いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

あなたはどこで死にたいですか?~日野原重明さんを追って~

2018-07-31 19:36:31 | 健康
あなたは、青年でしょうか?
壮年でしょうか?
老年でしょうか?
 
あなたは、どこで死にたいですか?

「死ぬ」なんて縁起でもない、とおっしゃる方もあるでしょう。
しかし、「死」は必ずやってくるものです。
たとえ、まだ子供だとしても「死」は、あなたと隣り合わせかもしれません。

もうひとつ、お聞きしたいと思います。
次のどちらの「死」を選びたいですか?

①病院のベッドの上で、病院食だけを食べ、体じゅうパイプだらけになり、薬を大量に飲み、点滴をし、
 なんとか1日でも長く生きたい。
②自宅で、薬も最小限、点滴もパイプもなく、好きなものを食べ、愛する人にみとられながら死にたい。

わたしがとちらを選ぶかは、あえて申しません。

しかし、偉いお医者さんはいるもので、かつて104歳まで現役医師であった日野原重明さんは、
晩年②のような「死」を理想とされました。自宅でなければ、ホスピスで、モルヒネ等を使い、痛みの緩和をしなから。

今、そのような「看取り」をすべく、フル稼働で働いている在宅医療の女医さんがいらっしゃいます。
彼女がそう言っているわけではありません。
しかし、その姿は、わたしには、日野原重明さんと重なって見えます。
彼女の文章をここに引用します。
あなたなりの感想を聞かせてください。

……

「いつもの生活とそのなかでの静かな終わり」

暑い日が続いています。
お看取りも続きます。
今朝も静かに送らせていただきました。
お一人暮らしのまだ比較的お若い癌末期の方でした。
訪問看護さんが伺うと酸素の管が外れたまま横向きに寝たまま、静かに眠ったままお迎えがきた後でした。
お電話いただき10分ほどでかけつけると、ベッド横のローテーブルの上にはお皿にのったおつまみと缶チューハイが1缶。
TVがついたまま、電気もついたままでした。
もう冷たくなっておられましたので、おそらく0時前後でしょうか。
お顔はたいへんおだやかで、ただただ眠っておられるようでした。
訪問看護さんは優しくお声かけしながら、タンスから爽やかで若々しいお洋服を選んで身支度してくださいました。

先日、残された時間が短いかもしれないことをお話しいたしました。
予後予測をお話しした方が良いと思える場合と、話さない方が心穏やかであろう場合は確かにあります。
彼にはお話し致しました。
「病院の先生ははっきり言ってくれなかったから、ちゃんと聞けてよかった」
「先生と会えてよかった」

何をしたいかと問うと、ススキノに繰り出したいことと美味しいもの…と照れ笑い。

「お酒飲んでよいのかい?」
ここは、ご自宅ですからどうぞどうぞ。
 
缶チューハイとおつまみ食べて、ゴロンと横になったままほろ酔いで旅立たれました。

世間一般には孤独死と呼ばれる姿かもしれません。
孤独死は、寂しい悲しい末路のように語られますが、私には不幸せな姿には見えませんでした。

お疲れさまでした。
合掌。

……

これが、彼女の語ったことです。
あなたの感想はいかがですか?

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