春日井建は、
高名な歌人である。
昭和33年、歌集「未成年」で一躍有名になった。
この歌集には、三島由紀夫が
序文を寄せ、
「現代の定家」と激賞した。
岡井隆、塚本邦雄等とともに、
時代の寵児となり、
2004年、65歳で逝去するまでに、
9冊の歌集を出版している。
歌風は、独特で、
孤独、死を含む歌、
虚構性の高い歌が多い。
今回は、
処女短歌集
「未青年」
から、
4首を抽出してみる。
ことに、
第4首は、代表作のひとつと言われている。
‥‥‥
大空の斬首ののちの静もりか没ちし日輪がのこすむらさき
空の美貌を怖れて泣きし幼児期より泡立つ声のしたたるわたし
太陽が欲しくて父を怒らせし日よりむなしきものばかり恋ふ
童貞のするどき指に房もげば葡萄のみどりしたたるばかり
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