チャイコフスキー 眠れる森の美女
ヴァンクーヴァー・オリンピックが始まった。
オリンピックのいいところは、世界各国の
美人が見れるころである。運動能力に秀でたアスリートは
見てくれもよくなる遺伝子を備えてることが多い。今回の
聖火の点火者のひとりは、スピード・スケイターだった
カトリーナ・ルメイ=ドーン女史だった。すでにアラフォーだが、
じつにいい。というか、ある種の、私のようなマニアには、
美人という範疇で捉えられる魅力を持つ。しかも、着実に
私が大好きなチョイデブ熟女への道を歩んでる感じで
なによりである。それはともあれ、
日本のTV局のリポーターにお笑い芸人の
はんにゃが選ばれてないのがどうしても解せないのは、
EXILEのAKIRAと香川照之の顔の区別がつかない
拙脳なる私だけだろうか。ちなみに、
香川照之は東大卒のインテリ俳優だが、その父親の
スーパーカブキ猿之助も慶大卒である。ときに、最近、
母が冬咲きの桜である啓翁桜の枝を部屋に飾ってる。かつて、
庭がある家に住んでた頃には、桜も梅も蝋梅も
無花果も柿も、庭じゅうをありとあらゆる
百花で植え尽くしてたが、歳をとって
都心のマンション暮らしがいちばんと言いだしたここ10年は、
ヴェランダに精選した植物を置いてる程度である。
城のバルコニーにお出ましの王と王妃、そして、
4箇国の王子たちを前に、領民らがワルツを踊る。
ファゴット2管のユニゾンとオクターヴ下のコントラバスによる
**♪ド(ーー)│>ソ(ーー)│<ド(ーー)│>ソ(ーー)♪
そして、コーラングレ、クラリネット2管、ホルン3管による
ワルツの2、3拍の伴奏に乗って、
両翼vnとそのオクターヴ下のヴィーオーラ&チェロのユニゾンが、
**♪【ドーー│>シーー│<ドー>ラ│<シ】<ド>ラ│
<シー、<レ│<ミー>♯ド│<レーー│ーーー│
<ソーー│>♯ファーー│>(N)ファー>レ│<ファ>ミ>レ│
<ラー>ソ│>ファー>ミ│ミ>レ<♯ド│<レ、>ラ<シ♪
という主要ワルツを奏する。このワルツの確保は、
**♪【ドーー│>シーー│<ドー>ラ│<シ】<ド>ラ│
<シー<レ│レー>♯ド│<レーー│『ーーー│
<ミー<ファ│ー<♯ファーー│<ラ(し)ー>ソ(ど)│ー<シ(み)ー│
<ド(ふぁ)ー>シ(み)│ー>ラ(し)ー│(***)
>ソ(ど)』●・>♯ファ(し)<ソ(ど)・<シ(み)>ラ(れ)│
>ソ(ど)>ミ(ら)・>レ(そ)<ミ(ら)・>レ(そ)>シ(み)│(>ソ(ど))♪
となる。後半はヘミオラ(3拍子中の2小節を2拍*3と刻むこと)となるが、
ここは第2ワルツへの導入部をも兼ねるように組み立てられ、
属調であるヘ長調に短期転調されてるのである。また、
『』の部分には、コルネット2管(+トランペット1管)による
オッブリガートが挿入される。
**♪『[f-a-c]ーー│[fis-a-c]ーー│[g-b-c]ーー│[(c)-a-c]ーー│
ー[f-c]ー│[f-d]ーー│[b-e]ーー│(***)[a-f]』♪
じつに小粋でお見事なオッブリガートである。この
オッブリガートがヘ長調への短期転調を裏打ちしてるのである。
ところで、この第6曲は、
「領民」が輪になって踊る、
というナンバーである。そして、この踊りから、
物語が「不幸に向けて」走り出す、
という鍵になってるのである。
それとまったく同じ構図だったのが、
「白鳥の湖」(第1幕)#8のポロネーズ、
「乾杯の踊り」である。
[テンポ・ディ・ポラッカ、3/4拍子]、
♪****ドーード・ドー>シー・<レ>ド>シ<ド|
>ソーーソ・ソー>♯ファー・<ラ>ソ>♯ファ<ソ|
>♯レー<ミー・>♯レー<ミー・<ラ>ソ>ファ>ミ|
<ファ、>ラ<シ<♯ド・<レ<ミ<ファ<ソ・<ラ<シ<♯ド<レ|
<ミーーミ・ミー>レー・<ミー>レー|
<ミー>シー・<レ>ド>シ>ラ・>ソー<ラー|
<【ドー>シー・<ドー>ラー・<シ(>ラ)>ソ<ラ】|
<シーー>ラ・>ソーーー・●●●●♪
「眠れる森の美女」(第1幕)#6のヴァルス同様、
【dies irae(ディエス・イレ)】が填めこまれてるのである。
この物語の主人公らが審判され、天国行きか地獄落ちか
仕分けされる日がやってきた、のである。といって、
レンホウやエダノは出てこない。ときに、
天国といえば、いま、テレ東の「アド街ック天国」で
「牛込神楽坂」をやってるが、15年くらい前は
版元のS社によく通ってたので、あのあたりは
打ち合わせとか飯で行った店がけっこうある。当時は
車の数が多かったので、渋滞の激しい地区だった。
今ではそれが幻だったかのように
スイスイ行けるほどである。それはともかく、
「乾杯の踊り」の調性は
「ホ長調=4♯」。この「眠れる森の美女」のヴァルスは
「変ロ長調=2♭」。5度圏概念では正反対の調である。
「白鳥の湖」はオデット姫もズィークリート王子も死ぬが、
「眠れる森の美女」では「ホ長調=4♯」のリラの精による
カラボスの呪い封じのお蔭で「イ長調=3♯」の
オーロラ姫は死なず、ただ眠るだけである。次曲で
成人したオーロラ姫が登場する場面で、
ハ長調からリラの精のホ長調(4♯)に引っ張られて
イ長調(3♯)に向かわせてることで、
チャイコフスキーがこの物語を正しく把握してたことが
見てとれる。ただし、
フィナーレのアポテオーズがト短調(2♭)であることで、
単なるメデタシメデタシのお噺ではないことも
チャイコフスキーはちきんと示してたのである。
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