チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「チャイコフスキーのロマンス"Средь шумного бала(騒がしい舞踏会の中で)"」

2009年07月26日 23時20分09秒 | toneナリノ曲ハヨク歌曲ウ歌謡曲ダ

チャイコフスキー 騒がしい舞踏会の中で


最近では、TBSが深夜にやってる「ビジネス・クリック」が
ミーハーオヤジな私の注目度大なTV番組である。といっても、
クリック・ガールのうち、私が好きなのはオスカーの
橋本愛実女史だけであるが。声が愛らしく、
スタイルは申し分ない。そして、なにより、
顔、その大きいけれど
度がすぎない程度の大きさの瞳が魅惑的である。

Алексей Константинович Толстой
(アリクスィェーィ・カンスタンチーナヴィチ・タルストーィ)という伯爵詩人の
無題の詩にチャイコフスキーが曲をつけたのが、
作品38の「6つのラマーンス」の第3曲である。
いくつかの媒体でこの詩が「訳されてる」のを
見ることができるが、その訳詞家が
ロシア語専門家であるなしにかかわらず、
とんでもない意訳・異訳がけっこう見受けられる。
「舞踏会のざわめきの中で」
なんていうタイトル訳もそのひとつである。そこで、
以下に私の逐語大意を記しておく。が、ときどき、
マイケル・ジャクスンとさかなクンの顔を区別できないときがある
拙脳な私が解するものなので、あらかじめ、
かなりの誤大意があるのは、いたしかたないことと、
悪しからず了承いただく。

"Средь шумного бала(騒がしい舞踏会の中で)"
(括弧内:拙カタカナ発音・拙逐語訳)

Средь шумного бала, случайно,
(スリェーチの中で・シュームナヴァ騒がしい・バーラ舞踏会、スルチャーィナ偶然、)
В тревоге мирской суеты,
(フの中で・トリェヴォーギェ雑踏・ミルスコーィ世間の・スイェティーせわしなさ)
Тебя я увидел, но тайна
(チビャー君を・ヤー私は・ウヴィヂェール見かけた、ノがしかし・ターィナ謎めいたものが)
Твои покрывала черты.
(トヴォイー君の・パクルィヴァーラ見えなくしてた・チェルティー顔を)

Лишь очи печально глядели,
(リーシのだが・オーチ瞳は・ペチャーリナ悲しげに・グリャヂェーリ見つめていた)
А голос так дивно звучал,
(アしかし・ゴーラス声は・ターク強調の副詞・ヂーヴナ美しく・ズヴチャール聞こえた)
Как звон отдаленной свирели,
(カークのように・ズヴォーヌ音・アトダリョーンナィ遠くから聞こえる・ズヴィリェーリ葦笛の)
Как моря играющий вал.
(カークのように・マリャー海・イグラーユシシィ踊ってる・ヴァール高波が)

Мне стан твой понравился тонкий
(ムニェ私には・スターヌ体が・トヴォーィ君の・パヌラーヴィルシャ気に入った・トーヌキィすらっとした)
И весь твой задумчивый вид,
(イそして・ヴィェーシ何よりも・トヴォーィ君の・ザドゥームチヴィィ物悲しげな・ヴィート顔つきが)
А смех твой, и грустный и звонкий,
(アだがしかし・スミェーフ笑い声が・トヴォーィ君の、イそして・グルースヌィ寂しげな・イかつ・ズボーンキィよく通る)
С тех пор в моем сердце звучит.
(スから・チェーフその・ポール時・ヴに・マイェーム私の・スィェールウツェ心・ズヴーチト響いてる)

В часы одинокие ночи
(フに・チャスイー時・アヂノーキエひとりぼちの・ノーチ夜)
Люблю я, усталый, прилечь
(リュブリュー好む・ヤー私は、ウスタールィィ疲れた、プリリェーチ・身を横たえる)
Я вижу печальные очи
(ヤー私は・ヴィージュ見える・ペチャーリヌィィ悲しげな・オーチ瞳を、)
Я слышу веселую речь
(ヤー私は・スルィーシュ聞こえる・ヴィショールユ明るい・リェーチ話し声を)

И грустно я так засыпаю,
(イそうして・グルーストナ悲しく・ヤー私は・タークこうして・ザスィーパユ砂を撒く(★))
И в грезах неведомых сплю
(イそうして・ヴの中で・グリョーザフ夢想・ニヴィェーダムィフ神秘的な・スプリュー眠る)
Люблю ли тебя, я не знаю,
(リュブリュー好きだと思ってる・リかどうか・チビャー君を、ヤー私は・ニない・ズナーユ解る)
Но кажется мне, что люблю!
(ノがやはり・カージェツァ思える・ムニェ私には、シトー~であると・リュブリュー好きだと思ってる)

(★)目に(エメラルドの)粉末を撒く→砂男/眠りの精→寝つく

[モデラート、3/8拍子、2♯(ロ短調)]
***♪ラー・ーー・>ラー│<シー・ーー・>シー│
 <<ミー・ーー・>ミー│<ラー・ーー・>ラー│
 <<ドー・ーー・>ドー│<♯ソー・ーー・>♯ソー│
 <ラー・ーー・●●│●●・●●♪
というpfの前奏に導かれる。このとき、pfのバスは、
***♪ラー・ーー・ーー│>♯ソー・ーー・ーー│>(N)ソー・ーー・ーー│
  >♯ファー・ーー・ーー│>(N)ファー・ーー・ーー│>ミー・ーー・ーー♪
というクロマティカルな下降で支える。
[con tristezza(コン・トリステッツァ=悲しみをたたえて)]
***♪【ミー│<ファー・<ソー・<ラー】│<シー・ーー・>ミー│
     ●●・●●・<ドー│>シー・ーー・>ミー│
     ●●・●●・ミー│<ラー・<シー・<ドー│
     <レー・>シー・>ラー│>ソー・ーー、ソー│
     >ファー・>ミー・>レー│<ラー・ーー・>ドー│
     ●●・●●・ドー│<ラー・ーー・>シー│
     ●●・●●・シー│<ミー・ミー・ミー│
     >レー・>シー・<ミー│>ラー・ーー・ーー│●●・●●♪
最後のパラグラフで、
[poco meno mosso(ポーコ・メーノ・モッソ=速くの度合いををやや少なく=やや減速して)]
となり、歌が終わるとまた、pfの後奏が、
[Tempo primo(テンポ・プリーモ=初めのテンポで)]
前奏とほぼ同じフレイズを弾いて曲を閉じる。

そういえば、バレエ「白鳥の湖」(第3幕)第19曲
「パ・ドゥ・スィス」のヴァリアスィョン中、
[Andante con moto(アンダーンテ・コン・モート)、2/4、2♭(ト短調)]
の後半、2管のオーボエのユニゾンが、
[con anima(コン・アーニマ=魂をこめて)]という指示で、
***♪【ミーーー・ーーーー│ーーーー・<ファーー<ソ│
   <ラーーー】・>レーーー│●●●●・<ラーーー│
   <シーーー・>ファーーー│●●●●・<シーーー│
   <♯ドーーー・>ラーーー│●●●●・●●●●♪
と吹き始める。この、
王妃が座し、廷臣・女官らが控え、
各国からの招待客らが参堂し、
貴族の娘らが王妃の座をかけて集い踊る、
騒がしい舞踏会の中で、
ズィークフリート王子は、
スルチャーィナ(偶然)、誰を見つけた、のだろう。この
ヴァリアスィョンの次のヴァリアスィョン、
[Moderaro(モデラート)、6/8、3♭(変ホ長調)]で、
[con grazia(コン・グラッツィア=上品さをたたえて)]
という指示のもと、vnプリーモが弾く
**♪『ソ・<ミ>レ>ド│>シー、シ・<レ>ド>シ│>ラー』、
   ラ・<ド>シ>ラ│>ソーー・ーーー│ーー♪
という節は、「オネーギン」2幕において、
決闘で友人を殺し、外国でおとぼりをさまして
数年後に舞い戻ってきたオネーギンが、3幕で
グレーミン公爵が主催する「騒がしい舞踏会の中で」、
「あのタチヤーナの姿を見いだした」場面で、
クラリネットによって、万感胸に迫る思いで吹かれる節、
**♪『ソ<ミ・>レー・ー>ド|>シ<レ・>ドー・ー>シ|
 >ラ』>ソ・<ドー・ー>シ|>ラ>ミ・<ラー・ー>ソ♪
なのである。ズィークフリート王子は、
同一曲で囲い込みされた2幕という
夢の中で出会った「オデット」の、
生身の姿を見いだした、のである。
チャイコフスキーの音楽は、じつに怖い。

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