とうとう相棒のシリーズ10も今回で最終回を迎えて、ちょっと寂しい気もしています。とは言え、今日の最終回の話は何かと問題を含んだテーマで、生命倫理とか宗教的な問題とか、殆どそんなことには縁のないド素人で、ただのテレビドラマの視聴者でしかない当方としても多少考えさせられることはあります。
以前、クローン羊のドリーの成功で、各国でさまざまな実験的な研究がなされて、ある愛猫家が自分の飼っていた猫をもう一度この世に甦らせたいと研究者に頼んでクローン猫を誕生させた記事も読んだ記憶があります。でも、確かにすべて同じ遺伝子配列のはずのクローン子猫は、いざ生まれてみると元の猫の毛並みとは、模様がまるで違って生まれてきたのだそうです。元の猫の複製としてそっくりそのまま生まれてくるというわけではないのだそうです。
ということは、もう一度どうしてもその人に会いたいからといってクローン人間を作ったとしても、その人は遺伝子の配列は同じでも一人の赤ちゃんとしてまったく新しい人生を一から始めて、別の記憶を持った別の人として成長していくわけなのだそうです。その辺は押さえておかないとクローン人間というのがもし生まれたとしてどんな存在なのか、思い違いも起こりそうです。
そんなことを考えさせられながら、今日の話を見て、尊くんの無茶振りにあっけに取られておりました。結局お腹の子は流産してしまい、生まれていれば起こってくるはずのさまざまな問題は今後の課題として残されたわけですが、その子をめぐって殺されてしまった兄も、殺した妹も、妹娘をかばって罪を被ろうとした母(研究者)もずいぶん空しいことをしていたようです。ただの人間が「いのち」というものを安易にもてあそんだせいでしょうかねえ。政治家やお役人(つまり、片山雛子や長谷川元副総監ら)は、とにかく火種がやたらに燃え上がらないようにと、裏で動いていたのでした。
というわけで、尊くんは今回の無茶苦茶な行動で、特命係を去っていきます。最後の右京さんが一人で歩き去る後姿が印象的でした。
※おまけ
夕べはあえて書かなかったのですが、今くすの樹さんのブログにコメントしたのでおなじことを付け加えておきます。尊くんはなんと長谷川元副総監と一緒のところに移ることになったのですよ。これって今後の展開に影響ありそうな雰囲気ではありませんか。もしそうでないとしても、相棒世界では尊くんは今もちゃんと存在しているわけです。