笠置シヅ子 生誕100年 東京ブギウギ
昨日、たまの日曜サンデーと言うのに
何が因果と言うものか、大ヒット映画(邦題)「大脱走」の脇役
"ビッグX"(バートレット大佐)、というよりも、その20年後、
アカデミー監督賞も獲得した「ガンジー」の監督、
として知られてる
Richard Attenborough(リチャード・アッテンボロ、1923-2014)
が死んだ。90歳という高齢だが死因は、
大脱走の頃のアッテンッボロと冠次郎の顔の区別がまったくつかない
拙脳なる私には、皆目検討がつかない。
今日が生誕100年の日にあたる
笠置シヅ子(かさぎ・しずこ、1914-1985)女史は、
私がガキの頃、現代劇・時代劇を問わず
TVドラマのおばちゃん役ゲストでよく出てきた。
「昔は有名な歌手だったのよ」
と母が言った。
歌番組で過去のVを流してるのも観た。
「ブギの女王」と呼ばれてた30代の頃は、
いわゆるブスなのだが、(いやでない)色気というか、
妙に魅力ある顔をしてる。そして、その声自体も
艶のあるトランペット(現在の柔らかい音ではなく)という趣である。
美空ひばり女史や江利チエミ女史にとっても
憧れの存在だったようである。
同女史は香川県の生まれで大阪の薪炭米穀店に養子に出された。
大阪はもともと語中のガ行鼻濁音圏である。が、
非鼻濁音圏の四国・中国・九州地方から上ってきた人々によって、
ガ行鼻濁音・非鼻濁音混在圏となった。
現在生きてれば100歳の笠置女史は、
歌唱の際に語中ガ行を鼻濁音と非鼻濁音の中間で発音してる。
10代から歌手としてプロになったので、
東京でヴォイ・トレを受けて非鼻濁音を直された経験がないから、
おそらく養家の親の発音のままに育ち、それが
歌唱にももたらされたものと思われる。
同女史の代表的な歌といえば、
「買物ブギー」も捨てがたいが、やはり、
「東京ブギウギ」(昭和22年=1947年、作曲=服部良一)ははずせない。
♪東京ブギウギ、リズムウキウキ、心ズキズキ、ワクワク♪
という鈴木勝の歌詞もまた語呂がいい。
節は、
♪●●●・ソーー・・<ラーッ●・<ドーッ●│
<ミー>ド・>ラー>ソ・・●●ソ・<ラー<ド│
<ミー>ド・>ラー>ソ・・●●ソ・<ラー<ド│
<ミー>レ・>ドー>ラ・・>ソー<ラ・<ドーミ│
ーーー・ーーー・・ーーー♪
というようなものである。
笠置の歌は米兵にもウケたという。後年、
米国公演も行ったがアメリカ人にも好評だったらしい。ともあれ、
笠置女史の歌いっぷりは、当時の
ミスター・タイガー藤村富美男が笠置のステイジに刺激されて
"物干し竿"を振りまくり、
「ダイナマイト打線」の中軸を担ったという。
作曲の服部良一も大阪生まれ大阪育ちである。
出っ歯が非日本人でない大阪人の特徴でもあるが、
服部もその例に漏れてない。
大阪は古来から渡来人が多く、
旧モンゴロイドと新モンゴロイドの混血が他地域より進んだ。
骨格の違う種が混血するとたとえば顎にその
異種性が顕れる。すなわち、
小さい下顎に大きい上歯だと、
歯並びが悪くなるか、または、
上歯が出っ歯にならざるをえないのでる。
そうした生粋大阪人の服部や笠置女史が
「東京ブギウギ」や「銀座のカンカン娘」(笠置女史は映画中だけ)などを
ヒットさせたのだから、皮肉といえば皮肉であるが、
わてほんまによぅ言わんわ、である。
(「東京ブギウギ」をアレンジしたものをアップしました。
https://soundcloud.com/kamomenoiwao01/hattori-ryouichi-tokyo-boogie-woogie-arr-kamomeno-iwao )
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます