春の到来で、日々めざましく変化している庭の、『庭だより』。
『木々編』に引き続き、今回は『草花編』です*
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スミレ①
わが家のスミレの多くは、敷地内のいずれかにひとり生えしたもの。
それを見つけるたびに、そうっと掘り上げて、『スミレゾーン』と名付けたスペースに移植しています。
なので、詳しい品種名が分からないものがほとんどなのですが…
これはほのかな芳香があるので、『ノジスミレ(野地菫)』かなぁと推察しています。
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現在のスミレゾーン。
これからまだまだいろんな種類が咲いて、地面がスミレで埋まってゆきます*
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スミレ②
こちらはタチツボスミレの仲間かとは思うのですが…うーん、なんだろう。
近いのは、『ナガバノタチツボスミレ(長葉の立坪菫)』あたりかしら。
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ウスベニヒゴスミレ(薄紅肥後菫)
これは園芸品種。
ヒゴスミレが好きなので、大切に育てています。
清涼感のある、甘やかなよい香りがするんですよ*
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エイザンスミレ(叡山菫)
ずいぶん昔に祖父から貰って育てていたものの子孫が、こぼれ種でスミレゾーンにひとり生え。
たった一輪ではありますが、紅い花の存在感ってすごい。
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クリスマスローズ 『ニゲル』
(背後の赤紫色の花は、また別のクリスマスローズです)
何が悪かったのか、今年は咲き出すのがほんとうに遅くて、心配しました。
花もかなり小ぶりです。
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そのニゲルが、時と共に色を変えて。
これがこの原種系クリスマスローズの特徴です。
おもしろいですよね。
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祖父の形見のクリスマスローズ。
形見分けされたときには苗がまだ幼くて、どんな花が咲くのかわかりませんでした。
それが今年、開きました*
スポットの無い、大ぶりなシングルの花。
黒味を含む深みのある赤が、シックで素敵です。
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こちらは、庭を作ったときからある、クリスマスローズ。
元は今年で10年目の株なのですが、その周囲にこぼれ種のこどもがどんどん増えて、今やちょっとした『クリスマスローズの茂み』となっています。
クリスマスローズってね、芽が出てから開花に至るまでの時間がとてもかかるので苗のお値段はそこそこしますけれど、育ってしまえばほとんど手がかからなくて、簡単。
いろんなかたちの花はそれぞれ見ごたえがあるし、葉の茂り具合もきれいだし、虫もほぼつかないしで、園芸ビギナーさんにこそ是非育ててみてほしい宿根草です。
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スイセン(水仙)
植えっぱなしの2年目の球根なのに、大きくよく咲きました。
ちなみにこれは、母が植えたもの。
母は洋ズイセン派、私は日本ズイセン派なんです(笑)
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チューリップ 『トルケスタニカ』
早咲きの原種系チューリップです。
花は小ぶりだけれど枝咲きなので、これからにぎやかになっていきそう*
ちなみにここは、昨秋初めての試みとして作った、『ワスレナグサの苑』。
まもなく小さな青い海が誕生するはずなのですが…さてどうなりますか。
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ワイルドストロベリー
昨年の夏、たくさんの実が穫れて、ひと瓶のジャムをつくりました。
一般のいちごよりも香り高く、そしてその名の通りに野性味もあるそれが隣家の母に好評で、「もっと食べたかった…!」と事あるごとに言われます。
なので、今年は株数を倍に増やして、願わくばもうひと瓶!と欲をかいてみました(笑)
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タイツリソウ(鯛釣り草)
『ケマンソウ(華鬘草)』とも呼ばれますが、私は断然『タイツリソウ』派。
だって、このかたち!
えべっさん(恵比寿天)が手にしておわす、“鯛”(と釣り竿)そのものですよね!
ちなみに、この春、白花も植えました。
縁起を担いだつもりは特にないのですが、紅白の“鯛”がそろったら、きっとめでたくて楽しい景色になるだろうなぁ(笑)
そして最後は、前回の『木々編』に入れ忘れていたものを。
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ウグイスカグラ(鶯神楽)
ちょっと珍しい、白花です。(よく見られるのは赤い花)
とある道の駅でたまたまみつけた、手のひらサイズの苗(たぶん盆栽用)を鉢で大きくしたのですが、鉢植えの限界なのか、花はこうしてたくさん咲くものの、結実するには至りません。
透明感のある、宝石のようなオレンジ色の甘い実がなるのですが…それを見たのは一度きり。
ううう、悲しい…
*
コロナ禍のこの一年で、庭や植物への向き合いかたが少し変わりました。
感染症を徹底的に避けて暮らす中で、自宅での時間が圧倒的に増え、『外』で使っていた時間やお金を『内』にかけるように。
そこで、いままでアイディアはあったものの、手を付けられずにいたことを実行してみたり、「私にはまだ分不相応かも…」と手元に迎えるのをためらっていた植物をお取り寄せして、育て始めてみたり。
もうひとりの庭のあるじである母とふたりで庭木の剪定本を読みこんだりもしましたし、「これはもうダメかも…」と半ば諦めかけていた瀕死の古い木を、なんとか治療して復活させたりもしました。
いかんせん、自宅での時間だけはたーっぷりあるので、庭や植物への観察が自然と行き届き、気づきの多い日々でした。
そしてそれは、今なお継続中。
この春も、庭との付き合いの濃い毎日となりそうです。