若山牧水の妻、若山喜志子は、
文学に憧れて、国をでた。
24歳で牧水と結婚。
しかし、
喜志子40歳の時に牧水は死んでしまう。
よく知られているように、
牧水は旅と酒の歌人である。
死してしばらく、
酒のアルコールで、体が
腐らなかったという噂さえあった。
さて、
酒を飲む、
旅に出る、
無職だ、
という
牧水。
喜志子は40歳から80歳まで、
ひとりで
子どもを育てながら、生きる。
80歳に近くなって、
やっと酒の味がわかる「気がする」と歌う。
それが
第1首であり、
他の歌は、心の中の牧水の存在を感じさせる。
‥‥‥
ひとり出でて旅の宿りに啜りましし酒の味のこのごろ解る気がする
にこやかに酒煮ることが女らしきつとめかわれにさびしき夕ぐれ
酒煮るとわが立てば子も子の父も人かこむなり楽しき夜よ
酔へばとて酔ふほど君のさびしきに底ひもしらずわがまどうかな
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます