当ブログ開設時に、プラモ趣味人の関心度No1と言う事で書かせて頂いた「エアブラシ考察」。
あれから1年と少々、今だ根強くアクセス頂く事も多く、やはり関心の高さが窺い知れます。
あれから我、塗装中隊の装備更新も進み、現状戦力的にも満足できる規模となった事も有り
再度、使用感等含めたレビューとして書いて見たいと思います。
先ずは現在の装備品ですが
全て「アネスト岩田」製品で統一してます。
先ずは一般的な重力式で、上段より
① ハイラインのHP-BH(0.2mm)1.5mlカップ固定式
② 同 HP-CH(0.3mm)7.0mlカップ固定式
③ 同 HP-TH(0.5mm)15又は30mlカップ交換式
④⑤ エクリプスのHP-BS(0.3mm)1.5mlカップ固定式 × 2本 の計 5本
次がモデラーには人気薄な吸い上げ式で
⑥ ハイパフォーマンスプラスのHP-BC2(0.4mm)純正20mlガラスボトル付き
⑦ エクリプスの HP-BCS(0.5mm)純正28mlプラボトル付き
⑧ 同じくエクリプスの HP-BCS(0.5mm)自作クレオススペアボトル付き
あーそれと写真撮り忘れましたが、殆どエアダスター専用になっている
クレオス プロコンボーイ0.5mmを含めると 合計 9本となっています。
「いくらなんでも、そんなにいらんべ?」との声も聞こえそうですが
確かに、もう少し整理すれば本数は減らせそうですが
その辺の詳しい事情は後述します。
前回あれだけプッシュしておりましたハイコストパフォーマー「MX2900」ですが
一時、2本が主戦力として稼働しておりましたが、塗料粒子の不均一性の
問題も有り、仕上げ塗装時に使えない事から退役、現状⑥⑧にその座を譲って
おります。 次にそれらを稼働させるエア回路ですが
コンプレッサーはIS925(12リットルサブタンク付き)
サブタンク前に水セパレーター、レギュレーター前にも
水セパレーター&ダストキャッチャー装備は以前同様で、空圧回路は
一番レギュレーター経由 2回路
二番レギュレーター経由 2回路
直結レギュ無し 1回路 の計5回路ですが、そのうち一番・二番の
各一回路は2枚目画像の⑥⑧に常時接続としています。
残り三回路はワンタッチジョイント付きで、通常一番・二番に①~⑤と⑦の
何れかを適時に応じて使用、直結回路は基本エアダスト用ですが①②は
エアコントロール機能付きなので、状況により直結回路でも普通に使用できます。
と言う感じで通常4本、最大5本のエアブラシが同時使用可能となっています。
そんなに同時に使うか?と思われるかもしれませんが、フィギュア系を筆頭に
ミリタリー物、Ma.kオネーチャンなどは特に、ハイライト・ミドルトーン・シャドーの
三色同時はほぼ毎度、物により四色同時も有りなので結構使用頻度は高いです。
そして各個の主な用途と使用感ですが
汚くて見づらくて、スイマセン。
一応、エアブラシテストには付き物の「細吹きチェック」したつもりですが
管理人の使用環境下では、こんな限界領域の細吹きなんぞ滅多に無く
慣れて無い+老化による全身の常時震動も相まって
メーカー出荷時に付いてくるパターンテストの様には全くもって成りません。
痙攣持ちのオタクおやじがヤッたら、こうなるぐらいに見てください。
基本的なテストデータは以下の通り。
・使用塗料はクレオス No2光沢ブラックで統一、濃度は各個に合わせて調整。
・空圧は0.1Mpa~0.15Mpa付近で、こちらも各個に合わせて調整。
・一番上は比較用に、0.3mm製図用シャーペンで書いた線です。
パッと見、吹いた本人も驚くほど④⑤エクリリプスHP-BSの健闘が光ります。
確かに、この「エクリプスシリーズ」岩田製エアブラシのミドルラインに位置する製品ながら
他の製品とは異なるノズル構造を御持ちのようで、「粘度の高い塗料や
模型製作には最適」との謳い文句通り、塗料濃度や空圧に神経質にならずとも
それなりに吹けてしまうオールラウンダーと言う感じでしょうか。
ただ、それを言うと身も蓋も無い話になりますが、今回のテストは上記の通り
「ズボラなおやじ」が「各個に合わせて濃度、空圧を共に”適度”に調整」しながらの結果です。
諸条件がタマタマ④⑤のツボにはまった結果として見て頂ければ間違い無いと想われます。
日頃の使用感からも①HP-BHなんかは特に、濃度・圧の両セッティングが決まれば④⑤同様の
シャーペンもビックリ!のラインを書けますし、これは②も同様ですが「塗料粒子の微細化」に
関しては、やはりこの「ハイラインシリーズ」が一枚上手と感じます。但し逆説的には
「塗料粒子の微細化」に、それほど拘らなければ「エクリプス」で十分とも言えます。
次に管理人の全体的な使用状況ですが、主力はもう圧倒的に⑥⑧の「吸い上げ式コンビ」です。
前の記事でも力説した通り、洗浄不要なのでグレサフ・白サフ含めた主要色10色前後は
コレで吹きます。但しこれも前記事に書いた通り「色の数だけのスペアボトル」を用意する。
と言う条件付きにはなります。因みにもう一本の吸い上げ式⑦は各種クリア専用です。
次に出番が多いのは④⑤のエクリプスコンビです、1.5mlの小カップモデルですが
それ故の洗いやすさと、大型モデルは余り制作しない環境も有り、結構これで事足ります。
次が最も一般的な②の7mlカップ 0.3mmですね。1/72・1/48飛行機系~1/24車系の
メインカラーはやはり、最低このクラスが必要になります。
あと①はココ一発の細吹き用、③は正直余り出番なし・・。といった感じです。
では、順に各個の詳細な使用感です。
① ハイラインのHP-BH(0.2mm)1.5mlカップ固定式
「ココ一発の細吹き&オネーチャンの顔仕上げ」が主な用途ですが
正直今回のテスト結果を見てエクリプスであそこまで追い込めるのなら要らんかも?
と思いました。ただ、塗料ミストの細かさとハイエンドクラス特有の仕上げの
良さからくると思われる洗浄のし易さは特筆もので、エクリプスの半分の労力
とは言いませんが、概ね2/3位の手間と時間で綺麗になります。これは②も同様です。
エアコントロール機能が有るので、ヤル気になればレギュ無で使えるのも利点です。
その反面、口径のせいも有るでしょうが塗料濃度・空圧には神経質な感じが有ります。
適正な濃度・圧にしてやらないと、思う様な線やミストが吹けません。
圧は手元で直ぐ調整出来るので便利では有るんですが、存在意義は微妙ですね。
② ハイライン HP-CH(0.3mm)7.0mlカップ固定式
これは良いです! ①HP-BHの長所はそのままに、神経質な感じを削いで
エクリプスの良さをプラスした様に、コントロールのし易さ含め使用感は一番良好です。
③ ハイライン HP-TH(0.5mm)15又は30mlカップ交換式
うちの波動砲です、下手にトリガー引くと
画像の30mlカップの中身がアっと言う間に無くなります。
アっと思う間もなく部屋の中はドイツ軍に毒ガス攻撃されたみたくなります。
ウレタンで何回も此れやったら、きっと早く楽になれると想いました。
粒子の細かい缶スプレーだと思います。
1/24車の塗装なんかはアっという間に終わります。
平吹きノズルを使えばプロみたいな塗装ができると思って買いました。
でも世の中そんなに甘く有りませんでした。
ハッキリ言って使いこなせてないんです。
きっと将来何かの役に立つと思って持ってます。
カップはデカいし、交換式だし、とにかく掃除が面倒です。
④⑤ エクリプス HP-BS(0.3mm)1.5mlカップ固定式
コレはうちの軍馬です、良く働きます。
塗装面積に問題無ければ大抵、コレで済ませます。
前記した通り、多少ルーズなセッティングでも噴霧パターン・コントロール性共に
癖なく気軽に使え、尚且つ 今回テストで管理人も意外に思ったほど
細吹きもこなせますし値段的にも手頃です。
ハイラインには負けると書いた「塗料の微細化」能力もフィギュアの顔塗装に
拘りが有るとか、余程の事が無い限りは気にならないと思います。
ノズル周りの分解も多少は楽に出来ますし、これから岩田のエアブラシを揃えよう
と検討中の方はこのエクリプスシリーズ、お勧めです。
それとこれはエクリプスに限った話では無いですが、この1.5mlカップモデルの
掃除の手軽さは最高です。これ使うと一般的な7mlカップモデルの掃除が
苦痛になります。使用環境に合う方は、是非一度お試しを。
⑥ ハイパフォーマンスプラス HP-BC2(0.4mm)純正20mlガラスボトル付き
⑦ エクリプス HP-BCS(0.5mm)純正28mlプラボトル付き
⑧ エクリプス HP-BCS(0.5mm)自作クレオススペアボトル付き
3本とも似たような性能・仕様なので、まとめて書きます。
モデラーには、割と不人気と想われる「吸上げ式」ですが使い様によっては
こんな便利な物は有りません。(理由は先ほど書いたので省略)
コントロール性も良く、口径の大きさも相まって各種セッティングも楽チンです。
ネックは高額なスペアボトルを多数揃える必要が有る事、
塗料のロスが若干増える事ですが、費用を少しでも抑えたい方は前にも書いた
自作ボトルの制作をお勧めします。(⑧に付いてるヤツ)
作り方は割と簡単で、岩田の場合は外径5mmの真鍮パイプを用意します。
任意の長さにカットして、電動ドリルに噛ませまて回しながら良質なヤスリで
テーパー加工を施します。ここはトライ&エラーしかありません。
満足いく加工が得られたなら、ボトルフタ頂上部に当たると思われる個所を
潰れない程度に曲げます。最後に屈曲部にストッパー代わりのステン線等を
巻いてハンダで固定、あとはクレオスボトルなどにチョット小さめの穴をあけて
(極小空気穴も忘れずにネ)無理矢理ねじこんで完成です。
此れには費用対効果の外にも大きな利点が有ります。
塗料の入替(掃除含む)が簡単に出来る事です。純正ボトルは、この吸上げ管
が簡単に取れないので、掃除で完全に綺麗にするのは至難の業です。
故に結局、新品ボトルを使わざるを得ないという、吸上げ式がイマイチ不人気な
最大の理由と思われますが、自作品の場合は「パイプ引っこ抜く~
ボトル捨てる(元が塗料容器又はスペアボトルですから)~パイプ、シンナーに
沈めてやる~次の容器の蓋に穴開ける~パイプ、ぶっ差す)の要領で
非常に簡単且つ安価にボトル交換が行えます。
それと、話は変わりますがHP-BC2に付属のノズルキャップ「クラウンキャップ」
(コラーニなんかと同じヤツ)ですが、あれは駄目ですね。掃除大変ですもの・・
管理人は早々にHP-BH用のノズルキャップ(¥600位)に交換しました。
この「吸上げ式」、基本的に不人気なのでオークション等をマメにチェックすれば
新品や新同品が¥5000位で結構、入手出来ます。
うちの3本も皆、オークション経由で揃えましたから。
以上、誠に長くなりましたが岩田製エアブラシレビュー、終了です。
あ゛~疲れた、「岩田」に宣伝料貰わんとイカンな・・。