今週は・・ちょっと趣を変えまして。
久々の1/35、ミリタリーフィギュアです。 と、言っても・・単なる兵隊さんのミリタリーフィギュアじゃないのは
当ブログの御約束で・・・Made in イタリーは「Royal Model」製。「PIN-UP PILOT(ピンナップパイロット)」です。
メーカー・製品共に、当ブログ初お目見えの御色気女子フィギュアとなりますが
「ノーズアート」と俗に呼ばれる、爆撃機や戦闘機の主に機首に描かれたマスコットガールのイラストを
そのまま立体化した物です。
Made in イタリー故、ちょっと身構えてから製作に入りましたが、意外と? 精緻な製品で
国産品と遜色ない感覚で製作できるのは、誠に喜ばしい事であります。
大きさはコンナ感じ。 H=60mm・L=50mm・W=40mm・・位?
キットには「爆撃機」?の「エンジンナセル」と思しき、レジン製の台座とデカールが付属していて
この辺りも・・・Made in イタリーらしからぬ気の利き様です。
この・・エンジン。 勿論、オネーちゃんの所属は「アメリカ陸軍航空隊」なんで
多分・・Bの17~29番辺りのドレか何でしょうけど、これだけで機種の特定出来る人居ます?
もし判る人居たら教えてください!
* 訂正です! 読者の方より早速、御教授頂きました!
B(ボマー)じゃ有りません! ヤーボでした! Pの47番のDでした。
「コんなの、解る奴なんてキット居ないべ」と思って書きましたが。
判る人には判るんですねェ・・・浅はかでした・・降参です。
イタリア~ノもなかなかヤりますね・・現存機のマーキングだったんですね。
(英語からっきしなんで・・詳しい事は解らず・・・と言うか・・読めず。)
詳しく知りたい人は”Jacky's Revenge”でググってね。
しかし・・・コレがBomberじゃないという事は・・以下の記事。そのものの意義すら
危うくなるような気もしなくは有りませんが・・・マァ、いいことにしといてくださいまし。
さて・・・日本人にとっての「Bomber(爆撃機)」と言えば・・ヤッパリ「B29」辺りが筆頭と思われますが
WWⅡ末期。 同じ枢軸軍として戦ったあの「第三帝国」も日本同様、「連合国軍」による容赦ない
「戦略爆撃」の業火に晒されます。
ア゛ッ! この辺からは「ミリオタ」の章です、無意味に長いんで興味無い方はパス! お勧めです。
「戦略爆撃」・・又は「無差別爆撃」とも言われる「大規模爆撃戦術」・・それは・・
WW1当時は「蚊トンボ」のごとしだった「航空機」が、人々の想像を遥かに超えた
進化と攻撃能力を得ただけでなく・・その数もまた・・想像を絶する物であり。
開戦初頭に自らが「航空機」の潜在能力を世界に指し示したはずの
「枢軸軍」首脳部すら想像し得ないほどに・・・次元の違う代物でした。
「今度こそは、ドイツ野郎をグウの音も出ないほど・・」と目論むイギリスが弾いた
より効率よく空爆を行う為の、一回当たりの要爆撃機数は1000機!
ドイツ空軍の防空能力を超える爆撃機を一度に投入する事で、爆撃効果の増大と
自軍の損害低減を狙った、俗に「飽和攻撃」と言うヤツです。
「ミレニアム(1000年)」と名付けられた、その戦術は42年中期の「ケルン」を皮切りに
ドイツ各都市を次々と瓦礫と化していきます。 一応、軍事関連施設の有る都市を
優先に・・・と言う「民主主義国家」らしき極々微量の配慮も見受けられますが
「どーせ狙ったって当たんないんで!」 いっその事「街ごと」?・・てっ言うか・・
ハッキリ言って・・「そこに居る人ごと」?・・・「燃してしまおう! 思います!」の
基本理念は・・・全く以って揺るぎません!
そんな中でも、特に有名なのが冒頭の「ケルン」に「ハンブルグ」そして「ドレスデン」・・・
そして・・「東京3・10」辺りでしょうか。
因みに、「空襲」と聞くと、日本が一番被害を受けた・・と思われる方も多いと思いますが
WW2に於ける「都市爆撃」で投下された「爆弾投下量」を独・日で比較すると
日本=15万t (犠牲者数30万人位)
ドイツ=160万t (犠牲者数70万人位)・・・と、言われていまして
極単純な数値上での比較とは言え、落とされた「爆弾」の目方だけで言えば・・
ドイツは日本の十倍の苦渋を強いられた・・と言う事になるかもしれません。
そんな中でも、特に被害甚大で有名なのが上記の三都市・・と言う事になります。
時期も規模も違いは有れど、それらに対する爆撃は計画段階からヤル気満々で
爆弾の種類や攻撃手法に至るまで、各都市に合わせた・・言わば「特別仕様」でした。
その甲斐あってか? 街の各所で起きた火災は次第に成長し、やがて一つとなり。
その巨大な火柱は周囲の空気を激しく取り込みながら、竜巻にも似た突風を伴う・・
「火災旋風」と呼ばれる現象を引き起こします・・・そして・・
1000°Cを超えたと言われる、その突風が街の至る所で吹き荒れると・・
人や木々が、燃えながら宙を舞う・・安いホラー映画張りの光景が、至る処に現出します。
参考までに、これら三都市の爆撃状況は・・・
ハンブルグ~1943・7/24~8/3 爆撃回数5 参加機延数2850 投下弾量9100t 死者5万前後
東京~ 1944・3/10 爆撃回数1 参加機延数320 投下弾量1530t 死者8万~10万前後
ドレスデン~1945・2/13~14 爆撃回数3 参加機延数1100 投下弾量5000t 死者3万~13万?
広島~ 1945・8/6 爆撃回数1 参加機延数 1 投下弾量 5t(一発) 死者9万~16万
長崎~ 1945・8/9 爆撃回数1 参加機延数 1 投下弾量 5t(一発) 死者7万~8万
「ハンブルグ空爆」は大戦中期に実行された「大規模爆撃」の一つですが
~ドイツ野郎の街づくりを考慮して、通常爆弾等で屋根引っぺがしてから
焼夷弾ばら撒いて、焼け野原にしちまいましょう!~ の基本戦術を確立したモデルケース
とも言えるもので、「爆撃日程・参加機数・投下弾数」の、何れも気合の入れようが違う上に
通常弾・焼夷弾と・・仕上げは爆撃後の救助・消防活動の阻害を狙った「時限爆弾」を・・。
と言う、誠に陰湿なシーケンスをも確立させると共に「火災旋風」が初めて確認された事から
以後、それを「ハンブルグ効果」とも言わしめた・・本物の「焦土爆撃」でした。
その惨状をして、ナチ首脳部に「戦争継続の可否」を問うほどの衝撃を与えますが・・
あのヒトラーも・・まさか・・一応、民主主義の国「イギリス&アメリカ」が
此処までやるとは(出来るとは)思ってなかったのかもしれませんね。
そして・・「東京」は・・・「爆撃日程・参加機数・投下弾数」に比して
異様に多い「死者数」が不気味ですが・・これまた日本家屋と東京の街造りを念頭に
企画・立案された「焼夷弾」中心の爆撃戦術の成果? と・・・いう事でしょうか。
「ドレスデン」・・は、日付を見て頂いても分かる通り、殆どドイツの負けが確定していた
時期に、それこそ「軍事施設」も殆ど無い「無防備都市」とも言える所を狙った・・
ある意味で・・「趣味と戦争にだけは本気になる」とも言われる「イギリス紳士」の
気概が垣間見える物? で・・有り。
日本の京都同様、「古く貴重な街並みを今に残す古都」だから・・「空爆されねんじゃね?」との
甘い期待を抱く、多くの難民等で溢れかえっていた事も手伝い、惨事に拍車がかかります。
現在は、当時の埋葬遺体実数を基にした犠牲者数、推定2万5千~3万5千・・が
妥当でないべか? と言われる死者数も・・
当時、人口65万のドレスデンに、「安全神話」に釣られた20~30万もの避難民が溢れていた事。
東京大空襲と同じく、何故か空襲当日は警報が発令されなかった事。
「空爆されねんじゃね?」と思っていたのは軍も同様で、迎撃は無いも同然だった事。 に加え
単位時間当たりの投弾量と密度はハンブルグを上回り、着弾密度に至っては
あくまで計算上の数値とは言え、5㎡に一発との説も有ったりします。
マァ・・5㎡とは、大まかに三畳間の部屋に一発って事ですから・・
いくらなんでも、「そりゃ~ないしょ?」 と思うんですが・・・
当時の標準的「通常爆弾」500ポンド(225kg)爆弾の高致死加害半径は
50m内外、致傷加害半径は100m以上と言われていますんで
5㎡どころか5m×5m=25㎡に一発としても・・もし・・
遮蔽物の無い状況で、その猛爆撃に晒された地域が有ったとしたなら・・
そこに居た人々は殆ど生き残れないだけでなく・・爆散・・つまり・・・
文字通り「木端微塵」の憂き目に逢う公算も高い・・と考えられます。
「東京3・10」の場合は、焼夷弾主体の爆撃で有るのと、木造家屋が大半を占めたことから
黒焦げになろうと何であろうと、「人らしき物体」位は残ったでしょうが
「ドレスデン」では、それがレンガ造りの建物を吹き飛ばしながらの状況であり・・
爆風でコマ切れにされ、瓦礫に潰され・・挙句、業火に焼かれとなると・・・
それは・・「遺体も何もアンタ・・見つかんねんじゃね?」・・との事態も有りうるわけです。
更に、国内外から流入していた住民票も無い「避難民」達が、そういった悲劇に見舞われますと
「最初から、この世に存在しない?」 も同然で、調べようも無い訳です。
故に・・・「10万は下らんしょ?」 との説も今だ根強く、日本の「東京大空襲」同様
欧州各国で今だ語り継がれる、「ある小さな悲劇の記憶」。 なのかもしれません。
それから・・・比較の為、列記した「ヒロシマ・ナガサキ」ですが・・
その「被害」もさることながら、例えは悪いですが、その「コストパフォーマンス」には
改めて驚きを禁じ得ませんね・・・数千機・数万発分の仕事が、たった一発で済むんですから。
しかしこの・・・WW2に於ける「都市爆撃」の概略を見ると、ある事が透けて見えてきます。
それは・・「イギリス&アメリカ・・そしてドイツ」の「現実に向き合う能力」と言いますか・・
「臨機応変」さと言いますか・・合理的なんでしょうね・・きっと。
敵に打撃を与える為の手法の研究と立案を行い、その為に必要な資材や時間までもを
見積もり(しかも、それが結構正確!)・・・準備し・・それを実行する。
単純明快且つ当たり前の事ですが、戦争に限らず・・その、当たり前の事を
実行するのが、意外と難しかったりします。
「空爆」に関して言えば、飛行機・爆弾等は揃えた! あとは如何に目的地に
それを正確に落とすか? になる訳ですが。
彼等は決して、根性論や精神論で事を運びません。
「正確に落とせないから、絨毯爆撃」を実行したんですが、それとて闇雲に
落とした訳ではありませんでした。
爆撃機編隊を目的地に導く「電波誘導装置」や「対地・対空」の各種レーダーを
実用・改良し次々と発展させ・・「目標都市」を焼払う為に・・
「宿敵」ドイツとの技術戦争にも競り勝っていきます。
しかし・・ドイツも然る者で、「ジェット&ロケット戦闘機」「弾道ミサイル」・・果ては
「誘導ミサイル&爆弾」らしき物まで、実戦運用して見せます。
同じ頃・・・彼の国の空は「国を想う若者達」の「気概」に一縷の望みを賭けた、絶望的戦術を持って
一矢報いる事を本気で実行します。
場所は違えども、同じ時間軸を共に闘った「ドイツの空」と「日本の空」は・・・
正に・・技術と・・・そして、思想の次元が違っていたのです。
最近・・・何かと「右寄り」の方々が、「当時の日本の国情と、その効果を鑑みた時、特攻をせずとの判断は無い」等々。
とかく「特攻戦術」の・・果ては「先の大戦の意義」その物の、正当化と美化に勤しむ潮流が見受けられますが・・・
今更そりゃ~無いべさ? と思う事も有ったりします。
エロ親父の「戦争考察」の巻き! でした。 (長すぎて自分でも書くの嫌になっただけ! との説も有り)