃんはその日、おじいちゃんとは違う畑、家に近いところの趣味様な畑に成ってる野菜を収穫してた。緑色が鮮やかなキュウリ、赤のみずみずしさがはち切れんばかりのトマト、スーパーに並べられてる物よりも大きくてもっと濃い色をしてるナス。その他にもこの隣接してる畑にもトウモロコシやニラやカボチャなんかもあった。
 
「ふう、うんなかなかいい出来ね」
 
 夏野菜を収穫しつつ、おばあちゃんは満足そうな顔をしてる。夏の厳しい日差し……けどそれに負けずに、寧ろそれを受け入れてたくましく育った野菜たち。
 それにおばあちゃんは満足してる。薄平べったい編み込みの籠に溢れるくらいの夏野菜が増えていき、それを一度近くにおいて、更に別の籠をとる。流石に二人で食べるには多すぎるように思えるが、破裂しそうな程に実ってるから収穫しない訳にもいかないのかもしれない。ある程度収穫すると、家の外の方の蛇口をひねって、重ねた野菜にそのまま水をぶっかける。そんなことをしつつ、時々おばあちゃんはスマホを観てた。
 
 夏野菜の写真もとって、ネットに上げるということも、おばあちゃんはやってる。昔ながらの機械苦手……ということはおばあちゃんはないのだ。そしてある程度収穫もできて、野菜も綺麗に洗われた。それを籠にもう一度いれて、近所のお家にもっていく。
 
 もちろんこんな田舎だから、近所だって農家だ。カギだってしてない。玄関で「ふみちゃーん」というと、家から同年代くらいのこっちもお婆さんが出てくる。
 
「いくちゃんいらっしゃい。まあそれ野菜?」
「そう、沢山採れたから。おすそ分け」
「ありがとうね。そうだ、今良いものがあるの。ちょっと上がっていってよ」
 
 そんな風に家に招きあげられたおばあちゃん。そして居間に通されていい匂いのお茶と、そしてデザートがでてくる。
 
「これは?」
「ふふ、新しくできた所のなの。知ってる? そこの店主さんは日皿木さんちの――」
 
 二人の会話は自然と続いてく。そしてそれと共にケーキもなくなっていく。そんな中、別の話題になった。
 
「そういえば今都会は大変そうよ」
 
 そんな事をいってふみちゃんはテレビを操作して、動画サイトに繋げた。今はテレビでもシームレスに動画サイトを開けるのは沢山ある。するとホットな生放送が一番前にある。それを選択するふみちゃん。
 するとこの世の物とは思えないような状況が繰り広げられてる。右端に表示されてるコメントはものすごい勢いで流れてて、おばあちゃんの目ではとらえきれない。
 実際何がなんだかわかってない。そんなことを思ってると、テレビがものすごく強い光を発しだした。そしていつの間にかそれが収まってた。
 
「何だったのかしら?」
「でも、都会は大変そうでしょ?」
「そう……ね。あら、もうこんな時間。そろそろ帰るわね」
「うん、またね。お野菜ありがとう」
 
 そんなやり取りをしておばあちゃんは家に帰っていった。その夜だった。夜中に目が覚めたおばあちゃんはトイレに行こうとした。
 寝ぼけてたからトイレの便器の前に行くまで気づかなかった。なんかトイレの洋式トイレ(リフォーム済み)がといつもよりも高く見えたのだ。勿論いつもは便器を見下げてる。
 大体はそうだろう。けどその時は、おばあちゃんは便器を見上げてた。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿