鳥居の歌
……
副作用に侵されながら米を研ぎ、とぎつつ呻くあの人は母
鳥居の母は、彼女が11歳のとき、自死した。
鳥居は、母を愛しつつも憎むという自己矛盾に苦しむ。
母は、精神科の薬を飲んでいたのである。
副作用もあるが、飲んだほうが良い。
あるとき、母は、薬を飲まなくなり、
結果として、自死した。
鳥居は、生涯、母の歌を詠い続けるであろう。
ひとつめの「研ぐ」と
ふたつめの「とぐ」が
対照的である。
ひとつめ「研ぐ」は、固く、厳しい。
では、
ふたつめの「とぐ」は、
なぜ、ひらかなのだろうか。
そこからは、
副作用に苦しみつつも
それに打ち克とうとして、
鳥居のためにがんばっている
「やさしさ」がくみとれる。
周知のように、
鳥居は、今は立派な社会人として、
障害者、マイノリティの味方として活躍している。
自らも、抗精神薬を飲みながら。
精神障害をもっていても、
人は
立派に活躍できる。
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