Henri Poincare(アンリ・プワンキャレ、1854-1912)は、
トポロジーを数学のいち分野として確立した人物である。そして、
「単連結な3次元閉多様体は3次元球面に同相だろう」
といういわゆるポアンカレ予想を残した数学者として知られる。
数学オタクだった父とは正反対に数学オンチで
フェルメールとセルベールの違いすら判ってない拙脳なる私には
その意味はさっぱり解らないが、ごくごく簡単にいえば、
「3次元物体に伸縮は自在な手錠をかけたとしたら、
その手錠を引っぱっただけでツルンとはずすことができるのは、
その物体が球形*のときだけのはず」
ということらしい。
(*この場合の球とは位相的に球であって、
鉛筆でも、サイコロでも、フライパンでも同じことである。
反対にそうでないのは、ドーナツ、クラインの壷など、
7つの形態がある)
一般化されたポアンカレ予想は、実は
5次元以上の場合が1960年に解決された。そして、
4次元の場合も1982年に解決された。が、
そもそもの3次元のだけが未解決だったのである。
2000年には米国のクレイ数学研究所が7大未解決問題のひとつとして
賞金100万ドルの懸賞金をかかげた。それほど、
解けにくいと思われてたのわけである。
プアンキャレはNancy(ナンスィ)というフランスのロレーヌ地方の出身である。
従兄弟にはやはりロレーヌ地方出身で第三共和制下
(第1次世界大戦時)大統領を務めたレモン・プワンキャレ、
いわゆるレーモン・ポアンカレがいる。
ロレーヌというところはドイツとの帰属で揺れてきた地方である。
ポアンカレの先祖はバイエルン王国の臣下だったともいわれる。ともあれ、
Poincareという綴りは、
poing(拳)+carre(四角形、方形)=握りこぶし、鉄拳
という意味のようである。つまり、
腕っぷしの強い男が先祖にいたということである。ところで、
浮世絵師石川豊信の倅で父からは宿屋も受け継いだのでそれを狂名とした
石川雅望(=宿屋飯盛)の狂歌に、
[金を手に、握りこぶしで、我があだの、貧乏神の、つらをはりたや]
というものがある。
いつも貧乏だから金子を手にした握りこぶしで
自分の仇のような貧乏神の頬を引っぱたきたいものだ、
という他愛もないものだが、アンリ・プワンキャレの問題提起から
100年経つ直前の2002年乃至2003年にソ連生まれのロシア人数学者
Григорий Перельман(グリゴーリィ・ピリェーリマン、
いわゆるペレリマン、1966-)によって解決されたという。が、
ラスプーチンよりも異様な風貌のこの数学者は、
この予想に懸けられてた賞金もフィールズ賞も辞退して、仕事も辞め、
現在は年金暮らしの母親のアパートにやっかいになってるという。
Перельманという名のперель(ピリェーリ)という語は、
水が容器に注がれすぎると溢れる。それによって、
中身が入れ替わる。あるいは、
もとの水はそれまでおさまってた容器から出て
別の場所に移動する。
というような意味を持つ。
ポアンカレ予想という世紀の難問を、トポロジーの側面からでない方法で解いた
いわゆるペレリマンは、それまでの人格も生活も変え、
年金暮らしの母親のもとに身を寄せてすねをかじるという、
世間から隔離された世界に引き籠もってしまったのである。
先日、わずかばかりの煎餅焼きの仕事から足を洗い、
母親の金で暮らしてる私も同じだが、私には
数学の大問題を解き明かすような頭がないのが大違いである。
トポロジーを数学のいち分野として確立した人物である。そして、
「単連結な3次元閉多様体は3次元球面に同相だろう」
といういわゆるポアンカレ予想を残した数学者として知られる。
数学オタクだった父とは正反対に数学オンチで
フェルメールとセルベールの違いすら判ってない拙脳なる私には
その意味はさっぱり解らないが、ごくごく簡単にいえば、
「3次元物体に伸縮は自在な手錠をかけたとしたら、
その手錠を引っぱっただけでツルンとはずすことができるのは、
その物体が球形*のときだけのはず」
ということらしい。
(*この場合の球とは位相的に球であって、
鉛筆でも、サイコロでも、フライパンでも同じことである。
反対にそうでないのは、ドーナツ、クラインの壷など、
7つの形態がある)
一般化されたポアンカレ予想は、実は
5次元以上の場合が1960年に解決された。そして、
4次元の場合も1982年に解決された。が、
そもそもの3次元のだけが未解決だったのである。
2000年には米国のクレイ数学研究所が7大未解決問題のひとつとして
賞金100万ドルの懸賞金をかかげた。それほど、
解けにくいと思われてたのわけである。
プアンキャレはNancy(ナンスィ)というフランスのロレーヌ地方の出身である。
従兄弟にはやはりロレーヌ地方出身で第三共和制下
(第1次世界大戦時)大統領を務めたレモン・プワンキャレ、
いわゆるレーモン・ポアンカレがいる。
ロレーヌというところはドイツとの帰属で揺れてきた地方である。
ポアンカレの先祖はバイエルン王国の臣下だったともいわれる。ともあれ、
Poincareという綴りは、
poing(拳)+carre(四角形、方形)=握りこぶし、鉄拳
という意味のようである。つまり、
腕っぷしの強い男が先祖にいたということである。ところで、
浮世絵師石川豊信の倅で父からは宿屋も受け継いだのでそれを狂名とした
石川雅望(=宿屋飯盛)の狂歌に、
[金を手に、握りこぶしで、我があだの、貧乏神の、つらをはりたや]
というものがある。
いつも貧乏だから金子を手にした握りこぶしで
自分の仇のような貧乏神の頬を引っぱたきたいものだ、
という他愛もないものだが、アンリ・プワンキャレの問題提起から
100年経つ直前の2002年乃至2003年にソ連生まれのロシア人数学者
Григорий Перельман(グリゴーリィ・ピリェーリマン、
いわゆるペレリマン、1966-)によって解決されたという。が、
ラスプーチンよりも異様な風貌のこの数学者は、
この予想に懸けられてた賞金もフィールズ賞も辞退して、仕事も辞め、
現在は年金暮らしの母親のアパートにやっかいになってるという。
Перельманという名のперель(ピリェーリ)という語は、
水が容器に注がれすぎると溢れる。それによって、
中身が入れ替わる。あるいは、
もとの水はそれまでおさまってた容器から出て
別の場所に移動する。
というような意味を持つ。
ポアンカレ予想という世紀の難問を、トポロジーの側面からでない方法で解いた
いわゆるペレリマンは、それまでの人格も生活も変え、
年金暮らしの母親のもとに身を寄せてすねをかじるという、
世間から隔離された世界に引き籠もってしまったのである。
先日、わずかばかりの煎餅焼きの仕事から足を洗い、
母親の金で暮らしてる私も同じだが、私には
数学の大問題を解き明かすような頭がないのが大違いである。
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