チャイコフスキーのいわゆる「マンフレッド交響曲」は
4つの楽章から成る。その【第3楽章】は、
<Pastrale. Vie simple, libre et paisible des montagnards>
(パストラル。ヴィ・サンプル、リーブル・エ・ペズィーブル・デ・モンタニャル)
「(拙大意)牧歌。山人の自由で平穏な素朴な生活」
と題されてる。
死に場所を求めて彷徨ったあげく
崖から飛び降りて死のうとするマンフレッドだったが、
チロリアン・ハットの房飾り素材用の
シャモワ(カモシカの仲間)を撃つ狩人に助けられてしまう。
彼らの(学問や教養はないが)素朴な生活こそが救いかと思うものの、
城主で博学なマンフレッドには所詮そうした生活になじめなかった。
この楽章の主要主題は、
[アンダーンテ・コン・モート、付点四分音符=48、6/8拍子、1♯(ト長調)]
♪【ソーーーーー・ラーー、>ソ、>ファー、│>ミーーーーー・>レーーー、>ドー】│
<レーーー>ラー、・<ファーーーーー│ーーーー、>レー、・レーー、<ミ、<ファー│
<ソーーー>レー、・レーーーーー│ーーーー、レー、・レーー、<ファ<ラー、│
>ソーーーー・>レーーーーー♪
と、オーボエのソロで提示される。この主要主題は、
この楽章が"Pastrale(パストラル)"と名にし負うだけに、
偉大なるベートーヴェンの第6交響曲から採られてる。とはいえ、
終楽章である第5楽章の
"Hirtengesaenge(ヒアテンゲゼンゲ=牧童の歌々=牧歌)"
ではなく、その前の第4楽章
"Sturm(シュトアム=嵐)"の不穏な雨模様の主要動機である
♪●【ソ・<ラ>ソ・・>ファ>ミ・>レ>ド】│
>シ<ド・<レ<ミ・・<ファ<ソ・>ファ>ミ♪
なのである。ただし、
この動機もこの楽章の終いでは、
おもに2分音符に替えられて穏やかな曲想になってる。
ちなみに、
"Pastrale(パストラル)"ということでいえば、この楽章の
2つめの動機、
♪ソー・<ラーー、<シ<ミー│>ドーーー、<ソー・>ファーーー、<ソー│
>ミーー、>レ>ドー・<レーーーーー、│>ソーーー♪
(実質ロ長調)の下で、fis(階名ソ)をヴィオーラが、その
13度下(オクターヴ8度を法とする5度)をコントラバスが、
それぞれ通奏し、
4つめの動機、
♪ソ>ミ>ド(3連符)<レー、・<ミーー>ド<レー、<ソ>ミ>ド(3連符)│<レー♪
と(ト長調)クラリネットが吹奏する下で
ファゴットがgとその5度上のdをドローンとした音色で吹き続けてるのである。
ところで、
この♪【ソ<ラ>ソ>ファ>ミ>レ>ド】♪というパストラルな動機を
歌謡曲に採りいれたのが、ビートルズである。
"Norwegian Wood(ノーウィージアン・ウド=ノルウェイの木材)"
♪【ソーー・<ラ>ソ>ファ・・>ミーー・>レ(<ファ>ミ)│>ドーー】♪
黒人奴隷を含めた三角貿易で栄えた港町リヴァプールからすれば
ノルウェーはパストラルなのかもしれない。が、
木村藤子女史と大槻義彦のしゃべりかたと
そのときの目つきの違いが見分けれない
拙脳なる私の推測にすぎない。ともあれ、
この歌謡曲の拙大意は、こうである。
「昔、女をひっかけた(あるいは女が俺をひっかけた)ことがあった。
女は自分の部屋に俺を誘った。
ノルウェイ産の木材(オウシュウトウヒ。ノルウェイ・スプルース)を使った壁の安っぽい部屋だった。
女は俺に泊まってってとせがみ、どこにでも坐ってと言った。
で、俺は部屋を見まわしたんだが、椅子のひとつもなかった」
(中略)
「翌朝、俺がsexの誘いに応じなかったので女は俺を置いて
仕事に出てってしまってた」
"And when I awoke I was alone, this bird had flown."
(アンド・ウェナイ・アウォウク・アイ・ワズ・アロウン、ディス・バード・ハド・フロウン。)
の箇所である。
"had flown"というのは、抱いてもらえず恥をかかされた
ことからのトウヒというよりは逃避である。ともあれ、
最後はこう締めくくられる。
"So I lit a fire, isn't it good, Norwegian wood?"
(ソウ・アイ・リタ・ファイア、イズニト・グード、ノーウィージアン・ウド?)
「だから、火をつけてやったのさ。
何か悪いか? ノルウェイ産の安木材だったんだからよ」
つまり、
その女とsexするなんて
"No Way(ノウ・ウェイ=とんでもねぇよ)"だった、
という言いわけを掛けた下手なダジャレ(Norway、ノーウェイ)である。
少なくとも、女をナンパしたんだかされたんだかで
部屋まで着いてったんだから、たとえ
その夜のねぐらがなくてしかたなかってにせよ、
sexは想定内だったはずである。
それがなぜか体の関係がなくなったのは、女に、
「あたい、病気持ちで肌がかぶれてるけど、気にしないよね」
と言われたか、何かの思想かぶれだと判って
ドンビキしたからかどうかは、
ナタリー・ウッド女史と華原朋美女史の顔の判別がたまにできなくなる
拙脳なる私には推量できない。それはさておき、この
"Norwegian Wood"という歌謡曲のタイトルは日本では
「ノルウェーの森」
と誤訳された。その誤訳をそのままそっくり
誤訳と知らないで"小説"のタイトルとしたのがいた。だが、
それが"世界的ベスト・セラー"となったらしい。
"wood"は「木でできてるもの」を表す。ちなみに、
生えてるのは"tree"である。が、それが集まってると
"woods"で「森」となる。たしかに、
"wood"という"単数"で表されることもある。が、
スカンディネイヴィア半島に広く分布するような規模のものは
"woods"とは言わない。加えて、
ビートルズの歌謡曲の歌詞からも、
"ノルウェイの森"でないことが明らかなのは、
半沢なのになぜ「半返しだ!」と言わずに
「倍返しだ!」というのか、と訊くべきところを、
「仏壇返しだ!」と叫んでしまった、
拙脳でドギースタイルが好きなだけの私でも理解できる事柄である。
"Norwegian Wood"とは、英語で
"Norway spruce(ノーウェイ・スプルース)"と呼ばれる
「欧州トウヒ」のことである。
スカンディナヴィア半島やアルプスの山岳にくさるほど生えてる。
マカートニーはそのことをふまえて、
節にアルプスのマンフレッドからの引用を思いついたのかもしれない。もっとも、
東儀秀樹と沢村一樹の声を聞き分けれない
拙脳なる私の推測にすぎない。ともあれ、
欧州トウヒはイケアのような安っぽい家具の木材でもある。
北緯50度以北ではモミの木は育たないので、北の国々では
クリスマス・トゥリーとしてもこの欧州トウヒがモミの代用樹としても使われてる。
かように、
「欧州トウヒ」は雪ばっかりで太陽の陽を燦々と浴びれない地域を
生存地帯にして生き残った植物である。
都会での第一線の競争からトウヒして郊外に活路を見いだすのもまた
生き残るすべではある。
自給自足はそれなりに大変かもしれないが、また、
自分が生活してくだけなら充分なものだろう。
都会でない郊外では、羊ではないにしろ、
あるいは乳牛を"飼う"こともあるかもしれない。というより、
牛は羊と並んで家畜の代表格動物である。というわけで、
COWCOWの「あたりまえ体操(No Surprise Exercise)」(樋口太陽"作曲")にも、
ベートーヴェンの「田園交響曲」由来の
♪【ソ<ラ>ソ>ファ>ミ>レ>ド】♪動機が使われてる。
♪●ソ・ソ<ラ・・>ソ>ファ・>ミ>レ│>ド♪
(ベートーヴェン「田園交響曲」第4楽章「嵐」の動機、
チャイコフスキー「マンフレッド交響曲」第3楽章「牧歌」の主要主題、
ビートルズ「ノルウェイの木材」の節、
カウカウ「あたりまえ体操」の決めフレイズ、
を並べてみました。
https://soundcloud.com/kamomenoiwao-1/tchaikovsky-manfred-3rd-mov )
4つの楽章から成る。その【第3楽章】は、
<Pastrale. Vie simple, libre et paisible des montagnards>
(パストラル。ヴィ・サンプル、リーブル・エ・ペズィーブル・デ・モンタニャル)
「(拙大意)牧歌。山人の自由で平穏な素朴な生活」
と題されてる。
死に場所を求めて彷徨ったあげく
崖から飛び降りて死のうとするマンフレッドだったが、
チロリアン・ハットの房飾り素材用の
シャモワ(カモシカの仲間)を撃つ狩人に助けられてしまう。
彼らの(学問や教養はないが)素朴な生活こそが救いかと思うものの、
城主で博学なマンフレッドには所詮そうした生活になじめなかった。
この楽章の主要主題は、
[アンダーンテ・コン・モート、付点四分音符=48、6/8拍子、1♯(ト長調)]
♪【ソーーーーー・ラーー、>ソ、>ファー、│>ミーーーーー・>レーーー、>ドー】│
<レーーー>ラー、・<ファーーーーー│ーーーー、>レー、・レーー、<ミ、<ファー│
<ソーーー>レー、・レーーーーー│ーーーー、レー、・レーー、<ファ<ラー、│
>ソーーーー・>レーーーーー♪
と、オーボエのソロで提示される。この主要主題は、
この楽章が"Pastrale(パストラル)"と名にし負うだけに、
偉大なるベートーヴェンの第6交響曲から採られてる。とはいえ、
終楽章である第5楽章の
"Hirtengesaenge(ヒアテンゲゼンゲ=牧童の歌々=牧歌)"
ではなく、その前の第4楽章
"Sturm(シュトアム=嵐)"の不穏な雨模様の主要動機である
♪●【ソ・<ラ>ソ・・>ファ>ミ・>レ>ド】│
>シ<ド・<レ<ミ・・<ファ<ソ・>ファ>ミ♪
なのである。ただし、
この動機もこの楽章の終いでは、
おもに2分音符に替えられて穏やかな曲想になってる。
ちなみに、
"Pastrale(パストラル)"ということでいえば、この楽章の
2つめの動機、
♪ソー・<ラーー、<シ<ミー│>ドーーー、<ソー・>ファーーー、<ソー│
>ミーー、>レ>ドー・<レーーーーー、│>ソーーー♪
(実質ロ長調)の下で、fis(階名ソ)をヴィオーラが、その
13度下(オクターヴ8度を法とする5度)をコントラバスが、
それぞれ通奏し、
4つめの動機、
♪ソ>ミ>ド(3連符)<レー、・<ミーー>ド<レー、<ソ>ミ>ド(3連符)│<レー♪
と(ト長調)クラリネットが吹奏する下で
ファゴットがgとその5度上のdをドローンとした音色で吹き続けてるのである。
ところで、
この♪【ソ<ラ>ソ>ファ>ミ>レ>ド】♪というパストラルな動機を
歌謡曲に採りいれたのが、ビートルズである。
"Norwegian Wood(ノーウィージアン・ウド=ノルウェイの木材)"
♪【ソーー・<ラ>ソ>ファ・・>ミーー・>レ(<ファ>ミ)│>ドーー】♪
黒人奴隷を含めた三角貿易で栄えた港町リヴァプールからすれば
ノルウェーはパストラルなのかもしれない。が、
木村藤子女史と大槻義彦のしゃべりかたと
そのときの目つきの違いが見分けれない
拙脳なる私の推測にすぎない。ともあれ、
この歌謡曲の拙大意は、こうである。
「昔、女をひっかけた(あるいは女が俺をひっかけた)ことがあった。
女は自分の部屋に俺を誘った。
ノルウェイ産の木材(オウシュウトウヒ。ノルウェイ・スプルース)を使った壁の安っぽい部屋だった。
女は俺に泊まってってとせがみ、どこにでも坐ってと言った。
で、俺は部屋を見まわしたんだが、椅子のひとつもなかった」
(中略)
「翌朝、俺がsexの誘いに応じなかったので女は俺を置いて
仕事に出てってしまってた」
"And when I awoke I was alone, this bird had flown."
(アンド・ウェナイ・アウォウク・アイ・ワズ・アロウン、ディス・バード・ハド・フロウン。)
の箇所である。
"had flown"というのは、抱いてもらえず恥をかかされた
ことからのトウヒというよりは逃避である。ともあれ、
最後はこう締めくくられる。
"So I lit a fire, isn't it good, Norwegian wood?"
(ソウ・アイ・リタ・ファイア、イズニト・グード、ノーウィージアン・ウド?)
「だから、火をつけてやったのさ。
何か悪いか? ノルウェイ産の安木材だったんだからよ」
つまり、
その女とsexするなんて
"No Way(ノウ・ウェイ=とんでもねぇよ)"だった、
という言いわけを掛けた下手なダジャレ(Norway、ノーウェイ)である。
少なくとも、女をナンパしたんだかされたんだかで
部屋まで着いてったんだから、たとえ
その夜のねぐらがなくてしかたなかってにせよ、
sexは想定内だったはずである。
それがなぜか体の関係がなくなったのは、女に、
「あたい、病気持ちで肌がかぶれてるけど、気にしないよね」
と言われたか、何かの思想かぶれだと判って
ドンビキしたからかどうかは、
ナタリー・ウッド女史と華原朋美女史の顔の判別がたまにできなくなる
拙脳なる私には推量できない。それはさておき、この
"Norwegian Wood"という歌謡曲のタイトルは日本では
「ノルウェーの森」
と誤訳された。その誤訳をそのままそっくり
誤訳と知らないで"小説"のタイトルとしたのがいた。だが、
それが"世界的ベスト・セラー"となったらしい。
"wood"は「木でできてるもの」を表す。ちなみに、
生えてるのは"tree"である。が、それが集まってると
"woods"で「森」となる。たしかに、
"wood"という"単数"で表されることもある。が、
スカンディネイヴィア半島に広く分布するような規模のものは
"woods"とは言わない。加えて、
ビートルズの歌謡曲の歌詞からも、
"ノルウェイの森"でないことが明らかなのは、
半沢なのになぜ「半返しだ!」と言わずに
「倍返しだ!」というのか、と訊くべきところを、
「仏壇返しだ!」と叫んでしまった、
拙脳でドギースタイルが好きなだけの私でも理解できる事柄である。
"Norwegian Wood"とは、英語で
"Norway spruce(ノーウェイ・スプルース)"と呼ばれる
「欧州トウヒ」のことである。
スカンディナヴィア半島やアルプスの山岳にくさるほど生えてる。
マカートニーはそのことをふまえて、
節にアルプスのマンフレッドからの引用を思いついたのかもしれない。もっとも、
東儀秀樹と沢村一樹の声を聞き分けれない
拙脳なる私の推測にすぎない。ともあれ、
欧州トウヒはイケアのような安っぽい家具の木材でもある。
北緯50度以北ではモミの木は育たないので、北の国々では
クリスマス・トゥリーとしてもこの欧州トウヒがモミの代用樹としても使われてる。
かように、
「欧州トウヒ」は雪ばっかりで太陽の陽を燦々と浴びれない地域を
生存地帯にして生き残った植物である。
都会での第一線の競争からトウヒして郊外に活路を見いだすのもまた
生き残るすべではある。
自給自足はそれなりに大変かもしれないが、また、
自分が生活してくだけなら充分なものだろう。
都会でない郊外では、羊ではないにしろ、
あるいは乳牛を"飼う"こともあるかもしれない。というより、
牛は羊と並んで家畜の代表格動物である。というわけで、
COWCOWの「あたりまえ体操(No Surprise Exercise)」(樋口太陽"作曲")にも、
ベートーヴェンの「田園交響曲」由来の
♪【ソ<ラ>ソ>ファ>ミ>レ>ド】♪動機が使われてる。
♪●ソ・ソ<ラ・・>ソ>ファ・>ミ>レ│>ド♪
(ベートーヴェン「田園交響曲」第4楽章「嵐」の動機、
チャイコフスキー「マンフレッド交響曲」第3楽章「牧歌」の主要主題、
ビートルズ「ノルウェイの木材」の節、
カウカウ「あたりまえ体操」の決めフレイズ、
を並べてみました。
https://soundcloud.com/kamomenoiwao-1/tchaikovsky-manfred-3rd-mov )
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