町火消しと大名火消し、町飛脚と大名飛脚。江戸時代には、管轄が違うだけに、「オレたちのほうがいい仕事ができる」と対立しがちだったという。けさの「暴れん坊将軍」はそんなお話。
町飛脚の元締めである江戸屋の弥市(岡野進一郎)は江戸一の健脚と町民からも人気だった。まもなく、娘のお小夜(渡辺祐子)と夫婦になることが決まっていた。何かと対立するのは、これも飛脚陣に自信のある小田原藩の江戸屋敷。ある日、弥市は仕事で走っているときに侍数人に襲われ、わざと脚を大きな石でつぶされ、大けがを負う。骨には異常がなかったのが不幸中の幸いだったが、運搬中の百両を盗まれてしまう。江戸屋は小田原藩の嫌がらせといきり立つ。
(弥市を励ますお小夜)
しかし、真実は違った。飛脚や道中の旅籠を仕切る道中奉行がこれら業者から上納金を収めさせて懐にしようとしていたのだが、
(旅籠の女中から上納金のひどさを聞く吉宗)
飛脚の元締めである江戸屋が拒否しているので、嫌がらせをし、それでも従わないなら最後は主人を亡き者にして、この業界も牛耳ろうとこの対立をあおっていたのだ。
吉宗らは、江戸屋と小田原藩の対立を収めようと、小田原から江戸までの競走でどっちが勝っても負けても遺恨を清算するという企画を立てる。そこに道中奉行がちょっかいを出してきて馬脚を露すことも計算していた。
弥市の回復は間に合わなかったが、江戸屋が勝った。
しかし、道中を警戒していた吉宗らだが、道中奉行はゴールの日本橋で待つ江戸屋の主人を狙い、刺し殺させた。自らの推理ミスにも怒ったのか、吉宗は道中奉行の屋敷に乗り込み、思い切り成敗した。
弥市のけがも治り、現場に復帰。お小夜とともに、江戸の町飛脚を支えていくことになるのだろう。