チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」の第28曲"Pas de Deux"は、
オロル姫とデズィレ王子によって踊られる。そして、
1)タイトル無し(導入) [Allegretto、6/8拍子、1♯]
2)Entree(アントレ=登場) [Allegro moderato、6/8拍子、1♯]
3)Adagio(アダージョ) [Andante non troppo、6/8拍子、無調号]
4)Variation(ヴァリヤスィヨン)1 [Vivace→Prestissimo、6/8→2/4拍子、無調号]
5)Variation(ヴァリヤスィヨン)2 [Andantino、2/4拍子、3♯]
6)Coda [Allegro vivace、2/4拍子、4♯]
という6つで構成されてる。その5)。
[Andantino、2/4拍子、3♯]
オロル姫単独で踊られる。
このヴァリヤスィヨンの最高の踊りは、
実演・映像などあらゆる媒体を通じて、
故エカチェリーナ・マクスィーマヴァ
(いわゆるエカテリーナ・マクシーモワ)のものである。
さて、
チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」において、
【3♯(イ長調)】は、
プロローグの第1曲「行進曲」における、宮廷の女官や廷臣らの登場、
プロローグの第2曲「踊りの情景」における、リラの精の登場、
第1幕の第7曲「情景」における、成人したオロル姫の登場、
第3幕の第27曲「パ・ベリション」、
などで主に使われてきた。
第27曲のベリ地方は当初はフランス王家の領地ではなかったが、
ヴァルワ朝あたりからフランス王家のものとなった。そして、
国王の近親者(王太子や弟)に与えられ、
"Duc de Berry(デュ・ドゥ・ベリ=ベリ公爵)を名乗った。
ブルボン朝では、ルイ14世の孫シャルル、ルイ16世、
その弟シャルル10世、その次男シャルル・フェルディナン、
などが叙爵した。つまり、
オロル姫がフランス王家(ブルボン家)の子女であることを、
チャイコフスキーは調性で示唆したのである。そして、
次曲「サラバンド」はルイ14世の得意舞踊、そのまた次曲、
終曲の「アポテオズ」では古謡「アンリ4世、万歳」を引用し、
「ブルボン」を固めたのである。
曲は大きく「前半」と「後半」から成る。まず、
「前半」。
vnプリーモが主題をpで奏する。
****♪ソッ<「シッ」<ドッ<レッ・<ミ<ソ<ラ>♯ファ│
<ソーッソーッ・ソーッ●●│
>ファー<ソー(フラジョレ)・>ミー<ソー(フラジョレ)│
(ソ)>レーッレーッ・レーッ●●♪
ちなみに「シッ」の箇所であるが、おかしなことに、
スコアによってはシャープが附されてるものがある。
【3♯(イ長調)】においては、"ソ"はもともと
"♯ソ"なのだから。ドシロウトであるからして、
1次資料(手稿)を見ることができないし、
なぜジョルジュ・サンドはショパンの結核が
うつらなかったのか解らない拙脳なる私には、
この"♯"の理由についても推理する能はない。
ともあれ、
主題の後半は、実質ホ長調に転じる。
クラリネットによる主題の推移はそのままホ長調。
****♪ドッ<レッ<ミッ<ファッ・<ソーッソーッ│
ソーッソーッ・ソーッ●●♪
主題の再現は提示よりオクターヴ高められて
独奏vnによって奏される。当然に、
"技巧的"に変ぜられる。
「後半」。
実質ホ長調のまま、ffの全奏。タンバリンが加わる。
****♪ソ、>ソ>ミ>レ、・>♭レ>ド、<ド<ミ<ファ<ソ│
<ラ、>ラ>ファ>ミ、・>レ>ド、<ド<レ<ミ<ファ│
<ソ♪
リラの精の主題の変型である。次いで、
実質嬰ヘ短調に転じて、
****♪ミ>♯レ<ミ、ミ>♯レ<ミ、・ミ>♯レ<ミ、ミ>♯レ<ミ、│
ミー<ラー>♯ソー>♯ファー・<♯ソー、●>Nファ<♯ソ<ラ<シ│
<ド>シ<ド、ド>シ<ド、・ド>シ<ド、ド>シ<ド、│
ドー<ファー>ミー>♯レー・<ミー♪
という音型が振り出される。この音型は、
1993年に作曲されたpf曲「18の小品集」(op.72)の第5曲、
"Meditasion(メディタスィヨン=物思い)"
の主題にも使われてる。
[Andante mosso、9/8拍子、2♯(ニ長調)]
***♪ソ・<レ>ド>シ│
<ドーー・ーー、ド・<ファ>ミ>♯レ│
<ミーー・ーー<ソ、>ラ<レ<ファ│
>ミーー・ーー、ミ・>♯ファ<ド<ミ│
ミーー・>レー♪
終いは、クロマティカルな修飾にデコレイトした
[●♭ラ>ソ<シ<ド]
を打ち出し、イ長調の主和音から主音のユニゾンで曲を閉じる。
オロル姫とデズィレ王子によって踊られる。そして、
1)タイトル無し(導入) [Allegretto、6/8拍子、1♯]
2)Entree(アントレ=登場) [Allegro moderato、6/8拍子、1♯]
3)Adagio(アダージョ) [Andante non troppo、6/8拍子、無調号]
4)Variation(ヴァリヤスィヨン)1 [Vivace→Prestissimo、6/8→2/4拍子、無調号]
5)Variation(ヴァリヤスィヨン)2 [Andantino、2/4拍子、3♯]
6)Coda [Allegro vivace、2/4拍子、4♯]
という6つで構成されてる。その5)。
[Andantino、2/4拍子、3♯]
オロル姫単独で踊られる。
このヴァリヤスィヨンの最高の踊りは、
実演・映像などあらゆる媒体を通じて、
故エカチェリーナ・マクスィーマヴァ
(いわゆるエカテリーナ・マクシーモワ)のものである。
さて、
チャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」において、
【3♯(イ長調)】は、
プロローグの第1曲「行進曲」における、宮廷の女官や廷臣らの登場、
プロローグの第2曲「踊りの情景」における、リラの精の登場、
第1幕の第7曲「情景」における、成人したオロル姫の登場、
第3幕の第27曲「パ・ベリション」、
などで主に使われてきた。
第27曲のベリ地方は当初はフランス王家の領地ではなかったが、
ヴァルワ朝あたりからフランス王家のものとなった。そして、
国王の近親者(王太子や弟)に与えられ、
"Duc de Berry(デュ・ドゥ・ベリ=ベリ公爵)を名乗った。
ブルボン朝では、ルイ14世の孫シャルル、ルイ16世、
その弟シャルル10世、その次男シャルル・フェルディナン、
などが叙爵した。つまり、
オロル姫がフランス王家(ブルボン家)の子女であることを、
チャイコフスキーは調性で示唆したのである。そして、
次曲「サラバンド」はルイ14世の得意舞踊、そのまた次曲、
終曲の「アポテオズ」では古謡「アンリ4世、万歳」を引用し、
「ブルボン」を固めたのである。
曲は大きく「前半」と「後半」から成る。まず、
「前半」。
vnプリーモが主題をpで奏する。
****♪ソッ<「シッ」<ドッ<レッ・<ミ<ソ<ラ>♯ファ│
<ソーッソーッ・ソーッ●●│
>ファー<ソー(フラジョレ)・>ミー<ソー(フラジョレ)│
(ソ)>レーッレーッ・レーッ●●♪
ちなみに「シッ」の箇所であるが、おかしなことに、
スコアによってはシャープが附されてるものがある。
【3♯(イ長調)】においては、"ソ"はもともと
"♯ソ"なのだから。ドシロウトであるからして、
1次資料(手稿)を見ることができないし、
なぜジョルジュ・サンドはショパンの結核が
うつらなかったのか解らない拙脳なる私には、
この"♯"の理由についても推理する能はない。
ともあれ、
主題の後半は、実質ホ長調に転じる。
クラリネットによる主題の推移はそのままホ長調。
****♪ドッ<レッ<ミッ<ファッ・<ソーッソーッ│
ソーッソーッ・ソーッ●●♪
主題の再現は提示よりオクターヴ高められて
独奏vnによって奏される。当然に、
"技巧的"に変ぜられる。
「後半」。
実質ホ長調のまま、ffの全奏。タンバリンが加わる。
****♪ソ、>ソ>ミ>レ、・>♭レ>ド、<ド<ミ<ファ<ソ│
<ラ、>ラ>ファ>ミ、・>レ>ド、<ド<レ<ミ<ファ│
<ソ♪
リラの精の主題の変型である。次いで、
実質嬰ヘ短調に転じて、
****♪ミ>♯レ<ミ、ミ>♯レ<ミ、・ミ>♯レ<ミ、ミ>♯レ<ミ、│
ミー<ラー>♯ソー>♯ファー・<♯ソー、●>Nファ<♯ソ<ラ<シ│
<ド>シ<ド、ド>シ<ド、・ド>シ<ド、ド>シ<ド、│
ドー<ファー>ミー>♯レー・<ミー♪
という音型が振り出される。この音型は、
1993年に作曲されたpf曲「18の小品集」(op.72)の第5曲、
"Meditasion(メディタスィヨン=物思い)"
の主題にも使われてる。
[Andante mosso、9/8拍子、2♯(ニ長調)]
***♪ソ・<レ>ド>シ│
<ドーー・ーー、ド・<ファ>ミ>♯レ│
<ミーー・ーー<ソ、>ラ<レ<ファ│
>ミーー・ーー、ミ・>♯ファ<ド<ミ│
ミーー・>レー♪
終いは、クロマティカルな修飾にデコレイトした
[●♭ラ>ソ<シ<ド]
を打ち出し、イ長調の主和音から主音のユニゾンで曲を閉じる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます