チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「ムーン・リヴァーの疑似科学、マイナス倚音」

2008年11月08日 23時53分36秒 | toneナリノ曲ハヨク歌曲ウ歌謡曲ダ
[Carry ha appogiato la testa sulla spalla di signore Big]

早実が生んだ「global」な知名度を持つ“スーパーミュージシャン”、
尚美学園大特任教授の小室哲哉容疑者が、
「権限なき著作権譲渡詐欺」の廉で
大阪地検のお縄を頂戴したそうである。おなじく、テツヤでも
左翼反日思想家の故筑紫哲也は“ヘヴィ・スモウカー”だったそうである。かたや、
故オードリー・ヘプバーンは“チェイン・スモウカー”だったそうである。
ともに肺癌を起因に死んだようだがそれぞれ70歳前後までものうのうと生きて、
環境問題を訴えるふりをしてるその口先から、副流煙をさんざん撒き散らした。先日、
銀座のティファニーが“リニューアル・オープン”したのだそうであるが、
小室氏が生まれた1958年に発表されたトルーマン・カポウティの小説は
「ティファニーで朝食を」である。ファンにとっては小室氏が
美容整形&おくすりマニアであることはまったく気にならなくても、
「恥犯人で超ショックを」覚えるニュースだったようである。ときに、
超ショック、といえば、腐れ縁なミスター・ビッグが商売替えして、
カリフォーニアで「菜っ葉」作りに精を出す、と聞かされたキャリーである。
第4スィーズンの最終回(第66話)「I heart NY」は
「sex and the city」の中では面白いほうだった。
MoMAでシャーロットがモネの「睡蓮」の
水面に反映する空の青のすばらしさを解説するくだりは、
モネに価値を見出せない私には微笑ましく感じられた。が、すぐさま、
フランスィス・スタンヘイゲン女史扮するシャーロットの義母が、
「あら、やだ。モぉネっ! なんて下品で安っぽいことっ!」
と宣ったのである。このセリフが英語でどうなってるのかは、
ピーテル・デ・ホーホとヨハネス・フェルメールの絵を
判別できない愚脳な私には解かるはずもないが、脚本家もしくは製作者に
私と同様なモネ感な人がいることを知った。それはともかく、
ほぼ引っ越しが終わったビッグの部屋で、
「マンスィーニ」のレコードをキャリーは引っ張り出す。
ビッグがプレイアーにかけると、流れてきたのは「ムーン・リヴァー」。
アンディ・ウィリアムズが歌ってるものだった。
同人自体が嫌いなわけではないが、まったく、
この歌の“イメージ”には合わない顔・声質・歌唱である。もちろん、
映画では同人は歌ってないが、のちにさまざまな歌手が歌った。
もちろん誰が歌おうとかまわないが、ただ、
メニューインのヴァイオリンのような
シャーリー・バッスィーの歌だけは願い下げである。私としては、
「ディ・オードリー・ヘプバーン・ストーリー」の
ジェニファー・ラヴ・ヒューイット女史の
“moon river”が好きである。もともと、
「男の子みたいだった」頃の同女史に好感を持ってた
(長じてからは巨乳女優としても知られてるが)し、
あの屈託のない笑いかたがなにより好きなのであるが、
歌も巧い。が、それはさておき、「ムーン・リヴァー」に対して、
キャリーはいかにも古臭いものという表情をする。が、
ビッグは「クラスィックさ」と言って、
両親がこれをかけながら踊ってた思い出を語る。そして、
♪トゥー・ドリフターズ、オフ・トゥー・スィー・ダ・ワールド♪
子供のとき、これが「トゥイスターズ」と聞こえてしまった、と、
“ツイスト”を踊るのである。カポウティは同性愛者だったが、
女性の美しさや魅力を判別する目には長けてた。
「ティファニーで朝食を」のホリーは
マリリン・モンロウをダブらせて書いたのだそうである。が、
映画は別物になってしまった。主役はオードリー・ヘプバーンで
筋もハッピーエンディング。日本版リメイクで仮に
風見章子女史がホリー役を演じたとすれば、カポウティは、
「そのほうがパラマうんと楽よ」と言ったかもしれない。いずれにせよ、
ヘプバーン&ハッピー・エンディングのほうが、
モネの絵といっしょで一般には受けたのである。
「ムーン・リヴァー」も、ヘプバーンが主役に決定してから
同女史を想定して書かれたものだそうである。なるほど、
♪オウルド・ドリーム・メイカー♪
のくだりは、ジョン万次郎式和製英会話術では、
♪オードリー・名か♪
と少なくとも私には聞こえてしまうから、道理でである。
頼朝公御幼少のみぎりの御頭骨なるものを骨董屋につかまされ、
それをかぶって滝に打たれるとマイナスイオンをふんだんに浴びて
健康にいいと信じ切ってたほどガキの脳しかない私は、
つい最近までそれが落語の枕だとも知らずに過ごしてきたほどの
おバカおやじだから、そう聞こえて当然である。まったく、
とんだ還元イオン降らせボ効果である。が、これを
「キタカまくら瀑布」と我々似非文化人は呼んでるのである。
「ナイアガラ瀑布」ではない。そもそも、
「moon」に「river」という組み合わせからして、
奇妙奇天烈である。「月に雁」や「山に川」なら解かるが、
「月に川」である。そして、歌詞も
月に魅力を感じなかったらしいマラルメばりに難解である。さて、
“歌曲”「ムーン・リヴァー」は、
♪『ソ│<レ>ド>シ>ラ>ソ』>ファ│<ソ、>ド<シ>ラ>ソ>ファ│<ソ●●●●♪
という、おもに「下降音階」的な「音列」を、
♪『ソーーーーー│<レー>ドーーー│>シーー>ラ>ソ』>ファ│<ソーーー、>ドー│
 <シーー>ラ>ソ>ファ│<ソーーー♪
と、その小節にはいる音列の中の「仲間はずれ」な「音」を
強拍(第1拍)に配す形にしてあてるがために、必然、非和声音の
【アッポッジャトゥーラ(倚音)】が多くなる。
♪ムーーーーン│【リー】ヴァーーー、│【ワーイ】ダ、ダナ│マーーーイル♪
だから、聴いてるだけで「還元イオン」がどっぷりと吸収される、
のらしい。ともあれ、本来は、
“ティファニーを買収してそこで目覚めの朝食を摂れるほどのご身分”な
「玉の輿」を夢見る高級娼婦ホリーと
気ままな暮らしに明け暮れてる作家の卵ポール、
被害をこうむり抗議しても暖簾にユニオシな道徳心の希薄なホリーに閉口してる日本人、
そして、靴マニアな性風俗ライターのキャリーという“ニューヨーカー”たちからは、
「ショーペンハオアー」的な厭世感しか醸しだされない、はずである。ところで、
チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」(第2幕)第12曲bの
たった24小節の「公爵家令嬢の踊り」(ムニュエ)の終いに、チェロが、
**♪ドー│>シー>ラー・>ソー<ラー・<シー、<レー│
  >ドー>シー、<ドーーー・ーー**♪
と奏する向こうで、ホルン1管が、
**♪『ソー│<レーー>ド・>シー>ラー・>ソー』**♪
というオッブリガートを吹く。デズィレ王子のお妃候補として「玉の輿」をめざす
「公爵家令嬢」「男爵家令嬢」「伯爵家令嬢」「侯爵家令嬢」ら
貴族令嬢隊の先方である。ちなみに、
「究極の素肌」を目指すのは、イオンではなく、
♪イオナーーーァーーー♪である。映画「ティファニーで朝食を」の
ラスト・スィーンは、どしゃぶりの雨の中、である。
雨水の水しぶきをおおいに浴びたホリーとポール、そして猫は、
たっぷりの“マイナスイオン”なるものを吸収できたに違いない。

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