洋服を縫わない縫製工房

ミシンを使って、洋服以外で、できることは何でも挑戦!
薄物から、厚物、金属?関わったものを紹介します。

フォルクスワーゲン、ヴァナゴンの張替え

2021年10月22日 | ものづくり

地元、富士川町で輸入車と言えば、トラストオートさん

程度の良い、フォルクスワーゲンが入車して、知人の身内が購入

納車前に、7人乗りシートの張替え依頼をいただきました。

私のところは、基本的に、軒下渡しですので持ち込みで預かりました。

特に、ひどい破れなどは無いのですが、25年ほど前のクルマですので

使用感は否めません

しかし、国産車の25年落ちのシートより、基本素材の良さは十分感じることができます。

よって、今回は、シートウレタンから新たに型紙製作でなく、程度の良いパーツを

ピックアップして、生地に置きながら整合性を整えながら、複写しながら、型紙を製作しないで、

裁断していきます。

今回は、型紙の他に、パイピング仕様なので、約30㎜幅のスリットテープを

約40m切り出します。

また、指示されたメイン表皮は、大きなチェック柄で、7個がヘッドレスト、8個の

アームレストの小物も含めた柄合わせを慎重に配置して裁断します。

欧州車のワゴンの歴史に関心しながら、作業を進めます

とは言っても、現行の素材を使った質感、技法もあるので使える所は使っていきます。

特に、各座席、メインパーツは大切なので、高密度ウレタンを不織布で3層にして

キルティングの質感を上げて、パットフレームとの引き込みを深く、柄物でも

起伏感を感じることができるようにしました。

アームレストは、汚れが付きやすいので、チェック柄の薄色部分でなく

濃ブラウン部分を配置しました。

フロントシートの背面ポケット

流行りの、開口部に芯材を入れたもの、ネットの物など、色々と考えましたが

依頼者が希望した選定した表皮から想像して、忠実に元車の様にゴムギャザー式にしました。

前座席は、回転式で重く、スライドレールや、アームレストの組付けなど

すべてイジリボルトで取り付けてありました。

2列目、3列目のシートも、25年も前から・・・と思うほど考えてあって

シート裏も手抜きできない組み立てになっています

 

張ったすべてのシートを並べてみました

特に図面や指示があったわけではないのですが、何とか柄が揃ったと思います

今回は、依頼の方とトラストオートさんと話がついていましたので、

納車前の整備点検、磨き上げなどの間に張替え、トラストさんへシートを納品させていただきました。

今週、納車と聞き、シートが取り付けられたヴァナゴンを見に行ってきました。

事前に、見に行った時とは見違えるように仕上がっていました。

内装、外装のクリーニングはもちろん、レトロなホール、ナルディの細めのウッドの

ステアリングにと、オシャレなものに交換されていました

飾ってヨシ、眺めてヨシ、乗ってヨシ

ご機嫌な車になったと思います。どこかですれ違ったら、思いっきり手を振りたいと

思います

 


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